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週刊金融日記 第477号 これを読めばデジタル人民元のすべてがわかる、FRBがテーパリング開始観測の火消し、香港セントラルの安くて美味しいディムサムのお店、台湾での感染拡大を受けてゼロコロナ戦略を振り返る、他

// 週刊金融日記
// 2021年6月29日 第477号
// これを読めばデジタル人民元のすべてがわかる
// FRBがテーパリング開始観測の火消し
// 香港セントラルの安くて美味しいディムサムのお店
// 台湾での感染拡大を受けてゼロコロナ戦略を振り返る
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 先週、いつものようにTwitterを見ていたら、あの迷惑なアンチウイルスソフトのMcAfee創業者であり、(かつては)億万長者だったマカフィーが自殺したとのニュースが流れてきました。ちなみに、この辺の話は別の機会にしますが、アンチウイルスソフトなんか入れてるやつは情弱です。
 2017-18年の仮想通貨ブームに参戦していた人ならみんな知っているのですが、マカフィーはいまでいうイーロン・マスクみたいな人で、彼がひとことつぶやく草コインが一気に跳ね上がる、ということで、仮想通貨トレーダーは彼のTwitterに張り付いていました。マカフィーは仮想通貨関連の脱税疑惑でFBIに追われており、逃亡中にスペインで拘束され、そこで自殺したそうです。
 それで、改めてマカフィーはどんな人なのかググっていたんですが、映画以上にやばい人物ですね。

●ベリーズに死す:IT業界の狂犬ジョン・マカフィーと頽廃の王国
https://wired.jp/2013/06/08/john-mcafee/

★マカフィーは俺が自殺したというニュースを聞いたら、誰かに殺されたんだ、というツイートを残していました。

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- 台湾在住の者ですがゼロコロナ戦略に対する誤解を解きたいです
- ワクチン接種1日100万人達成に見るトップの揺るぎない意志の大切さ
- コミック版ぼく愛の第3巻が書店にありません
- イギリスの女性と遠距離恋愛をしています

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.これを読めばデジタル人民元のすべてがわかる

 中国脅威論のひとつとして、デジタル人民元について最近よく聞きます。曰く、デジタル人民元を使って、中国政府が人民元を世界の「基軸通貨」にしようと目論んでおり、世界は一段と中国に支配される、と。ところで、基軸通貨というのは、単に世界で一番使われているお金のことで、これも基軸通貨を握っているアメリカはドルを刷っていくらでも富を創出できる、などの荒い陰謀論が目立ちます。基軸通貨は、世界で一番使われている通貨というだけで、それ以上の意味はあまりありませんが、基軸通貨論はまた別の機会にすることにしましょう。
 僕は仮想通貨トレーディングもかなりやっているし、中国経済も勉強しないといけない立場なのに、このデジタル人民元について不勉強だったのですが、最近、勉強して一気にキャッチアップできました。今週号では、デジタル人民元の解説とともに、将来の予想を書きたいと思います。
 さて、まずデジタル人民元の前に、仮想通貨業界では業界標準になっているTether社のUSDTと、アメリカのFacebook社が世界の通貨バスケットをリザーブに持ち、価値が安定する仮想通貨リブラを発行しようとして頓挫した話から始めましょう。

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