見出し画像

「私の脳内では今も雛壇が高速回転している」前編

雛祭り、
女の子のお祭り。

私は雛祭りが苦手な女の子だった。

自分が女の子って呼ばれる事に違和感を感じていた。

初潮を迎えた時、お母さんがお赤飯を買ってきて「おめでとう」って言ったけど、
何がおめでたいのか分からなかった。


赤い雛壇も、
赤いランドセルも、
赤い生理も、
大嫌いだった。


14歳の頃、
「田園に死す」という映画を観た。
川から雛壇が流れて来るあのシーンを観た時、
自分の中にいる雛壇をどうにかしなくてはいけないという気持ちになった。


雛壇に車輪を付けて回転させたい、
高速回転させて雛人形を全て振い落としたい、
振い落としたら外へ走り出したい。


私の脳内にどっかり座り込んでいた雛壇はこうして走り出したのだ。


これを作品に出来ないかな?


それから38年が経過して、ついに私は音楽を用いて雛壇を回転させる事になった。


そのお話は次回。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?