見出し画像

「好き」を仕事にする生き方を読んで、実感した私の「好きなこと」

精神的に参って自分の殻に閉じこもっていた時、私は結構ネガティブな記事をたくさん書いていました。

そんな時に限って(?)、ポジティブな記事がオススメに上がってきて、偶然見つけたのが、笠原なつみさんのnoteでした。

最初は記事を読みながら、「本当に?」と半信半疑で記事を読んでいたのですが、笠原さんが書くレシピなどを読んでいくうちに他の記事もどんどん読み進め、最終的に彼女のnoteが書籍されたことを知りました。

今の弱った私にはキラキラした内容すぎて逆に毒なんじゃないかと思いながらも、無意識のうちにAmazonのボタンをポチ。

最初は恐る恐る手に取った本だったのにあっという間に読み終えてしまい、時には涙が溢れるのをグッと堪え、心に残った箇所に付箋を貼っていました。

付箋はまだ増える予定。


著書にもありますが、笠原さんは20代で慢性骨髄性白血病を発症、病気を機に立ち止まることの大切さについて書かれています。

私は笠原さんのように起業して大成功したわけではないのですが、かつて個人事業主となり、SNSでの発信や自身で講座やワークショップを発案・開催したり、学会発表をした経験があるため、その大変さや工夫の仕方などたくさんの共感を持って読むことができました。

そして私自身が40代を目前に、過去の性暴力被害の記憶から鬱、希死念慮(死にたいと思うこと)に苦しみ、治療を続けながら、現在一歩も前に進めず足踏みして立ち止まりもがいています。

独り身なので、こんな状態でもなんとかして働かなければならず、自分が最も不得意なルティーンワークが多い仕事を現在しています。

この本を読みながら、「私って本当は0から1を作っていくのが得意だったのになぁ。」と感じました。


ちょっと話は変わりますが、先日母と1年ぶりに会いました。会った時から母のボサボサの眉毛が気になっていたので、翌日「揃えてもいい?」と提案しました。

母にとっては能登の震災や加齢で、眉毛なんてもうどうでもいいと諦めていたそうです。
私には、その人の眉のどこをカットしてどの毛を抜いてどこにラインを描くと綺麗になるかを導いてくれる《見えない》線が見えます。元ソシオエステティシャンの血が騒ぐと言いますか、人を綺麗にするのが根っから好きなんですよね。
眉を描き、鏡を見せるととても嬉しそうでした。

その後、出かけるために私が着替えをしていたところ、「まぁ、ずいぶん派手なズボンを履いていくのね!」とお馴染みの母の嫌味が始まったのです(通常運転)。まぁこれくらいは慣れたものなので別にいいんですけど、私はその嫌味に対して、
「こんなの地元で履いてたら頭が狂った人扱いで1日で噂が広まっちゃうよねー。」と笑って返しました。笑って返せるようになったから、これは成長と言っていいでしょう。

母はまじまじと私をみながら、「全然昔とスタイルが変わらないのね。」と感心していました。これは全然嫌味ではなく、母が本心から言っているとわかったので、

「健康で、恵まれた体格に生まれて育ててくれたのは、二人(両親)のおかげです。心から感謝しています。」と深々お辞儀をしました。母は「お父さんに似たのよー。」と照れくさそうでした。

そして、

私、今の自分の体型も髪も全部好きなんよ!

と母に伝えました。その時の母の驚いた顔というか…。白髪を良しとし、40代の身体も好きという娘にびっくりした顔をしていました。

この母との会話で気づいたことがいくつかあります。

まず私は生まれ育った土地(超田舎)の女性の当たり前(普通)を自分も体現しなければならないという呪縛に囚われていたこと。
あの土地に生まれたなら、結婚をして子供を持ち、働きながら子育てをし、家を持つ。あんまり奇抜な格好をしているとすぐに噂が広まるし、たくさんの普通にがんじがらめでした。それはまるで呪いのよう。そうなれなかった自分が疎ましかったですし、劣等感があるのも事実です。しかも性暴力にもあって、いわば傷物です。

ただよく考えてみると、私、普通に憧れてたんだろうな、そのくせ普通を押し付けられるのが超嫌だったんだろうなと感じました。

あと若いことが尊ばれること、それが普通であること。私、その逆を行っているんだなぁということ。

私が好きなことは、外見だけでなく内面にも磨きがかかった美しさを追求すること。それが前職のソシオエステティシャンだったのです。

以前、

「zoéさん、あなたはあなたの経験や存在で、人々にうつくしさ(外見と内面)をインスパイアしていく人になりなさい。」という素敵なメッセージを私に贈ってくれた方がいました。

その時はあんまりピンと来なかったんですが、今はちょっとその意味がわかるような気がします。
事実、私のnoteでよく読まれているのはコスメやエイジング、内面の美についての記事です。綺麗になることが好きなのが伝わるからでしょうか。そういう記事が読まれるのは必然のような気がしています。

私は性暴力被害をnoteで告白していますが、そのせいで自分が人から汚れた人間に見えているのではないかとずっと思っていました。そして私自身が1番自分を汚れた人間だと思っていたのです。

でもそんな自分なのに、若い頃よりも今の自分が断然良い。
私世代の【普通】になれなかった自分も、加齢と共に進化していく自分も超いい。これが今の気持ちです。

笠原さんは著書の中で、noteという場所が『少し後ろ向きな内容であったり、弱音を吐き出しても受け入れられるやさしさがあり、そこがとても好きです。』と書いていらっしゃいます。私も本当にそう思います。

好きなことを追求していくと、大変なこともあるけれど、いろんな人が協力してくれて次々と次の扉が開いていく様子が本を通して伝わりました。私もそうだったのでとてもよくわかります。

好きを仕事にしていくのはとても大変なことだというのは私も身に染みています。利益を出さなきゃと追求するあまりがんじがらめになってしまうことも。でも『仕事』は『お金』ではない、という文章がすごく心に響きました。

あとは自分の『好き』を誰に届けるか、ということ。
笠原さんはペルソナをかつての自分、と仰っています。
私もその考えに似ていて、私のように自分を見失ったり、性暴力などで大きな心の傷を負った人に、「あなたはそのままで美しいんだ。」と自分自身の生き様や美容を通して伝えたいんです。それが仕事になるかは別として、私が死にたいと願っている状態の時に、いつも救ってくれたのは美容でした。肌に触れることで自分を大切にできるという経験があるからでしょうか?そして前職で私にその効果をたくさん伝えてくださった患者さんがいたからでしょうか?エステはもうしないかもしれませんが、コスメやファッションについてはこれからも発信していきたいです。だって1番好きなことだから。

私は今も消えてしまいたい願望があります。その一方で50代からの自分を楽しみにしている、ちょっと矛盾した感じですよね。
本当にいつも漠然と頭に浮かぶことがあって、「あたしの人生、50からっしょ!」と思っています。この直感はフランスに行くと決めた時や、フランスの学会で発表することになった時と似ています。

そうなるかもしれないし、ならないかもしれない。それは今後のお楽しみ。

でも本を読んで自分の好きが改めて明確になった気がします。

夜更けに長々と失礼しました。読んでくれてありがとうございます。

おやすみなさい。




この記事が参加している募集

#スキしてみて

525,489件

サポートしてくださるとめちゃくちゃ嬉しいです!!