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基本情報

  • 日暮キノコ先生執筆の、SF青年マンガ

  • 2018年11月から2020年6月まで連載

    • 講談社「モーニング」にて、2018年51号から2019年49号

    • 同社「現代ビジネス」「コミックDays」に移籍後、2019年12月から2020年6月まで

  • 全58話、全6巻で完結済み

  • メディア展開

    • 2022年8月期に東海テレビ制作・フジテレビ系列の「土ドラ」枠にてテレビドラマ化された

大まかな紹介

どこにでもいるような、何の変哲もない、ただの夫婦のはずだった。
ある日、夫に「異変」が起こるまでは……。
家族をテーマに次々と作品を発表してきた日暮キノコが挑むのは、
夫婦の中の「男と女」。空前絶後の衝撃作。

導入

  • 昼時、定食屋で二人のシュッとしたリーマン二人が飯を食べてる

    • 一人は茶髪の主人公、磯森晶(32歳)

    • 先輩と言われるもう一人は、雪平直道(36歳)

    • 「子供は?」「そのうちです」なんて話してる

  • 二人の職場は「100均チェーンの商品開発部」

    • 女性ターゲットなのに女性が不足、たった今産休により女性がゼロになってしまった

  • 晶は結婚しており、自宅には妻が居る

    • 磯森苑子(34歳) 小説家

  • 夫婦関係は冷え切っており、家に帰っても会話がない

    • 雑談に「職場で産休の人が居てさー」と話を振るも、子供の話が地雷らしく機嫌を損ねてしまう

  • そんな中の深夜、晶は脳出血で救急搬送される

    • 生死をさまよう中、晶は「水中で女性の体を上に見ながら自分がぶつかっていく」という夢を見る

  • 家族・親族が告知を受けている最中、奇跡的に回復した晶が部屋にフラッと入ってくる

    • 家族に「誰なんだ」と言われ、自分の体が女性になっていることを自覚する

  • 医師いわく「異性化」といい、晶は「異性化体質になった」ということである

    • 認知はされているが、研究は進まず解明されていない

      • 生死の境から蘇生した際に起こると言われている

    • 最近、とあるミュージシャンが「自分は異性化した」とカミングアウトしたらしい

    • 自死のリスクなどから、異性化したことは秘密厳守で

  • 退院後、妻は「女性として生きるあなたへ」という自作の小冊子を渡す

    • 「女性としては先輩、よろしく!」

  • 結婚の継続を決めたようだ

    • 32歳と34歳の女同士の共同生活として再始動

ここまでが一話

感想

  • 「絵だけを知ってる」というファースト・インプレッションから見れば、すっごく深くて引力在る作品だな?と読んだ今は思う

    • 年代も知らなかったから、絵を観た時点では「古典かな?」とも思ってたし

    • 最初「シチュエーションが複雑なエロ漫画・恋愛漫画かな?」と思ってたんで

  • かなりの「社会問題」や「マイノリティの苦悩」を詰め込んだ良作だと思う

    • 社会的マイノリティ、性的マイノリティ、トランスジェンダー、フェティシズム、ルッキズム、子供への期待、「産みなさい」の期待、片親、晩婚、不妊、不妊治療、人工授精、不倫、プラトニックと軽薄、etc…

    • まだ読んでないけれど「セクシー田中さん」で作者が言うてたことに類似性を観た

      • 「ただの恋愛ものにしない」をテーマに描いていた、それを安っすいただの恋愛モノにされた、ってのが騒動の一面だし

  • ただ、詰め込み過ぎているので、主人公の周りに奇跡的に関係者が集中しすぎているのが少し現実味にかける

    • もう渋滞しているくらい関係者に線が引けまくるグッチャグチャw

  • 女性がキレイ…というより「女性の描き方」がキレイ、かわいい

    • 最初に出てくるドラッグストアの店員さんは、不機嫌で丸顔なのにかわいいし

    • 主人公の奥さんは、ずっと「キレイな女性の代表」的なポジションで、かつ時折めちゃくちゃかわいいリアクションするし

    • 作者は「女性」なのに…いや女性だから?か「どう描いたら素敵か」を解ってそう

  • 女性作家(Wiki情報)なのに、男心をわかりすぎている…気がする

    • うまく言語化できないが…

    • 「女性に変わることによる感覚の変化」を描写するためには「元となった男性の感じ方」を知ってる必要がある

      • にも関わらず、男性に「せやんな」と思わせる共感性を持って表現されてるように思う

    • いくら「協力者に恵まれてる」としても、相手を余程深く理解していないと無理だと思う

      • なんなら、性転換や性同一性障害でも経てきてるのかと勘ぐってしまうほどに

  • もう少し長く続けて欲しかった

    • もちろん、キレイにまとまってるから、打ち切りでなく「構想通り」だったのだろうとは思うけれど

    • 最初「6巻完結」って知らなかったから、最終回観て「ふぁっ?」って声が出てしまった

    • 最後に「アレ…まだ解き明かされてないよなぁ」な謎も色々と残った

      • 生物学的に「うまく準備すれば〜というのもありえるのでは?」とか

総評

  • 「他者の気持ちになって考える」や「こんなとき自分ならどうする?」など ”人間関係の思考訓練” の題材に良さそうな作品

  • ファンタジーではあるものの、現代の実社会における問題を考えるのにもおすすめ

  • 読後、少し人に優しくできる…かも?


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