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初夢に正直に伝える勇気をもらった

初夢はうんこの夢だった。
夫に話すと
「夢にうんこがでてくる率やたら高くない?」
と言われた。

確かにそうかもしれない。
でも、夢の中でうんこを食べていたのは夫の方ではないか。
そう。
今年の初夢は夫がうんこを食べる夢だった。

学校のようなたくさんの部屋がある大きな施設でイベントが行われていた。
そこでなぜかわたしたち夫婦は袋に入ったうんこを持ち歩いている。
うんこはちょっと乾き気味で硬めのものだった。
わたしはにおいが気になるので袋の口をしっかり閉めて
どこか大きなゴミ箱があったら捨てようと思っていた。

会場での買い物か何かの拍子に夫がそのうんこ袋を持つことになり
すると夫は袋を開けてうんこをスナック菓子のように食べている。

夫はわたしとは違う人種だ。
うんこを食べるとか食べないとかは
人それぞれで構わない。
お互いの違いを尊重しなければ。
わたしは咄嗟にそう思った。

だけど、だ。
においからは逃げられない。
わたしはうんこのにおいを振りまいて歩くのは嫌だ。
世間の人たちもさして気にしている様子はない。
きっと、うんこを食べるのが多数派の世界だ。
だけど、わたしは嫌なのだ。

多数派からしたら当たり前のことであっても
それが辛くて嫌な人もいる。
それは、それを感じている少数派のわたしが
はっきりと伝えなくてはいけない。
そうじゃないと誰もその感覚を伝える人がいなくなってしまう。
そう思った。

そしてわたしは
「うんこの袋は歩く時は閉めてほしい。」
ということを伝えようと思った。

「あなたにとっては普通かもしれないし
 多くの人があたりまえと思ってるかもしれないが、
 わたしはうんこを食べないしにおいをまき散らすのが嫌だから。
 食べるのはいいけど歩く時は袋の口をしばって。」

頭の中で言葉を考えてがんばって伝えてみようと
すこし緊張しているところで目が覚めた。

目が覚めて思ったのは
わたしは子どもの頃から
少数派だったなあ、ということだ。

多数派にとってあたり前のことは
違う感覚の人がいることを伝えないと分からない。
少数派の人が自分の感覚を伝えないでいれば
それは誰にも知られず
なかったことになったまま過ぎていく。

そこにある小さな悲しみのようなものを
救いたいという欲求がわたしにはある。
それは自分が傷ついてきたことだからだ。

多数派の中で
少数派の気持ちや感覚を伝えることは
とても勇気がいるし
伝えたところで
馬鹿にされたり
変人扱いされたりするリスクがある。
人にわかってもらいにくい。

だけど
伝えていくことが必要だと
初夢は言っていた。

違うことは悪いことじゃないし
世の中にあたりまえなんてものはないのだ。

多数とか少数とか関係なく
違うもの同士が
お互いに尊重しあい
お互いに正直に伝え合える関係を
わたしはつくっていきたいのだ。
そんな勇気をくれる夢だった。

世界平和はまずは自分の周りから。
小さな事でもなるべく正直に伝えていこう。

そして
カニってわかってもらいにくいけど
わたしに見えているカニの魅力を
臆さず伝えていこうと思う。

今年もよろしくおねカニします。

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