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なぜ映画「ロッキー」はこれほどまでに人を”感動”させるのか?

昨日久しぶりに観たボクシング映画「ロッキー5」ですが、実はその数日前に、同じボクシング映画「クリード」も観ていて、全然面白くないな、と感じました。

そこで、ロッキーはもう随分前の映画なのに、なんでそっちの方が面白いんだろう?とふと疑問に思い、色々と考えていると、これはYouTubeやSNSにも通じるところがある気がする!と思いました。

ロッキーが面白いと感じる理由は主に次の3つだと思います。
①脚本が面白い(見る人の感情を揺さぶっている)
②撮影技術
③使われている音楽

まずは①ですが、これは単純に「台本が面白い」から、ということで終わりません。
ボクが感じたのは、「見る人の感情を揺さぶっている」ことが、面白さに繋がっていると思います。

よく言われる「感情曲線」というやつです。

引用→https://froggy.smbcnikko.co.jp/26593/


ロッキーのストーリーを上の図にはめると、ざっくりこんな感じです!
①無名のボクサー「ロッキー」の不遇すぎる日常
②ある時、ボクシングのチャンピオンから対戦相手に指名される
③トレーナーとの仲違い
④仲直りして猛特訓
⑤人々からの賞賛や応援
⑥チャンピオン相手に善戦
⑦ついに勝利!エイドリアーーーーん!の雄叫び

感情曲線は人々が感情移入しやすい作りになっていて、ロッキーはそれを意識することで、人々の感情を揺さぶることに成功しています。

でも、これだけでは、実は物足りないことに気づきました!

それが②の「撮影技術」です!
ボクは撮影には詳しくないので、その辺りの説明の間違いなどはご了承ください。
ですが、クリードとロッキーを見比べて感じたのは、
「過度な演出は逆効果になる」
ということです。

ん、どゆこと??

例えば、ボクシング映画の見どころの一つ
「実際にファイトするシーン」を見比べると

ロッキーでは、実際のファイトシーンをそのまま撮っている感じを受けました。もちろん、画角や工夫が何もないわけではないですが。

一方でクリードでは、殴られた瞬間が、スローモーションっぽく演出されていたんです。

そっちの方が、臨場感が増しそう!と思いきや、ボクは逆に感じました。

観ている人が惹きつけられるのは

「まるで本物のファイトをしているかのようなファイトシーン」

それが、クリードのようにやりすぎている感じが出ると、みょうにしらけてしまうと感じたんです。

つまり、よりリアリティある演出
実際に殴り合っているのを、そのまま撮影する

こっちの方が、臨場感あるファイトシーンが撮れるということです。

撮影では、もう一つ気づいたことがあります。
それは「カメラワーク」と「画角」です。

これは、ファイトシーンでもそうでしたが、過度なカメラワークはかえって逆効果です。

例えば、人物を撮る場合には、
・できるだけアップで!
・カメラは定点!
(動いても、簡単な引きやアップ、などでシンプルに!)

効果と同じく、できるだけシンプルな演出をした方が、視聴者の感情を揺さぶれるのではないか?と感じました。

映画「ロッキー」はアカデミー賞を受賞した作品ですが、当時のスタローン氏は、お金もなく、ロッキーの原案も始めは、自分が主演ではなく別の俳優を起用して、台本だけ買い取らせて欲しい!という申し出があったと聞きました。
ですが、スタローン氏はそれを拒否。

最終的には自分が主演も務めることで、大成功しました!

お金がなかったからこそ、シンプルにせざるを得なかった

それこそが、ロッキーが大成功した秘訣なんだと思います。

そして、最後に欠かせないのが「音楽」です。

ボクは音楽も詳しくはないのですが、感じたことは、今のシーンに合った曲調で、タイミングもバッチリだとさらに感情移入しやすいです。

これは音量も大切な気がします。

クリードでは、アフリカ系の俳優さんが出演して、物語もスラムなどが中心だったためか、現代っぽいノリの良い音楽がよく使われていました。

ですが、いまいち心に響く音楽ではありませんでした。

そもそも映像や物語に没入できていないためか、印象にも全く残っていません。

もちろん、ボクが何度も何度もロッキーを観ているから、音楽も口ずさめるほど覚えているとは思います。
ですが、元はと言えば、何度も観たくなる程、引き込まれてしまうストーリーですし、印象的なシーンばかりですし、それをさらに引き立てる音楽があるからこそです。

今は、AIやコンピューターグラフィックスで、どんなことでも簡単に・誰でも表現できる時代になってます。

これからもますます進化していくと思います。

でも、映画「ロッキー」などのように、人々の胸を打つ名作は、最終的には、とてもシンプルで、泥臭い手法で作り出されたものが多いのかもしれないと思いました。

少なくとも、ボクはそうして映画や作品が大好きです。
もちろんグラフィックが素晴らしい「ゴジラ-1.0」なども大好きですが。

これは、YouTubeでも同じことが言えると思います。
ボクが知る限りでは、まだまだAIで感動的なチャンネルに出会えた経験は少ないです。(もちろんAI自体の凄さに感動したチャンネルは山のようにありますがw)

AIは人間を超える!すでに超えた!とも言われたりしますが、ボクは、人間しか味わうことのできないリアルな体験(酸いも甘いも含めて)は、この先もきっとAIにはできないことだと思います。

つまりは、人生の経験そのものこそに価値がある、だからこそ、映画「ロッキー」のようなリアルな物語が、人々を感動させるんじゃないかな、そんな風に思いました!
(なんとかそれっぽく纏まり、一安心してますw)

それでは、また👋

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