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【初心者向けミリタリー】戦車の歴史あらかると/Panzer012【レオパルト1】

(全2,222文字)
皆さんおはようございます。
毎週木曜日は、かけうどんの趣味の軍事・ミリタリーに関連する記事を投稿する日にしています。

この『歴代戦車あらかると』シリーズでは、世界各国の歴代戦車を”単品”で取り上げてみたいと思います。

今回は戦車大国ドイツが生んだ最高傑作の主力戦車『レオパルト1』について書きたいと思います。

過去のミリタリー関連記事はこちらのマガジンにまとめています。

【レオパルト1/独】


1.概要

レオパルト1は、ドイツが開発した第2世代主力戦車で、第二次世界大戦後初のドイツ純国産戦車です。

初期のものは単純に「レオパルト」と呼ばれていましたが、後に登場する「レオパルト2」の開発計画が決まったことで、初期のレオパルトがA1型に改修されてから正式名称が「レオパルト1」になりました。

本戦車の開発がスタートしたのは1956年。その当時、ドイツは米国供与のM48戦車を運用していましたが、後継の新装備として、英国製の51口径L7戦車砲を搭載した30トン級戦車というコンセプトがかたまり、クラウス・マッファイ社で開発がすすめられました。

計画が立ち上がった当初、フランス、イタリアとの共同開発の話もありましたが、ヨーロッパでの兵器開発によくある話で、各国の意見に折り合いがつかず、結局ドイツ単独で開発することになります。

国内メーカーが協賛し、Aグループ(ポルシェほか)とBグループ(ラインメタルほか)の2案のテスト車両がそれぞれ試作され、コンペの結果A案が採用されて本格量産体制にはいります。

量産型車両は1964年から生産開始、部隊への配備は1965年以降。ドイツ以外の国、ヨーロッパ各国、トルコ、ブラジル、カナダ、オーストラリア、チリ、レバノンなどにも輸出されています。

第二次世界大戦で多くの傑作戦車を生み出したドイツの技術力の結晶。その信頼性の高さ、高性能さから、世界各国陸軍に正式採用され、1960年代から2000年前後までの30~40年間、長く活躍した主力戦車でした。

余談ですが、当時のレオパルト1の最大のカスタマーはイタリア。同国は米国製戦車とレオパルトの2車種を同時運用した国でもあります。

尚、ドイツ陸軍装備車両は2003年に全部退役しています。

【基本スペック】
主兵装:51口径L7・105mm戦車砲
全長:9.5m
車体長:7m
前幅:3.2m
全高:2.6m
重量:40t
足回:トーションバー方式
出力:830馬力
(V型10気筒ディーゼルエンジン)
速度:65km/h
行動半径:約600km
乗員:4名

2.多数の派生型

本戦車は改良・改修が重ねられ、全部で十数種類以上の各種改良型が存在します。

①レオパルト O:試験用の先行生産型(50両製造)

レオパルト:第一次生産型の第1~第4バッチ。1965年~1970年に合計1,861両製造

レオパルト1A1:第一次改修計画最初期型。このタイプから、制式名称が「レオパルト」から「レオパルト1」に変更される。

レオパルト1A1A1:1975年~1977年の第二次改修計画で増加装甲を装着、砲塔をスペースドアーマー化

レオパルト1A1A2:1980年代の第三次改修計画で、PZB 200熱映像(サーマルイメージ)方式暗視装置を追加装備

レオパルト1A1A3:1986年、SEM80/90無線機を搭載

レオパルト1A1A4:1A1A2、1A1A3の両型をアップデート

⑧レオパルト1A2:
第5バッチ生産車両・前期型。1972年~19731年の約1年間で232両生産。レオパルト1A1と同じ機能を製造段階から導入。砲身にサーマルジャケット/耐熱覆筒を追加。砲塔装甲を強化

レオパルト1A2A1:1A2に1A1A2と同様の増加装甲と、PZB 200を装着

レオパルト1A3:第5バッチ生産車両・後期型。1973年5月~1973年11月の約半年間に110両を生産。車体はレオパルト1A2とほぼ同じ。新型中空装甲形式の溶接砲塔に換装。本改修で防護力が約50%向上

レオパルト1A3A1:1A3にPZB 200を装着

レオパルト1A4:第6バッチ生産車両、250両生産。1974年型第1-第6バッチまでの車両と派生車両の生産数は計2,400両余(ドイツ軍装備のみ)

レオパルト1A5:第四次改修計画により1,300両弱を改修

レオパルト1A6:120mm滑口砲搭載型試験車両

⑮⑯レオパルトC1/C1A1、レオパルトC2/C2A1:カナダ軍装備型

120mm砲が主流となりつつあった1980~90年代に、同クラス戦車砲を搭載可能にする改修型も存在していましたが、コストなどの問題から量産には至っていません。

3.最後に…

前回ご紹介しました、英国製センチュリオンに並ぶ、世界各国で採用・運用されたベストセラー主力戦車、レオパルト1について簡単に書いてみました。

かけうどん的には、性能面では英国のセンチュリオンも一級品だと思うのですが、このレオパルトの機能美と言うか、洗練されたフォルム、美しい造形にとても心を惹かれます。

どうしても要求性能を満たすためには溶接砲塔にせざるを得ませんでしたが、個人的には鋳造砲塔がいかにも『THE戦車!』って感じがして好きですね。

毎度のことながら、なにしろ素人が書いている記事です。諸所分かりにくいところもあるかと思いますがどうかご容赦ください。

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。




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