『LET'S WORKミック・ジャガーに学ぶ「これからの働き方」』あとがきのあとがき



主な内容(10のポイント)
①    ビジネスの「切り盛り」を楽しむ
②    「時代」に関わり続ける
③    二つ以上の顔でしたたかに演じる
④    感情を逆なでする
⑤    失敗を食い物にする
⑥    友と化学反応を起こす
⑦    ビジネスを転がし続ける
⑧    好奇心と自制心を持つ
⑨    他者の靴に足を踏み入れる
⑩    与え続ける

ミックの働き方から学べるVUCA時代の働き方
 60年代から第一線で活躍し続けるローリング・ストーンズは,今年プロデビュー60周年を迎えます。なぜ彼らは60年もの間トップに君臨し続けられたのか? 入れ替わりの激しい音楽業界でどうしてそんなことを成し遂げられたのか?
 その秘密は,78歳にして,世界最高のロックバンドを牽引続けているミック・ジャガーのリーダーシップにあります。「過去の人」と思われがちなミック・ジャガーですが,彼からは,VUCAと呼ばれるこれからの時代に求められる「新しい働き方」が学べます。
 ローリング・ストーンズが稼ぎ続けている背景には,リーダーであるミック・ジャガーの“時代を先取りした”働き方があります。本書では,それを10のポイントでまとめています(上記)。
 ミック・ジャガーおよびローリング・ストーンズのエピソードをたくさん紹介しているので,かつてストーンズのファンだった人,ロック・ファンだった人にはとても興味深い内容となっています。
 人生100年時代といわれる今,まだ50代なのにもう「あがり」気分になっている社員はいませんか? そんな人にはミック・ジャガーの働き方を学んでもらいたいものです。彼にとって50代は,バンドの第二創業を行った時期。同世代のビジネスマンも,人生後半戦でもチャレンジを続け,輝き続ける60代,70代を楽しんでいけるはずです。

生涯転がり続けるために
●ビジネスを楽しむ:
 ミック・ジャガーは,ビジネスを楽しむことができる稀有なアーティストです。自らステージでパフォーマンスを演じながら,それを持続的に売り続けることを常に考えてきました。アートとビジネスは別物という,旧来型の思い込みを打ち破り,アートもビジネスもどちらも楽しむ,という両利きの経営をしていたのです。
●経営はチームで行う:
 ローリング・ストーンズの魅力は,そのチームが生みだす化学反応です。コントロールの難しい,強い個性の集まりだからこそ,他のバンドには真似のできない,ストーンズならではの化学反応を生みだしたのです。エリートの集まりではなく,最高の関係性が最高のパフォーマンスを発揮する,という良い例です。
●社会を認識し続ける:
 やりたいことをやるだけでは,二流のアートです。社会が求めていること,消費者の潜在的なニーズをしっかりとつかむことが,これからの時代には必要となります。ミック・ジャガーは,アーティストとは思えない鋭い現実認識力を持っています。この現実認識力が自己満足にとどまらない,60年間支持され続けるパフォーマンスを可能にしてきたのです。

 (本記事は、『LET'S WORKミック・ジャガーに学ぶ「これからの働き方」』(コスミック出版)の出版に合わせて、「人事マネジメント」2022年5月記号に掲載されたものです。
 これからは、ミック・ジャガーの働き方からさらに学ぶために「人生100年時代のリ・エンゲージメント」というタイトルで、全6回の掲載を続けます)

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