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もらったお金はうれしくない

アニメ『美味しんぼ』に「いわしの心」という話があります。

主人公の山岡が、他社から好条件で引き抜きのオファーを受けるが、「自分で築き上げないと本当の満足は得られない」と熱く語る神回です。

私の大好きな回です。

世の中には、生まれつき、経済的に恵まれている人たちがいます。イーロン・マスク氏には10人以上の子供がいるようですが、彼は世界一のお金持ちなので、もし仮に10人で財産を相続したとしても、その一人一人が小国の国家予算レベルのお金持ちです。

そこまでといかなくても、世の中には、生まれつき恵まれている人たちがたくさんいます。東京の私立の大学に行けば、まわりに何人かは、おぼっちゃまやお嬢様がいるのではないでしょうか?

私の周りにもいて、そういう人たちのことを羨ましく思ったこともあります。とはいえ私自身も平均よりは少し恵まれていて、大学を出るまではお金に困ったことがなかったし、社会人になってからも、経済的な面で何度もピンチを救ってもらいました。

大学の頃は、学費や家賃、生活費を全て支払ってもらっていたし、社会人になってからも、10万円くらいポンと手渡してくれるような家庭です。
でも私がずっと思っていたのは、人からもらったものは嬉しくないということでした。

とはいえ、では働いて稼いだお金は嬉しいのかといえば、会社員として働いて稼いだ給料は、正直、嬉しくないというか、1ヶ月分の我慢料みたいな感覚で、これもまたダメなのです。

投資で稼いだお金はただの数字にしか見えないし、損したお金も然りです。一番嬉しかったのは、自分で獲得した仕事で稼いだお金です。いくつかあるのですが、初めて自分一人の力でお金を稼いだ経験、具体的には、HPのコピーを考える依頼で1万円の報酬だったのですが、私はその時に稼いだ1万円を数年たった今でも使わずに保管しています。

世の中には、「お金が全て」という人たちもいます。私も、どちらかというと賛成です。でも私は、そのお金をどう手に入れるかというのはすごく大事なことだと思っていて、お金そのものよりも、そのお金を手に入れる方法によって、人生の幸福度は変わるのではないかと考えています。

そういう理由で、詐欺のような犯罪で手に入れたお金では、仮にたくさんのお金を稼ぐことはできても、幸せにはなれないはずです。そう考えていない人がいるから、詐欺はなくならないわけですが、少なくとも私は、1億円を目の前に置かれても、絶対に犯罪はしないと誓えます。

相続に関しても、生前は仲の良かった兄弟姉妹が骨肉の争い、なんて話もあります。正直、私は何もいらないという考えです。
なぜお金なんかで、家族という絶対的な信頼者との関係を壊してしまうのだろう?
もちろん、何億というお金が突然入ってきたら、人生が変わるというのはわかります。

でも、棚からぼた餅みたいに、人からもらったものでは幸せにはなれないし、少なくとも私はそう考えています。
自分の納得のいく方法でお金を稼ぐ。会社のデスクワークをしていると、お金を稼ぐ=1日8時間、週5日働くことの対価、みたいな感覚になりますが、お金を流れを追っていくと、そこには、自社商品のお菓子を「美味しい」と食べてくれる人たちがいて、自社サービスを「いつもありがとう」と言って使ってくれる人たちがいるのです。

何もかも一人でやってみると、お客にダイレクトにつながるので、ありがとうの対価がお金だったりするわけです。

生まれつき経済的に恵まれている人たちは、一般的な人たちよりも、先に進んだ状態で、人生ゲームを開始することができます。

子供の頃から高級なものを食べて、海外旅行にたくさん行って、良い大学に入って、若くして将来を約束されているかもしれません。時には、そういう人生を歩めたらと妄想することもありますが、その一方で、あまりにも恵まれていると、城を築き上げる面白さみたいなものを経験することができないのかもしれないとも思うのです。

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