控訴審の判決に愕然～セックスワークにも給付金を訴訟～

「はぁ？嘘だろ？なんでだよ………。」

出先だったのでスマホが見れず、とりあえず判決だけ確認した時の私の気持ち。
ぶっちゃけ『勝訴』が出てくると信じて疑わなかった。

えっと裁判所の役割ってなんですか？

地裁の判決はひどかった。
だけどそれにめげずに、FU-KENさんや弁護団の皆さんが頑張ってくれた。
専門家の意見も集め、アンケート調査も行った。

それは全部、裁判官に公平に、客観的に事実を見てもらうため。
正直、原告（FU-KENさん側）に圧倒的に有利ではない証拠も出してたよね。
でも判決にはそこだけ使われてしまった感。

報告会でも言っていたこと。
あらかじめ国寄りの判決を出すつもりで、重箱の隅をつつくようにこちらに不利な部分だけ拾われたのではないか。
そんな気がしてならない。

大企業が相手だろうが、国が相手だろうが、公平に判断を下してくれるのが司法の役目だと思ってた。
もう、これ書きながら力が抜けてる。

国が思う差別・国民が思う差別

ちょっと話は逸れるけど、今回持続化給付金の対象からはラブホテルも外されてる。
でもさ、愛し合ってる恋人同士がラブホテル行くじゃん？
ラブホないと困る人だっているじゃん？

最近は宿泊施設が足りなくてラブホテルに泊まる人もいる。
インバウンドが戻ってきて、日本のラブホテルに興味を持って泊まる人もいる。

ラブホも風俗業も『許可』しろとまでは言うつもりはないけど、それこそ未曽有の大混乱で生きるだけで精いっぱいの人がたくさんいた。
それを性的道義観念で片づけていいものか。
持続化給付金や家賃補助を支払うことで、差別を助長するものなのか？

少なくとも今この訴訟は注目されている。
「ちゃんと税金払って健全な営業してるならいいんじゃない？」ってのが『私から見た多数の意見』だ。
訴訟を起こした時点で、せめて地裁の段階で和解しとけば、ここまで国が追い詰められることはなかったんじゃないかな。

納税者の多数の意見とは

CALL4が行ったアンケート調査の内容が判決文に載っていたけど「3割の人は給付しても良い」って言ってるんだよね。
（もう一回資料見て、マジで「どっから引っ張ってきた数字？」ってなってるけど）

30％ってけっこう多くない？
というのは、過半数には達していないけど、決して無視していい数字ではないということ。
いや、これが5％でも10％でも司法は無視しちゃいけないんだけど、なかったことにするには多すぎる数字だよ。

確かに税金使うよ。
それじゃあ、話が飛躍しますけど税金でアベノマスク配って、オリンピック招致にお金かけて…。
これって多数の納税者が納得してますか？
少なくとも私は納得してない。
札幌オリンピックなんて来てほしくない。

特にアベノマスクなんか、国を相手取った裁判をしたら勝てるんじゃない？笑

行政の裁量権ってどこまで？

ちょっとこの辺は私には難しかったんだけど、「どこにお金を使うかは行政が決められる」ってことで合ってるんですかね？
この国は法治国家。

でも法律より上に憲法があってだね。

国民主権・基本的人権の尊重・平和主義

これが三大原則。
私の理解が正しければ、これは「国民に課せられた義務」ではなく「立法や行政に課された義務」なわけよ。
国民が主体となって国を運営していくこと、行政はあらゆる人の人権を守らなきゃいけないこと。

そうするとさ、行政が決めていい部分ってすごく狭いと思うんだよ。
戦車を保有していてはいけないのは当然として。
国民の意見を聞かなきゃいけないし、人権を踏みにじってはいけない。

クラウドファンディングと裁判

私が「力が抜けた」ってのは、FU-KENさんや弁護団と同じく「裁判所は何も意見を聞いてくれない」ってところで。
資料や証拠を集めるためにお金が必要で、そのためにたくさんの人が動いたわけよね。
微力だけど私も寄付をして、あれだけきちんと専門家の意見ももらって。

それが

東京高裁 2023.10.05 判決

こんな簡単にまとめられてしまってる。
えー…うそでしょ。
甲28,31,32………ってたくさん並べられてるのに『多数の意見書や文献』でまとめんのかい！

んでこの中に「合理的根拠のない差別的取り扱い」って書いてるのよね。

「合理的根拠があれば差別していいんかーい！」
「差別はダメだけど区別はいいとか言ってなかったかい、裁判所！」
とかもう、ホントやるせない気持ちでいっぱいっす。

私なんか全然で、FU-KENさんはもっともっとしんどくてどうしようもないと思うけど。
心中、少しだけお察しいたします。

まとめ：国ありきの判決

報告会でも言っていたけど、最初から国に勝訴と言うためにあった裁判なんじゃないか。
もう忖度でもあるんじゃないかと思うくらい。
動画を見ながら途中で「他の裁判でもこんなにひどいのかな」と感じていたら…。

最後に井桁弁護士がおっしゃってくれましたね。
「今回の判決はトップレベルにひどい」

私がこんなこと言うのも変だけど、最高裁まで行くのが怖い。
今度はどんな資料や証拠を出したら裁判官は読んでくれるの？
本当にきちんと公平なジャッジをしてくれるの？

もう怒りしかなくなってきたわ。
上告、色々な期日がわかって自分も都合がつけば行きたい。遠いけど。
もちろんクラファンもします。

追記

持続化給付金については、そもそもセックスワーカー（個人）も最初は不支給だったはず。
もちろん、ちゃんと確定申告をしている人も受け取れなかった。
それが世論を受けて変わったんだよね。

なんでその場で働く人は貰えるのに、その場を提供している事業者は貰えないの？
不健全と言われたって健全に営業しているのに。

それならそもそも性風俗事業者から税金なんて取らなければいい。
極論を言えば、これを認めてくれないなら性風俗営業を禁止しろってことじゃないの？

非犯罪化の問題だとか、地下に潜るとかはいったん置いとくとして…。
国も司法もそう言うなら、税金を取らずに一律禁止にしたらいいのに。