あんた、レゲエとか聞く?
どないやねん?
わしはたまに聴くよ
ぜんっぜん詳しくないけどボブ・マーリーの曲が流れてると自然と「あら、いいですね」ってなってまう
レゲエのレジェンドっていうくらいやから、ボブ・マーリーは生粋のジャマイカンやと思ってたんよな
ちっさい頃から村で大人のレゲエ聴いて育って、心優しく育って音楽の才能爆発してレジェンドになった思ってた
でもそうじゃないみたいで、父親はイギリス人、母親はジャマイカ人らしい
それだけでもびっくりしたけど、父親は61歳、母親は16歳のときに生まれた子やねん
歳離れすぎやし、この父親やばい感じするやん
そんでボブ・マーリーが生まれたときに両親はすぐ別れて、6歳になったときに父親が引き取ったかと思えば知り合いの老婆に預けてそれから一切顔を見せんまま数年後に死んでもて
結局はボブ・マーリーを探し出した母親に育ててもらったんやって
父親をめっちゃ恨んでたらしいけど、そりゃそうなるよな
青年期に音楽始めてからも全然順調じゃなくて、ジャマイカ外で大ヒットしたんは29歳ごろやし、それまではカネがないから路上生活したりアメリカの工場で作業員してたんよな
今やったら学生がTikTokでバズってメジャーデビューとかあるけど、それと比べたら全然アカンしレジェンドには程遠いスタートよな
色々苦労してきたけどヒットしたけど、その頃にはジャマイカは政権が2つに分かれてて、バチバチやってん
それぞれの政党が支持者を集めるためにゲットーで演説してな
自分たちを美化して相手を強烈に非難して
とばっちりみたいな感じやけどゲットー内で貧しいジャマイカ人同士がぶつかり合うようになってもうて
ボブ・マーリーがかっこええんはそんときにお互いぶつかり合うんじゃなくて協力しようっていうコンサートをしたことで、更にかっこいいんが政権に関連した何者かに銃撃されてもうたんやけどその2日後のコンサートはやったんよな
そん時の名言が
「この世界を悪くさせようとしてる奴らは休みなんか取っちゃいない。
それなのに僕が休むなんて事ができるかい?」
やね
服めくって銃創みせながら言うたんや
いや、渋すぎるやろ
濡れるって
確実に存在感が認められてきたボブ・マーリーやけど、足の親指に悪性腫瘍が見つかってもうて
切断を意志に進められたんやけど、ラスタファリズムの教義上では自分を傷つけることはそれはいいことやないから断ったんよな
ドレッドっていう髪型もおなじでな、あれも神様が髪の毛と言えども自分を傷つけてはならないっていうたから、髪を切らずにまとめとるんやな
そんで、切らんかったから体中に転移してもうて
放射線治療したけどもう手遅れで、36歳という若さで死んでもうた
若すぎると思うわ
こうやって色々知ってみるとな、呑気にただただ平和のことを歌ってるおっさんやなかったんやなってじんわり思うわ
平和な歌詞の裏にもいろんな想いがあったんやと思うとちょっと胸に来るもんがありますわね
Bob Marley - No Woman, No Cry
(女性に対して)泣かないで
トレンチタウンの公共住宅で俺等はよく一緒に座ってた
*トレンチタウンはボブ・マーリーが産まれたゲットー
優しい人たちの中に悪人が混ざっていくのを見てた
良い人たちに出会ってきて、そして失ってきた
良い未来にも過去は忘れられない
涙を乾かして
泣かないで
愛しい人よ、泣かないで
トレンチタウンの公共住宅で俺等はよく一緒に座ってた
ジョージが丸太を燃やして灯りをともした
燃えていくのを夜通し見てた
コーンミールのお粥を作って、分け合って食べて
自分たちの足以外に移動手段はなくて
それでなんとかするしかなかった
全てうまくいく
あなたは泣かないで
愛しい人よ、泣かないで
Bob Marley - Is This Love
君を愛したい
正しく向き合いたい
毎日毎夜愛したい
同じ屋根の下、これからも一緒にいよう
ボロ家のシングルベッドで共に過ごして
神がパンを授けてくれる
これが愛なのか
いま感じているものが愛なのか
知りたい、今すぐ
知らなきゃいけない
俺には出来る
俺の手札を全て君にさらけ出していい
銭くれ