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アイリッシュ音楽にあこがれて

フィドルを初めて聴いたとき、私の心をつかんで離さなかったのを覚えている。なんて、楽しげなんだと。

フィドルというのは、アイリッシュやカントリー音楽を演奏するバイオリンのこと。弾き方がクラシックとはまるで違うから、分けて呼ばれているのだろう。

今日、初めてアイリッシュ音楽のイベントへ行ってきた。

演奏中に突然、一般の人がステージの前で踊りだしたのだから、驚いた。近くにいる人の手を取り、仲間がどんどん増えていく。みんなで輪になって演奏者を囲みながら踊り続ける。もはや、ステージが見えない。

私の知っている音楽は、「演奏者」と「聴衆」に分けられる。だけど、ここではその場にいる全員が演者なんだ、と思った。

大人も子供も、知っている人も知らない人も、関係なく手をつないで、心のままに踊る。普段の生活にある線引きや境界みたいなものをまるで感じず、夢の中にいるみたいだった。

昔から、踊りたくなるような陽気な音楽が好き。日常の立場や肩書き、これまで生きてきた背景に関係なく楽しめるからかもしれない。みんなが同じように、同じ目線で楽しいと思える。そういうものを常に求めているのかもしれない。

いつか、アイリッシュ音楽をフィドルで、踊りながら演奏したい。その場にいる人全員が日常を忘れて楽しいと思えるような、そんな時間を作れるようになりたい。



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