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五月の風

薫風に燕飛ぶ五月の朝は
何もかもが洗われてゆくようです。
抜けるような青空は
人間界の小ささを教えてくれる。
いったい何にとらわれて
右往左往していたのか
我が身の滑稽さに苦笑します。
ツツジはもう終わり
ウツギの花の白が翠に映える
シャリンバイ、モッコウバラ
杜若に菖蒲
絶え間なく語りかけてくる花たちの
なんという屈託のなさでしょう。
明日を案ずることもなく
ただこの今に咲いている。
花に慰められるのは
人間が逆立ちしてもできない生き方を
しているからかもしれません。

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