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【ゲーム小説】老兵は死なず再び戦場に舞い戻る/GBO2戦記(第3話)『暁の狙撃兵』

(全1,111文字)

俺はまた、出口の無い戦場に舞い戻った。

ハイパーメガビームランチャーのチャージ完了まで、体感であと1.5秒くらいだろうか…。

スコープモード画面の倍率は目一杯に拡大している

敵の基礎配置を思い出しつつ未来位置を予測する

読みが当たれば、間もなくレティクルのど真ん中に敵強襲機がスラスター全開でツッコんでくるだろう

(ビンゴ!!!)

俺が放った渾身の一撃は、耐久力が8割ほど残っていた敵強襲機を一瞬で溶かした。

試合終了後

対面の強襲機プレイヤーから

「調子に乗んなよks」
「ざけんなks」
「クソ芋がタヒねks」

などと芳ばしいファンメが来た…

【偏差射撃】

スラスターを吹かしつつ移動する敵機に射撃を当てるのは、さほど難しいことではない。

進行方向に向かって行く速度と、使用する兵装の弾速、それらが交差する点に照準を合わせてBESTなタイミングでトリガーを引くだけだ。

使用する兵装の射撃する弾丸(又はビーム)の速度によって、このタイミングは微妙な修正が必要ではあるが。

(余談になるが、初期のバトオペでは理不尽なラグは空気や水のように『あたりまえ』だったので、『狙って撃つ』と言うよりは、『占って撃つ』が正しかったが。)

支援機だろうが汎用機だろうが、また、強襲機だろうが、射撃は基本中の基本。敵に当てなければ全く意味がない。

敵との距離が近ければ近いほど当てやすいか?と言われるとそうでもなく、ゲームの特性上、実は距離が離れているほうが初心者には当てやすいのだが…そこに落とし穴がある。

最前線でクロスレンジで交戦している味方機の背中を一生懸命撃って敵をサポートしているアホ支援が少なくない。しかも、そう言う奴は自分が味方のジャマをしていることに全く気付いていない。

そう言う時、上級者は後方にいる支援機の射線を意識して、なるべくその射線や射界を広くとれるようにと、横方向に移動してあげる人が多いが、レートB~-A、Aフラット(←サブアカウントではなく、フレッシュな新人さんたち)だと、そう言ったお約束は中々難しい。

そう言う時は支援機側も味方のずっと後方ではなく、最前線から2~3歩下がった位置まで前に出て、自分で良い位置取りをしなければならない。

言うは易し。

上級者は何万回もの実戦経験の中で、そういった原理原則を体で覚えていく。なので、初心者に口で言っても中々伝えるのは難しい…。



「やった!やっと当たったっす!」

「うぁ!今撃ったの誰?」

「俺じゃない!」

「うぎゃぁ!弾がキレた!!!」



殺伐とした敵情報の共有ではなく

絶叫だけが響き渡るVC。

まだゲームを純粋に楽しんでいた頃を思い出す…。

最後まで老兵の回顧録にお付き合い頂き感謝申し上げる。




(補足/文字カウント外:本記事は前置きも何も書かずにいきなり本編から書いています。題材は、PS4ゲームの『機動戦士ガンダムバトルオペレーション2』のプレイをネタにしております。詳しいウンチクなどを全く書いてないので、訳の分からないものになってしまってますが、雰囲気だけでもお楽しみいただければ幸いです。)

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