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子育てを「点・線・面」でサポートする ここるく【創立10周年記念note】

こんにちは、子育て支援のベンチャー企業「株式会社ここるく」です。

時々「ここくる」(ここ来る)にソラ目されますが、この名称には子育て中のみんなの心が軽く、明るく、丸くなれますようにという想いが込められていて、「心かるくあかるくまるく」を縮めて「ここるく」と命名しました。

個人向けに託児付きランチサービス親子教室、企業向けでは新規事業開発コンサルティングを通じて、子育て期の皆さんの「ここるく」な毎日を応援しています。2013年12月からスタートしたここるくは、ちょうど今創立10周年イヤー中。遅ればせながら、記念のnoteを開始して私たちが得意とする子育て分野についての情報を発信していきたいと思います。

執筆者は、3名。「やました」は、ここるく代表で、子ども・子育てに関する制度や行政サービスの解説を主に担当します。「マコ」は、期待の若手スタッフでラーニングカーブ高め女子。保育士としての経験から、保育・子育ての”現場”の声を発信していきます。そして私「コーホー」は、広報担当者としての視点を活かし、普段プレスリリース等に書けない裏側などを自由に発信します。今回は「ここるく」って何?という方のためのご挨拶記事です!


●託児付きランチサービスここるく

皆さん、「心かるくあかるくまるく=ここるく」になる時ってどんな時ですか?お気に入りのカフェでゆったり読書、お風呂に浸かりながらタブレットでドラマ鑑賞、サウナで整って頭スッキリリラックス等、ここるくになれるそれぞれの「自分時間」の過ごし方があるのではないでしょうか。

こどもが生まれる前までは当たり前のように確保できていたこうした時間が、子育て期に突入した途端なかなか手の届かないものになります。日々の慌ただしさに追われ知らず知らずのうちに心の健康を保ちにくくなってくると、その影響を一番に受けるのはこどもです。

わが子の成長の瞬間やパパママへの満面の笑顔を、ここるくな状態で受けとめて子育ての喜びを感じて欲しい。そのために、敢えて私たちが抱っこを代わることで、忙しい日々の中でも心のゆとりを取り戻してもらおうと、2013年に始まったのが「託児付きランチのここるく」です。子連れでは行きにくいレストラン・エステ・習い事教室とここるくが提携し、店内の空きスペースでプロの保育スタッフがお子さまをお預かりするサービス。パパママは託児付きの様々なプランを利用できて、座席予約・託児の手配・連絡窓口の一本化により、簡単お手軽に自分時間を確保できるように設計してあります。

サービス開始の背景には「ママ~と呼ぶ娘の声に振り向いてあげる気力がなかった」「こどもが自分の手で食べようとしてこぼしてしまったことに大声を上げてしまった」など創業メンバーたち自らの子育て体験がありました。日本の子育て環境を変えたい。子育てをパパママだけでなく社会で担えるようにしたい。究極的には、ここるくのように気兼ねなく抱っこを代わってもらえるサービスがあると知っていてもらえるだけでもいい、きっとそれが子育ての“お守り”になるから。そんな気持ちはコロナ禍期間中も変わらず、私たちにできることを続け、この10周年を迎えたところです。

●ここるくが運営する乳幼児教育事業「はじめの親子教室」

2019年4月からは恵比寿に移転して、一軒家オフィスの本社内でモンテッソーリ教育をベースとした親子教室「はじめの親子教室」の運営を開始しました。「託児付きランチのここるく」を通じてたくさんの親子と接するうちに、どんなに前向きに子育てに取り組んでいるパパママでもこどもとの関わり方に自信が持てないという話を耳にするようになりました。乳幼児期は言葉でのコミュニケーションが難しいため、なおさら「これでいいのだろうか?」という不安が付きまとう。そこでこども達の育ちに寄り添い、親子で学べる場を提供し、家庭環境の中でも取り入れやすい知育教育を実践できるようにと立ち上げたのがこの親子教室です。「託児付きランチのここるく」が抱っこを代わる2時間の「点」のサポートだったのに対し、「はじめの親子教室」は家庭内での時間にも寄り添う「線」のサポートと言えます。

●点から線へ、そして面へ

こうした「点」と「線」での子育て支援を続ける中で、私たちが提供する託児付きランチでのたった2時間のサポートが、親子教室での週一回の時間が、パパママにとっては「子育てを誰かに委ねていいのだ、頼っていいのだ」という気づきや子育てへの自信につながっているというユーザーの皆さんからの声を頂戴するようになりました。これこそが私たちが創立当初からずっと目指していた「面」のサポートです。四六時中だっこを代わっていなくたって、毎日お教室に通わなくたって、点や線のサポートをきっかけにその先までずっと続く面の効果を生む、それが子育て支援の醍醐味であり、ひとつの理想形ではないでしょうか。

そんな私たちも、コロナ禍による影響は避けられず、大きな環境の変化を経験しました。当時、WHOや国の発表、そして日々のニュースを睨みながら、私たちの在り方を日々議論していたことを思い出します。さかのぼってみると、2020年2月28日に私たちはこんなメッセージを発信していました。

<今、私たちにできることを、できるだけ>
(略)
今般の新型コロナウイルスの感染拡大防止に関し、刻々と変わる状況とそれに対する様々な対策を目にする中で、国全体が大変な状況にある今だからこそ、私たちが持っているリソースを最大限活用して「今、私たちにできることを、できるだけ」行うことが私たちの役割だと感じています。

2020年3月の「ここるく」サービス提供について(2020.2.28)

パパママが自分たちだけで子育てを抱え込まなくてよいように、ここるくを頼ってその扉を叩いてくださる方がいる限り、私たちは子育てに寄り添うことを止めてはいけない。第一回目の緊急事態宣言期間を除いては、条件が整う限り、ご希望がある限り、万全の安全対策を講じてコロナ禍でも託児付きランチサービスを継続しました。実際のサービス利用の有無に関わらず、ここるくの存在を知っていることが安心感につながる=子育ての“お守り"的なサポートを。コロナ禍を経た今、私たち自身にもこうした「面」のサポートへの気概が高まったように感じています。

●日本の子育て環境の変化と「こども誰でも通園制度(仮称)」

私たちが創業してからの10年間、少しずつではあるものの、日本の子育て環境に良い変化があったと感じています。保育施設の増加男性育休取得率の増加、こども達の未来を創るサステナブル社会の推進などにより、社会全体で子育てを支えようという「面」のサポートの機運の高まりを皆さんも感じているのではないでしょうか。この2024年3月から試行的実施が始まる「こども誰でも通園制度(仮称)」もその一つと言えます。

「こども誰でも通園制度(仮称)」は、これまで保育園入園に必要だった就労要件などに関わらず、誰でも一定時間こどもを預けることができるという国が主導する制度です。一見、育児負担感の軽減や孤立化の解消という親側のための制度と捉えられがちですが、「こどもまんなか社会」実現のための制度であり「こどもは“こども社会”で育つ」という視点から、こどもの健やかな育ちの環境を提供するという意味を持っています。この「こどもは"こども社会"で育つ」とはどういう意味でしょうか?

●コロナ禍で5歳児に約4ヶ月の発達の遅れ

2023年7月11日に京都大学などの研究グループが米国医学誌「JAMA Pediatrics」に発表した論文「新型コロナの流行と乳幼児の発達の関連:2017-21年の追跡調査」によると、コロナ禍以前の5歳保育園児と、コロナ禍を経験した5歳保育園児を比較したところ、平均4.39ヶ月の発達の遅れが見られ、特に「主体的に言葉を話す力」は、5.64ヶ月の遅れがありました。論文では、「学習や社会性、身体と精神の健康、家庭の支援などの面でサポートを提供することが重要(※引用文訳・引用箇所後述)」と結ばれています。

It is important to identify children who have been detrimentally affected by the pandemic and provide them with support for learning, socialization, physical andmental health, and family support.

Association Between the COVID-19 Pandemic and Early Childhood Development (JAMA Pediatrics)

こどもにとって、こども同士で過ごす時間、パパママ以外の大人と過ごす時間はその成長を大きく伸ばすものです。しかし実際には日本の0-2歳児の約6割が未就園(保育園等に通園していない)という現状があります。

出典:こども家庭庁「未就園児等の把握、支援のためのアウトリーチの在り方に関する調査研究」(2023年3月)

未就園児の多くは、こども同士で過ごす機会が就園児に比べて少ないまま3歳児となり、この表を見ると、それ以降も一部のこども達は未就園のまま小学校入学を迎えていることが分かります。こども中心に考えた時、パパママと過ごす時間はかけがえのないものですが、こども同士の時間=こどもが"こども社会"で育つ時間を確保し、全てのこどもの育ちをサポートすることが「こども誰でも通園制度(仮)」の存在意義といえます。

●「こども誰でも通園制度(仮称)」モデル事業

私たちの託児付きランチサービスのご利用者様のほとんどが0-2歳の未就園児であり、未就園世帯に数多く関わってきた私たちのこれまでの知見を活かし、2023年7月からは本制度のモデル事業実施園である栃木県栃木市の認定こども園さくらさんと協働で「ランチ付こども誰でも通園制度モデル事業」を実施してきました(モデル事業は、令和8年度からの制度本格実施を見据えての準備的な位置づけで行われているもので、令和6年度からは試行的事業へと移行します)。実際ご利用された方の声を聞くと「今まで家では食べなかったものを食べるようになった」「まだできないと思っていたことが実は出来ると分かった」などパパママ側にとってもこの制度利用が子育てへの良い気づきを得られる機会となっている様子が伝わってきます。

「こども誰でも通園制度(仮称)」は、2024年2月時点で31自治体によるモデル事業で、早ければ2024年3月より150自治体で試行的実施が始まるとされており、まだご利用者様側の情報も少ないのが実情です。「こども誰でも通園制度(仮称)」については、私たちの持っている情報をできるだけ皆さんに分かりやすくお伝えできるように、こちらでも情報発信を続けていきたいと思っています。

●最後に

最後までお読みいただきありがとうございます。「ここるくって何?」が少しお分かりいただけたら嬉しいです。今日もこども達を想う皆さんの心がここるくでありますように。またお会いしましょう!

ここるく コーホー