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【 #球春到来 】【淡路島ウォリアーズ】新監督は選手と共に


新監督 生島大輔

新規参入した淡路島ウォリアーズはなかなか波に乗ることができず、1年目を終えた。
しかし、途中加入の長井翔太郎がベストナインを獲得したり、シーズン後に藤本颯太がNPBウエスタンリーグに参入するくふうハヤテベンチャーズ静岡に加入が決定するなど、明るい話題もあった。

今季はチームのメンバーを大幅に入れ替えてシーズンに臨む。

今季チームの指揮を執るのは昨年まで和歌山ウェイブスで選手兼任コーチを務めていた生島大輔。兵庫、和歌山を優勝に導いてきた選手だ。

とは言え、驕ることはない。和歌山時代から見せてきたように、「兄貴分」として選手を引っ張っていた。

練習前に選手を集める生島監督

この日使用したグラウンドはいわゆる2面式のものでフェンスやポールがない。目安とするためにネットを置いていく。これも選手と一緒になって置いていく。

選手と一緒にフェンスを作っていく生島監督

もちろん、選手兼任のため、選手と可能な限り同じメニューをこなしていく

押川修大(右)江口駿希と一緒にポール間走を走る生島監督

続いて野手にノックを打つ

さらにそのあとはブルペンに入り投手の球を受けていた

そのあとバッティングピッチャーなどもこなした後、片付けの時間のわずかなところでティーバッティングを開始。

練習時間が限られているため、選手たちにも「時間を無駄にしない。しっかり回していこう」と伝えていた。

「人数少ないというのもあるんですが、投手が使っていないグラウンドの整備を手伝ってくれたり、みんなが協力してくれているから本当にありがたいです」と生島監督は言う。
だがその生島監督の姿勢を間近で見る選手たちも「監督が自らここまでやるのだから」と、対抗心ややる気を見せる。

「野球ができること、その初心をいかに忘れさせないか。モチベーションを維持できるようにするのが課題」と生島監督。その背中でチームを引っ張っていく。

あの選手と被る

選手たちの練習を見ているさなか、生島監督がふと漏らした。
「耀飛と被りませんか?」

耀飛、とは田中耀飛。生島監督の兵庫時代のチームメイトであり、その年32試合で15本のホームランをかっ飛ばし、NPBに指名された選手だ。

その耀飛二世の期待をかけられたのが、新入団の原田憲二。がっしりとした体格から繰り出される打球は綺麗な弧を描いて飛んでいく。

打撃練習に臨む原田

「打撃の調子はまだ本調子ではない」と原田は言うが、広角に鋭く、高い打球を飛ばしていく。昨年チーム全体で4本だったホームラン増にも期待がかかる。

「バッティングはチームメイトの長井翔太郎やもっといい選手がいっぱいいると思うのでしっかり吸収して自分のものにしていきたい」と語る原田。

「パワーがしっかりあるから、その力をどうやって使っていくかが課題」と生島監督。これからオープン戦が始まっていく中でどのような進化を見せるかが楽しみだ。

俺たちのエース安井さん

集合して生島監督が選手に向けて話をする。「ほら安井さんがこうしてたと思うけど…」「練習の時安井さんも言ってたけど」「安井さんが…また安井さんが話に出てきた。もうチームに欠かせなくなってきてますね」

安井さんとは安井大介投手。今季47歳になる投手だ。

安井大介投手

これまで海外を渡り歩いてプレーを続けてきた歴戦のアンダースロー投手。ここ数年は日本の独立リーグでプレーを続けている。年齢以上に経歴も稀有な存在だ。

最年長現役選手としての自負もあったが…「でも島内(島内博史)さんが入ってきたから最年長じゃなくなっちゃった」とポツリ。

投手陣での兄貴分、というよりは選手によっては親父分になる。ほかの投手も「俺たちのエース」と言って憚らない。

昨年も他リーグで好成績を残している。投手陣を引っ張る「オヤジ」の姿にも注目だ。

一緒に団結していく

生島監督の目線で始まったこともあった。
ノックの捕球の前に一回屈伸を入れる練習が始まった。

土岐隼士選手

この動作をすることで捕球の間合いがどのタイミングかを確認できるということだ。
選手たちも苦戦しながら間合いを確認していった。

高橋恵貴選手。間合いがうまく取れずボールを弾いた

最後に屈伸なしでノックを回していった。
捕球に納得がいかない選手が「もう一本お願いします!」と口々に言った。

「一人がもう一本って言ったら他の選手も言いたくなるよね」と生島監督は少しうれしそうに言った。

こうして練習時間はあっという間に過ぎていった。
「和歌山にいたときは太平洋側にゆっくり日が沈んでいったけど、淡路島は西の空に山があるのですぐ暗くなる。日が短く感じるから効率よく練習していかないといけないですね」と語った。

その後選手が全員帰った後、生島監督は一人坂道を走っていた。
以前生島監督は「『選手何割コーチ何割ですか?』という質問をいただくんですが、個人としては両方10できないと気が済まない、20やらないといけないと思っています。」と答えていた。その情熱は健在のようだ。

その情熱を超える選手が一人でも多く現れるように。淡路島ウォリアーズのリスタートが始まった。

(文・写真 SAZZY 取材2月7日)


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