岩本ゼミにおけるレポート・論文の書式の基本ルール


 レポート及び論文では「基本的な能力を有した日本語ユーザーであれば誰でも理解できる(誤解しない)」精確な(=精密で的確な)日本語を書くことが求められます。その能力を身に付ける第一歩として,以下のルールを必ず守ってください。中には瑣末なモノも含まれますが,これらを守るだけで添削・修正の手間も再提出の可能性も格段に下がります。これらの基本的な書式が守られていないレポートは添削せずに送り返します。

1. 「何となく伝わるだろう」は絶対にNGです。書いてある通りにしか解釈できない,逆に言えば,その他の(拡大)解釈や曲解を許さない厳密な文章を書くことを心がけましょう。


2. そのためにも,まずは主語を明確にすること。「書かなくても伝わるだろう」「好意的に解釈してくれるだろう」という期待を読み手に押し付けてはいけません。


3. 主語を明確にしたら,主語に述語を対応させましょう。主述が対応していないというのは,例えば以下のような文章を指します。主部と述部が離れると(~の部分が長くなると),主述の対応を見落としがちになるので気を付けてください。

×:料理において重要な要素としては,~「さしすせそ」である。
〇:料理において重要な要素としては,~「さしすせそ」が挙げられる。

4. 語尾は「ですます」調である必要はありませんが,それでも構いません。ただし,文章全体の中で必ず統一してください。一部だけ丁寧語はNGです。


5. 「箇条書きでもOK」という指示がないかぎり,必ず(複数の)段落で構成された文章を書くようにしてください。ブログ調は絶対にNGです。


6. 一段落が過度に長い場合には改行して段落を分けること。「過度に長い」というのはA4サイズで半分を超えるような場合を指します。


7. 段落の冒頭には必ず一文字分のスペースを入れましょう。日本語の基本です!


8. 体言止めはNGです。主語と述語が共に明確な文章を心がけましょう。

9. 語尾の「~だ。」はフランクな文語なのでNGです。「~である。」「~であった。」などを用いましょう。体言止めを含め文章表現法の巧みさでアピール・強調するのではなく,内容の精確さで勝負できるようにしましょう。


10. 口語は使用不可です【例:だから,そんな,みたいな,だが,でも,いろんな,etc.】。文語を使用するようにしましょう【例:それゆえ(であるので),そのような,のような,であるが,しかしながら,色々な,etc.】。


11. 内容を曖昧にするための(文学的)表現はNGです。例えば以下のような表現です。
×彼のような人は~【正:彼は~/彼のような〇〇な人は~】
×日本は依然として景気が減速しているようである。
【「ようである」が不要である代わりに,景気が減速している根拠の提示が不可欠】
×日本の代表的観光地として京都などが挙げられる。
【正:~として京都,大阪,奈良などが挙げられる/~として京都が挙げられる。】


12. 英数字は全て全角ではなく半角にすること。理由は見苦しいからです。

13. 日本語のフォントはMS明朝,英数字はCenturyまたはTimes New Romanに変更すること。添削者はそれを見慣れているので添削作業が捗ります。Ctrlを押しながらAを押すと全文が指定され,その状態でフォントを変更すれば半角英数字のみが修正されます。

14. 提出前に必ず一度プリントアウトして読み返すこと。自分が読んで意味が分からない文章を他人に読ませてはいけません。この手間を惜しむと,皆さんも添削者もはるかに大きなコストを被ることになります。

15. レポート一枚目のヘッダーには学籍番号と氏名を明記してください。それにより,その文章のクレジット(文責)が発生します。自らの名前を付与したアウトプットには自らの知性と教養と責任が宿ります。そのつもりで渾身のアウトプットを作成するよう心掛けてください。

ゼミ生と酒盛りします。