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本を読み終わりそうなとき

本を読み終わりそうなときの高揚感って、何度も味わいたくなる。
「ここまで来たら、ぜったいに読み終わるはず」という、あの、あと1割くらいのとき。

この感覚は、マラソンと似ている。道半ばでは「ゴールはまだかな」「先は長いな」「走るのやめてしまおうか」と思うけれど、
ゴールが近づいて、自分の今の体力ならゴールにたどり着けそうと感じられたとき、自分を信じて一気に突っ走れる。何なら、今までのスピード感が嘘みたいに。

本も同じで、ゴールまでたどり着けると確信すると、一気に読み進められる。

今日、数カ月間、向き合っていた本に終止符を打った。この感覚を味わうために、本を読んでいるのかもしれない。
「今日中に読み終わるだろうか」「次は何を読もう」と、意識が未来に向いて、気持ちが踊りだす。

この感覚って、読み手だけではなく、きっと書き手にもあるのだろうと思う。「もうすぐ書き終わる」「やっと世に出せるぞ」みたいに未来に目が向く文章になっていて、私たち読み手の未来思考も引き出すのではないだろうか。

私たちは、本を通して筆者と並走しているのかもしれない。


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