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誰かに頼ることは、よい流れをつくること

誰かに頼るのが、ずっと苦手だった。

なんでも自分でどうにかしようとしたり、人に任せられず自分だけで背負ったりして、頭がパンクすることが多々あった。

しかし都市から自然豊かな静岡県伊豆高原に越してきて、圧倒的な自然と、今の自分のスキルやリソースではどうにもならないことに直面し、ようやく「どんどんプロに頼ろう」と思うようになってきた。

ある程度インターネットで調べたら、プロに問い合わせしてみる。とりあえずお見積もりだけお願いしてみる。わからないことは、抱えすぎずに誰かに相談してみる。

それは自分の人生に登場人物を増やすことでもあり、物語に広がりが生まれたり、外の風が入ってきたりすることでもある。

人に頼るのが苦手なのは、どうしてだったんだろうと考えてみる。

まずひとつめは、そもそも「誰かと関わること」が苦手ということ。自分のイメージを伝えたり、コミュニケーションを取ったり、誰かと一緒に歩むことを億劫に思ってしまう。

もうひとつは、誰かに頼んでお金がかかるなら、まず自分でやってみようかなと考えるタイプだってこと。やってみてできなかったら誰かに頼ろうとは思っているのだけれど、器用貧乏ゆえに「それなりにどうにかなる」ぐらいにはできてしまったりして、「だったら自分でやったほうがタダだし……」と思い続けてしまう。

その結果、自分のリソースはどんどん「やりたくないけど、できること」に割かれ、本来やりたかったことに注げるエネルギーは減っていく。

だから、そんなことも言っていられないくらいの環境に身を置いて、誰かに頼らざるを得なくなったことは、わたしの思考回路にとって大きな転換点になった。

誰かに任せるという決断は、同時に「自分の得意に集中する」という選択でもある。

自分の苦手を「得意だ」と思う誰かに頼り、わたしはわたしの得意に集中する。

そういえば、社会ってそんなふうに「でこぼこを合致させるとスムーズに動くもの」なんじゃないかと思ったことが、『じぶんジカン』を始めた理由のひとつだったと思い出す。

みんなそれぞれが持つスキルで、でこぼこを組み合わせたら、歯車がうまく動き出すように、社会が進むようになっているんじゃないか。それぞれが本当の意味で「好き」や「やりたい」に集中すれば、どこかに澱みをつくることなく、滞ることなく、さらさらと爽やかに日々は流れるんじゃないか。

まずは自分がその実験台になるべく、やっぱり「自分」でき止めずに、よい流れをつくっていきたいなと思う。


おわり


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