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はじめて知った適応障害のセカイ Part2

適応障害で経験した「へぇ」なことが、また溜まってきたので第二弾を書いてみる。休職後期~復帰準備の内容になる。

Part1 休職前期はこちら。

復帰時期ぶれぶれ

本人の思う回復の見通しがホントーに当てにならない。私は今まで幾度となく復帰時期のアテを外してきた。一定寝てやる気が戻ってきたら、もう復帰できる気がするのに、実際に訓練的に外出を増やしてみると、どこかで力尽きてしまうのだ。

1回目:休職当初 「診断書で休職3か月?きっとそんなにかからないわ!」
 →普通にめまい収まらず休職延長。
2回目:休職5か月「気持ち悪くなくなったし来月は復帰できそう」
 →試しにアクティブに過ごしてみると、1週間目はいいけど2週間目でめまい再発
3回目:休職6か月「来月こそは…」
 →3週目でめまい再発
4回目:休職7か月「ら、来月こそは…」

自分では先が予想つかないアトランダム感があって、自分が自分でないような感じになって、すっごいしょげた。
こうなってしまうのは結局、体力が一定水準まで戻れば症状は治まるけれど体力ゲージはまだ激よわのままなのですぐ底についてしまうから。
しょうがない。気を取り直してしばらくまた休んで、また訓練してみる。体調に差し支えない範囲で気晴らししてやり過ごしていた。その繰り返し。

このあたり、経過を素直に医師や保健師に話していくことが大事だった。「こんな不安定で愛想つかされたらどうしよう」と、不調の波を隠してしまわないこと。彼らは色んな症例を経験しているから、本人には不可思議で覚束ない現実でも、「あーまだこの人は安定してないから復帰はまだね」と、案外冷静にわかるのだった。
でもこんな不安定な自分を話すのは恥ずかしい。でも話さなかったことで失う信用を考えれば、正直は三文の徳だ。

いつ復帰するか問題

前述のとおり不安定な時期が続くので「こんなんでいつ復帰できるのやら…」と途方にくれてしまうけど、潮目は確実に変わっていく。
前月は1週間不調のぶり返しに悩んだのが、3日で済むようになり、1日になり、間隔もあいていった。
だいたい1か月調子を崩すことがなくなってきたあたりで、「そろそろ復帰しても大丈夫かも」と思うようになった。

「大丈夫かも」とか「そろそろ仕事したいな」という思いが出てくるというのが大事だそうだ。体力ゲージは目にみえないけれど、回復していないうちは不安のほうが勝って「また悪くなったらどうしよう」と考えるらしい。つまりそう考えているうちは復帰時期ではない。
疲れているとネガティブになる。ネガティブなのは疲れているせい。これはカウンセラーさんから度々言い含められたことだ。

だからとにかく休んだ。マンガ読んでお菓子食べて好きなことをした。飽きるまで。
安定してきたら行動範囲を増やしたり通勤訓練をして、「今の自分にはここまでできる」という見通しを増やした。

復帰前の体調不良あるある

だいたい1か月くらい体調がよい状態が続くようになったので、職場復帰について会社と相談をはじめたときだった。
急に車酔いのような感覚に襲われた。動けはするけど苦しい。
え?なんで?最近は体調も安定していたのに…と焦りでぶわっとなった。
1回だけだし、たいしたことないかもしれないし、この不調を主治医や会社に言わずにおこうかとも思ってしまった。だってあれだけ準備したのにまた駄目だったら情けない。
けれど、これを隠したことで後々不具合が起きたときに、信用を失ってしまうかもしれない。そのほうがまずいと思って、素直に話した。

そしたら、「あーそういうことあるんですよね」と案外さらっとした反応だった。
復帰面談したり、調整したりと、復帰への動きが出てくると、朝起きれなくなったり具合が悪くなったりというパターンは、わりによくあるらしい。
それくらい、職場復帰は適応障害の病後にとっても、体力と気力がいる作業らしかった。
適応障害というやつはトラウマ体験なんだなぁ。
そういった体調不良は、1日で収まるなら問題ない。数日にわたって症状がでるようなら、まだ体力回復が万全でないから休職延長するとのことだった。

復帰直前の不安定さを乗り切った方法については別のnoteに書こうと思う。

100%回復での復帰はありえないらしい

これが一番のびっくりかもしれない。

休職からの職場復帰は、一般に体力80%以上回復が目安になるらしい。

100%ではない。休職期間中に100%までには回復しないのだ。

これはお医者さん2人からも聞いたしカウンセラーからも聞いた話だ。

というのも、「仕事は安全だ」という実感が湧かないことには、どこかしら心に傷がある状態が続くかららしい。緊張状態がとり切れない。
それは私もよく実感していた。
復職面談以前は、体調はいいのにどこかしら危うさーすこしズレればまためまいが襲ってきそうな感じがつきまとっていた。けれど面談で復職後のポジションがはっきりと固まると、直後はぶり返しの体調不良があったけれど、収まってしまえば地に足がついたように危うい感じが遠のいた。
復職面談、復職診断会議、はじめての慣らし出社日。不確かでアンコントロールだった未来が、また自分でコントロールできるところに戻ってきた。
そういう感覚のひとつひとつが、適応障害の残り20%の回復に大事なことらしかった。

だから、久しぶりの出社を果たした後も私は回復途上。これからもいましばらくは産業医や保健師、カウンセラーの指導を受けて、余力を持った仕事をすることになるらしい。
ひとつひとつ、心臓に水をかけてプールに慣れるように、前の仕事を取り戻していく。