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クロッキーの落とし穴と、短時間ドローイングを実践に取り入れる方法

※クロッキーとドローイングはほぼ同義で使ってます。


ひとつブレイクスルーを得ましたので記事にします。これは同時に私が以前から持ってた信念...固定観念すらぶち壊すものでした。

タイトルは「クロッキーの落とし穴と、短時間ドローイングを実践に取り入れる方法」としました。前半部分については後で触れるとして、後半部分について、最終的な目的地はここになります。私は今回これを出来るようになった―いえ、完全に出来てるとは言い難い...のかもしれませんが、たぶん...かなり現実的になったと思ってます。

その方法とは...?まあ、そのままです。実践(自分のオリジナルのイラスト(二次創作有)を描く際)の最初の段階をクロッキー(ドローイング)をやる感覚でそのままやります。それ以上もそれ以下でもないです。なあんだ、そんなこと、みんなやってるよって?私はずっとやってなかったです。正しくは、やってたかもしれないけど、そう意識付けて(理解して)出来ていることではなかった、というのが正確でしょうか。

その理由の一つに、私が以前より持っていた信念があります。それについてお話ししましょう。

「時間制限のドローイングは、成長の妨げになる」これです。(この場合30秒ドローイングとか、1分とかの超短時間のものです。ワンドロ(一時間)とかはまたちょっと違うかもしれないです。そんなに短い時間ってわけでもないので。)

ですが、今回この固定観念を打ち破ったとはいえ、考えを捻じ曲げたということではありません。“ある一定レベルに達した人”以外は、これまた以前から私が考えていた通り成長の阻害になるので、やるべきではない、と思っています。では何故やるべきではないと思っている(いた)のか?

よほどの天才でもない限り、一定のレベルに達してない初心者が30秒ドローイング等をやると

イラストにかける時間の取り方がわからなくなる/絵の精度(ディティール)を詰めれなくなるからです。

私は二年?くらい前に30秒~1分あたりの制限時間のクロッキーを習慣づけようとしましたが、3日でやめました。絵がどんどん下手になっていく感覚を生で感じていたからです。

実例の2枚の比較を出しましょう。

※1

ローラ練習2 6月19日

※2

ローラ練習2 6月21日白目

今見るとどちらもクソほどヘタなのですが、下(※2)の画像のほうがまあ割とマシっていうか、上(※1)と比べるとだいぶちゃんとしているようには見えないですか?見えるはずです。見えますね。

この下手になっていってる実感があったとき、すぐこの練習法を辞めたのですが、この上(※1)のイラストから下(※2)へ持って行く....要するに精度を高める(ディティールを詰める)やり方が何もわからなくなってました。

この超短時間クロッキーをやめて前の感覚を取り戻すべく描いたのが下(※2)のイラストです。(※1の2日後)

この練習法をやめて2か月ほどたって実践して出来上がった絵がこちら(※3)です。

※3

女の子座りローラ7月16日(15にはほぼ)完成

最初にあげた2枚の例(その2枚目)と見比べても、かなりレベルアップ...というか、精度をあげる(ディティールを詰める)ことができるようになっているのを感じるのではないでしょうか?

と、このような体験もあったことで、私は初心者が短時間クロッキーはやるべきではないと思ってたんですね。それと、やって何を得られるかというのもわかってなかったというところが大きかったです。絵が上手い人みんなおススメしてるけど、それでどうなるの?どううまくなるの?とずっと思ってました。みんなうまく説明できないからかもしれません。この練習法をやれば上手くなるよって短時間クロッキーを挙げるだけで、その効果と考え方についてちゃんと教えられる人はほぼいなかったです。ですが今回、自分なりのこの意味について考えることが出来、以前のやるべきではない一点張りから脱することが出来ました。

その効果/考え方とは、

1.短時間のクロッキー(15秒~1分)ほど、全体の大まかな形を最優先で捉えるべきもの(※一番重要!!)

2.ここから時間が伸びる(2分~5分)ほど、絵の精度を高めていく(ディティールを詰めていく)

3.そして実践の絵でも、この1.と2.をやる

というものです。この1.と2.は、イラスト制作のうちの“アタリ”と“ラフ”に分類されます。もしくは、どちらも“アタリ”の範囲内。私は個人的に、“ラフ1”と呼んでます。

つまり時間制限のクロッキーはイラスト制作のうちの一番最初の過程の練習方法なんですね。(もっと上級者だと違う意味も見いだせるのかもしれませんが、とりあえず今の私はそう考えてます。)

ですので、後半の絵の精度を上げていく(ディティールを詰めていく)作業がむしろ出来ない初心者のうちは、最初の過程の練習ばかりやっても結果が伴わない、と。

クロッキーの重要性がわかった今でも、初心者はやるべきではないという考えを崩してないのはそういうことなんですね。


絵が上手くなっていけば成っていくほど、この最初のアタリ~ラフの過程を、どれだけ短時間で、精度をもって出来るかが重要になってきます。イラストの上達方法として、プロの方たちがみんな口を揃えて「30秒ドローイングとか良いよ」というのはそのためです。そのロジック自体は正しいのですが、間の考え方等がすっぽり抜けてるため、この罠にハマって逆に絵が下手になっていく...または上達しない初心者も多いと思うのです。初心者はむしろ、絵の時間のかけ方を覚える/絵のディティールを詰めていくやり方を覚えることが最優先だと思っています。最初の工程の練習なんて後々!最初の一歩で、精度のあげ方を覚えれば、そういう練習はあとからでもいくらでもできます。

この記事が、そういうイラストの最初の一歩で躓いている誰かの役に立てば幸いです。




※この記事で挙げさせて頂いたキャラは、サイゲームスが提供するアプリ、シャドウバースの「極炎のドラグーン・ローラ」というカードのローラという女の子です。たぶんこんな描きまくってるの自分しかいない。好きです。






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