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死の床でも音楽にうるさいプラトン

プラトンの死について記された古代の巻物が、新たに解読されて、話題になっている。


黒焦げの巻物を解読、プラトン埋葬場所の詳細判明か 最後の夜の様子も(CNN 5月3日)


プラトンは紀元前347年に80歳で死んだ。

新解読の巻物で、その「最期の夜」のようすも明らかになった。

それによると、彼は、下手な演奏に悩まされていた。


巻物の文章はプラトンの最後の夜についても、これまで以上に詳細な情報を提供している。このとき演奏されていた音楽が好みに合わなかったようだ。

専門家が先週ナポリで行った発表によると、従来、トラキア出身の奴隷女性が奏でた「甘美な音色」はプラトンの耳に心地よく響いていたと考えられていた。

しかしラノッキア氏によると、巻物の文書を調べたところ、死の床で高熱が出ていたにもかかわらず、プラトンはフルートの演奏が「リズム感に乏しい」と苦言を呈していたことが判明した。これはメソポタミアから来た客人に語った言葉だという。

「プラトンは高熱を出していて、彼女たちの演奏する音楽に悩まされていた」(ラノッキア氏)
(上掲記事)


プラトンといえば、「音楽は宇宙の調和だけではなく、人間に調和を与え、魂が救済される」という音楽理論で知られる。

その彼が、「リズム感に乏しい」音楽に悩まされて死んでいったのは、気の毒というか、ちょっとユーモラスでもある。


「うるさい!」と言うのではなく、リズム感云々と「批評」するのが彼らしい。

何にでもケチをつけたがる、ケチをつけずにはいられない、哲学者ないし批評家ゆえの悲喜劇、というか。


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