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歴史は繰り返す

「歴史は繰り返す」
という言葉は、皆さん馴染みがあるのではないでしょうか?

昔は、お年寄りの方々が口酸っぱく言っていたと思います。
最近は、あまり聞かなくなった気がします。

「歴史は繰り返す」一見、単純で流しがちですが、物凄く重要な言葉です。

伝える側(多くは年長者)は、これまでの様々な経験から気づいた結果を、簡潔にこの一言で説明しているのですが、言われる側(多くは若者)は簡潔すぎて、抽象的なイメージしか出来ず、あまりピンと来ません。

大人達が、子供に「勉強しなさい。」というのと同じで、子供にとっては、「何故勉強しなくてはいけないのか?」という疑問は払拭されず、結局、勉強に身が入らない、というのと同じだと思います。

私が、この言葉の重要性に気づくキッカケは、大きく2回ありました。

「東日本大震災」

「新型コロナウイルスの世界的流行」

1回目の東日本大震災に関しては、1000年以上も前に「貞観地震」が、同規模、かつ、同じ場所で起きていたということを知ったときになります。

津波の被害に関しては、祖先達が残した津波碑の継承がなされていた地域と、津波碑の少なかった地域では、4分の1も死者数に違いが出たと言います。

つまり、「知っていた」「知らなかった」という違いだけで、対応が変わってしまったわけです。
 
当たり前と言えば当たり前なのですが、「知識」には、それだけのインパクトがあります。


そして、今回の新型コロナウイルスの世界的パンデミックですが、約100年前にも同様な出来事が起きています。
それは、スペイン風邪です。
当時における、全人類の約3割が感染し、2000万〜5000万人が亡くなってしまったパンデミックです。

日本では、人口の約1%にあたる、約45万人が亡くなったそうです。

https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20200228-00165191/

当時の日本でのスペイン風邪の流行においては、「前流行(1918)」「後流行(1919)」の2波に別れました。

どちらも同じウイルスであるにも関わらず、後流行の方が致死率が高かったそうで、短期間にウイルスが変異した可能性もあるとのこと。

つまり、今、私達現代人には、「後流行」を起こさない、ということが歴史から求められるわけです。

歴史上では、わずか一年でウイルスが変異し、更なる被害をうみました。よって、なるべく短期間での終息と、多少終息したとしても、その後の対応を緩めないことがとても重要になってきます。

そして、「歴史は繰り返す」という言葉が最も使われるのは、「戦争」においてではないでしょうか?

第二次世界大戦があったという結果は皆さんご存知だと思います。

ですが、学校では、何故、戦争が起きてしまったのかということは説明されません。

子供の頃は、昔の人は馬鹿で野蛮だったのだろうと勝手に思っていました。
ですが、決して、そんなことはありません。

物事には必ず理由があります。

まず、第二次世界大戦が起きる原因の一つとして上げられるのが、1929年にアメリカから端を発した世界恐慌です。

これにより、主要国はブロック経済を行い、自国の経済を徹底的に守ることになります。

ですが、それは領地や資源、植民地等を持っている国が行うことのできる政策であり、当時、敗戦国であり、多額の賠償金を負わされていたドイツ、そして、戦勝国でありながらも、多額の返済金を抱えたイタリアなどはあまりにボロボロで、そのような政策を行う余裕すらありませんでした。

そこで、国民は求めたわけです。

「ヒトラー」や、「ムッソリーニ」を。

当時の国民の気持ちや、ドイツやイタリアの状況を鑑みるに、この選択は致し方なかったことなのだろうと思います。

彼らは、ファシズムというように括られはしますが、実は、民主主義から生まれたものであることが、忘れられています。

もちろん、マルクス主義においては、神様のような人間が為政者となれば別ですが、現実問題、不可能に近いです。
とはいえ、民主主義もファシズムにいつ転ぶか分からない、危険なものなのです。

よって、国民はそれを認識した上で、投票や言論をするべきなのですが、放っておくと、すぐ様多数者の占政が起きてしまうわけです。

これらの大衆を批判したのが、スペインの哲学者「ホセ・オルテガ」でありますが、個人的に長くなってしまうので、割愛します。

話を戻しまして、そのような全体主義的な国家が乱立されていくことで、小さな紛争から戦争が起きてしまったり、侵略戦争が行われることで、どんどんと火種が拡がってしまい、世界中で戦火が交わることとなってしまったわけです。 

日本においては、ABCD包囲網をはじめ、アメリカに石油を止められ、戦争せざる負えない状況を作られ、戦争に突入していきます。

よって、実は先の第二次世界大戦は、政治的イデオロギーで開戦したわけではありません。
むしろ、経済的理由が大きいのです。

現代において、世界経済の状況はどうでしょうか?

新型コロナウイルスの影響もありますが、そもそもそれ以前に世界経済は停滞していました。
これから、さらに、不景気に突入していきます。

米国株価は比較的維持されていますが、一度停滞をしてしまうと、CLO(ローン担保証券)の多くは紙切れになり、邦銀などにも、たちまちマイナスの回転が生じてきます。

日本においては、デフレ化で増税をするという最悪の一手を打ってしまいました。しかも、消費が停滞しているからデフレなのに、その消費を更に停滞させる消費税を増税するという、まさに、寒いと言いながら、服をどんどん脱いでいくような行為をしているわけです。 

中国経済、アメリカ経済、ヨーロッパでの被害も甚大なことから、外需には期待出来ません。

そうなると、自国を保護する政策が必要となってきます。
それは、日本だけでなく、世界でそうなります。

既に、トランプや、ボリス・ジョンソン習近平や、プーチンはそのような方向性でした。

日本だけにおいては、投票権を約半分の国民が棄権する国なので、むしろ、このまま旧ローマ帝国のように滅んで行く気もしますが、本来であれば、自国保護の方向へ進みます。

そうすると、世界各国で、全体主義的な要素が強まることになるでしょう。
さらに、自国保護を優先に出来る国(資源が豊富で食料自給率や内需割合が高い国)は良いですが、過去のドイツ等のように、出来ない国も出てきます。
そして、そのような国が、火種となり、戦争が起きる。

これが、過去の歴史を振り返ったときに、現時点で想定できるパターンとなります。

「歴史は繰り返す」ということを改めて認識することが、今後益々、重要となってくるでしょう。



 

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