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イビキを98%克服した大学教授の話


 アラフォーに足を踏み入れた2014年頃から徐々にイビキをかくようになり、40代に突入した後はイビキ問題が夫婦間での最も深刻な問題になりました。そして、2022年3月、約8年にわたる試行錯誤と、妻の忍耐と協力の結果、イビキをほぼ克服することに成功しました。

 8年前、イビキ問題が顕在化し始めた頃、ネットで様々な情報を調べたものの、イビキ対策の指針となる情報が存在しませんでした。現在はどうか分かりませんが、体系化された情報は少ないであろうということで、イビキにお困りの夫婦やカップルに向けて情報提供したいと思います。

当該noteをお読みになる前に、下記の事項をくれぐれもご確認ください。

①筆者は医師ではないため専門的・医学的知見を持ち合わせていません。したがって、下記の内容はあくまで「個人的体験の束」ですが、イビキにお悩みの方にとって参考になる(専門医からも提供されない)情報が数多く含まれます。ちなみに「睡眠時無呼吸症候群」の症状としてのイビキは医学的に治療されるべき「病気」なので、必ず専門医の診療・治療を受けましょう。

②イビキは医学的な治療を含めて「社会工学的アプローチ」で解決すべき問題です。すなわち専門医には診断・治療できない要因が複雑かつ繊細に絡み合っており、個人差も大きいと思われます。にもかかわらず、(イビキ問題を過度に単純化・矮小化する)多くの偏見や思い込みが存在するのが現状です。当該noteは、こうした複雑で繊細なイビキ問題を解決しうる発想と方法とノウハウを提供するものです。読者はこれらを自身にとって最適に組み合わせる(最適な組み合わせを試行錯誤しながら見つける)ことによって、3~6か月程度でイビキを8~9割程度抑制することが可能と思われます。こうしたアプローチのことをここでは「社会工学的」と呼んでいます。

③当該noteが提供するノウハウが、とりわけ骨格や体型などの先天的または後天的な肉体的特性に起因するイビキに適用されるかは不確実です。逆に言えば、通常の体型・骨格で、これまでイビキをほとんどかかなかった人にとっては示唆に富む内容になっていると思います。

④「イビキ問題の解決(克服)」が意味するのは、「365日、1秒たりともイビキをかかない」ことではありません。イビキをかく日数を減らすだけでなく、その時間(イビキ1回あたりの秒数や一晩当たりの総秒数)や頻度や音量を減らすことで、パートナーの安眠を実現することです。そのためには何か「特効薬」を見つけるというよりも、根気強い努力(観察や行動や試行錯誤)が求められます。

⑤イビキ問題を回避する一つの有効な方法として「別室で寝る」というものがありますが、これは根本的な解決方法ではありません。(睡眠時無呼吸症候群を除く)イビキは医学的な問題ではなく社会的な問題なのです。すなわち、夫婦間の会話や肉体的な接触の機会が長期にわたって失われ、それによって夫婦仲が変質することなのです。また、自宅では別室で寝ることができても、旅行先ではそうもいきません。折角の夫婦水入らずの旅行がイビキで台無しになっては元も子もありません。

⑥イビキ問題の解決には、
・イビキをかく人(=Ibiker「イビカー」)及び、
・パートナーのイビキに悩まされている人(=Ibikee「イビキー」)
の相互理解と思い遣りが何より肝要です。当該noteに辿り着いたイビカーもイビキーも是非ともパートナーと共に以下の内容を共有し、共にイビキに立ち向かうことをお勧めします。

Step 1:近所の耳鼻科に行く


 イビキは「睡眠時無呼吸症候群」の一つの症状である可能性があり、これは治療すべき病気です。酸素濃度を測定するパルオキシメーターを使えば、睡眠時無呼吸症候群でないかどうかは素人にもある程度は判定できそうですが、やはり専門医の判断を仰ぐのが賢明です。イビカーは(イビカーが嫌がるようであればイビキーが付き添ってでも)耳鼻科に行って「自分(たち)はイビキに悩んでいる。睡眠時無呼吸症候群だと困るので診療して欲しい」と頼みましょう。一週間程度で結果が分かるはずです。ちなみに、筆者は2015年1月に初めて耳鼻科医の診断を受けました。

 本当に厄介なのは「(筆者が直面したのと同様に)睡眠時無呼吸症候群でない場合」です。この時、耳鼻科医はそれほど親切に手を差し伸べてくれません。なぜならイビキそれ自体は基本的には病気ではないからです。「大きな音をたてて寝ていたとしても健康に支障はないのだから治療すべき疾患ではない」ということなのでしょう。


Step 2:イビキを観察する


 当然のことながら、イビカーには自分がイビキをかいている自覚がありません。そして、自身がイビキをかくようになったという事実をなかなか受け入れることができず、パートナーの苦痛を過小評価しがちです。そのような状況下でイビキーが

「イビキがうるさい!どうにかしろ!」

と苛立っても問題を悪化させるだけです。したがって、イビキ問題解決の第一歩はイビキを観察し、問題を共有することなのです。

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