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システム思考をビジネスへ活用する_#SPBS

先日SPBS(@SPBS_Tokyo)さんで、オンラインセミナーをやる機会を頂きまして僭越ながら第3回の「エグゼキューションのシステム思考法・デジタル変革の波に対するアプローチ」に関してお話させてもらいました。

今日はその中でお話した「システム思考をビジネスへ活用する」に関しての一部と、セミナーでも質問があったシステム思考をどう身につけるかについて書こうと思っています。

ちなみにセミナーはこちら!最終回まだありますのでぜひ応募ください!

システム思考ってなんだ?

「システム思考」という普段博報堂アイ・スタジオのエンジニアがどう広告クリエイティブの企画や事業を組み立てているのか?そんな思考の話です。

システム思考はざっくりとした説明をすると「物事のInとOutを整理すること」です。プログラムを書く際に「何が入ってきて・何を返すのか?」をエンジニアは分解し、整理し、組み立てていきます。

例えば消費税を計算するプログラムを書く際、エンジニアの脳内では、数字が入ってきて、数字に税率を掛け算し切り捨てを行い、加工した数字を返却するみたいな処理を書きます。

function calculateTax (price: number) {
  return Math.floor( price * 1.1 )
}

これは凄くシンプルな話ですが、事業ドメイン全体のシステムを考えるとなるともっと複雑になります。

セミナーでは例としてUber Eatsの話をしましたがマクロな視点でビジネスフローのインとアウトを考えると以下のような整理になります。

スクリーンショット 2020-06-18 21.01.17

実際に関わる人達(アクターとも呼びます)がどんな行動をして、どんなものが入ってきて、どんなアウトプットを出していくのか?これを整理していくのがシステム思考の肝になります。

エンジニアと話すと、正常じゃないケースでこういうときどうなるの?どういうことを想定しているの?処理が失敗したらどうなる?みたいな質問を受けたことのある方もいらしゃるかと思いますが、彼等の脳内にはインとアウトを構造化して処理しているためイレギュラーケースが浮かび突っ込まれるような感じです。(僕もエンジニアの頃はよく突っ込んでました)

本題に戻すと、このインとアウトを整理する思考法をビジネスに活用できないか?が僕のトークテーマでした。

システム思考をビジネスへ活用する

実はこのシステム思考、プログラムを書くときやシステムを設計するとき以外にもとても役に立ちます。プロダクトマネージャーとして新規事業を作っていく上で今とても役に立っているのですが、それはインとアウトを整理する先に、物事の構成要素を最小単位に分解する事ができるからです。

よくPDCAを回そう!とかありますが、このPを考える上で顧客や現状の課題を分析する必要が出てきます。その際の悪いケースを図解するとこちらです

スクリーンショット 2020-06-18 21.14.40

最初の課題分解が曖昧なものになると、戦略立てるときに様々なケースを網羅する必要が出ると考えます。あれもこれもと肉付けでごまかすパターンですね。そうなるとそれを実現すべく多岐にわたる施策を打つ必要がでるため結果うまくいったとしても、なんかよくわからないけどうまく行ったね!って感じになりがちです。

ビジネスでは再現性をどこまで追求できるか?が大事なので、最初の課題を分解するところが躓くと本当に辛い。(めっちゃ大変ですが)プロダクトマネージャーはこの課題をちゃんと定義できるか?が一番責任ある仕事なのでこの課題の分解に力を入れる必要があります。

システム思考では、インとアウトを明確に整理すると書きましたが、物事の流れを分解して、整理して、これ以上分けれない!っていう要素まで分解する必要があります。

その結果ビジネスの最小単位が見えてくるため、抱えている要素のコアとなるモノを見つけることが出来ます。言い換えればなにか施策を打つときに顧客が抱えている課題を分解していって、最小単位を作っていく。そうすれば自ずとシンプルな戦略に繋がります。

スクリーンショット 2020-06-18 21.36.08

構成要素を最小単位に分解することで、変数が最小限になるため自然と再現性の高い戦略・施策を生み出すことにつながっていきます!加えて別のケースでも前回のナレッジを活かせたりすることができるので、ぜひこの課題を最小単位に分解するためにシステム思考を活用して欲しいと思います。

システム思考を身につける

システム思考を身につける上でプログラムを書かなくてはいけないのか?というとそんな事はありません。(もちろん書けたほうがより体系的に掴めるし、SQLとかは全職種が身につけると幸せになれると思っております)

普段の業務でも使える考え方として、まずスプレッドシート上で事業の要素を分解してみるが挙げられます。KPIツリーを作る作業に近いです。一番左の列に今抱えている事業で大事な要素を並べ、分解です。

売上 = ARPA × 顧客数
顧客数 = 新規顧客 + 既存顧客
新規顧客 = (自然流入 + 課金流入) × 商談率...

どんどん分解していったら、これ以上分解できない最小要素が見えてきます。分解を終えるとスプレッドシート上で右から左にかけて、顧客の認知獲得から売上までの一連のフローが可視化されますよね。あとはそれぞれの要素でどんな課題が生じているのか?を考えそれぞれの行に書き出していく。

常に分解する考え方を持っておくと、この物事のInとOutを整理するシステム思考が自然と身につくはずです!


本当はもっとたくさん話していて、システム思考を新規事業に活かすまで書きたかったのですが、今回はここまでで終りにします。

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