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逆転計略TRPG『天才軍師になろう』、楽しい

情報が出た段階ではあんまり惹かれなかったんですが、フタリソウサをやってみて楽しいな……となり、同じデザイナーさんということで発売日に買いました。
一回英傑としてPLをやらせてもらった結論としてめちゃくちゃ楽しかったです!!!ということを残しておきます。英傑側しかやれてないのですが今のところの覚書。


ざっくり好きなところ

△天才軍師の俺ツエー!
◎軍師と英傑の絆って良いよね

英傑が複数人いる場合もあるらしいので、バディというよりチームかもしれませんが、システム的なウリはこっちの方では!?という印象を強く受けました。確かに軍師は自分だけに情報が渡されるフタリソウサの探偵ポジションであるので俺ツエー!感もあるにはあるんですが、クライマックスの戦闘フェーズでは軍師は戦場には立たず、英傑側がバリバリ前線で頑張ります(クラスによっては兵を頑張らせますが、やっぱり前線にはいます)。
英傑側もPCであるので、英傑側にもストーリーが発生し、「最強軍師がただ一人でモブ兵たちを動かして勝利、軍師最強!」物語より、「軍師の俺は後方にいる、前線はお前たちに任せる!」という役割分担ドラマが生じやすいように思えます。
個人的にはこのシステムはここが一番美味しい部分だと感じました。なんで軍師だけ推しのそのタイトルなの……?

軍師への信頼カードが熱い

軍師側はシナリオ中にフタリソウサで言う「知ってたカード」のような情報カードを与えられ、戦略展開を考えるのですが、その間英傑が何をしているというと「軍師への信頼」を考えています。どうしてこの軍師を信頼しているのかをシナリオ中に文章にしたため、クライマックス戦闘でのリソースとして使える訳です。最高?
グランクレストの「誓い」、他FEARシステムでもある「他PCへの感情」の取得、フタリソウサの感情取得もそうなんですが、PCの感情だったり思考だったりを明文化して表明するという行為がとても好きなんだなぁと思いました。どれだけ表向きにツンケンしていても、この過程で「深く信頼している」と出してしまえば全ての行動がツンデレということになる。

戦闘が楽しい

サンプルシナリオの「天才軍師の芽吹き」を遊んだのですが、戦闘システムが非常に楽しかったです。FF14のフロントライン、特に今は亡き「制圧戦」を思い出していました。人数が同数だと拮抗してるよね~とか、強い英傑が一人居ても人数差があると負けるよね~とか。結構真剣に考える必要があり、個人的には本当に楽しかったです。戦いは数だよやっぱ!
ただ後述するのですが、上記故にPL間の打ち合わせ方法を工夫する必要があるなと感じました。ホワイトボードがほしい。

気になったところ

全体的にはすごく楽しかったので重箱の隅をつつくようなもの。実セッションでは何一つ不満なく楽しみつつ、システム的に気になったところなので、起こらないときは何も起こらないはず。

軍師が(システム的に)完璧すぎる

フタリソウサでいう「異常な癖」がありません。俺完全軍師!!!とロールプレイしていると、可愛げ、隙のない完全軍師のままシナリオを終えることができなくもなさそうです。イレギュラーによってある程度揺さぶられますが、軍師はイレギュラーの中身を確認しつつ表にすることができるので、「対策をしていたのだよ!」と完璧軍師のままであれます。
もちろん「天才軍師」なので、それが駄目という訳ではないんですが……それと対比された英傑側のマヌケっぷりが目立ちかねないので、危うい部分に思えました。
自プレイ時は、おそらく意図的に軍師PLさんが可愛げをロールプレイに含めてはったんじゃないかな~と思っています。嬉しい!脱帽です。

英傑のバックストーリーを拾いにくい

策略カードが与えられ、そのノルマ消化が目的である軍師の手番に比べ、英傑の手番の内容はシナリオからはほとんど与えられない印象を受けました。恐らく、今回よりもうちょっと濃いシナリオであっても、英傑手番ではシステム的な処理が主軸になるのではないかなと思います。
なので、シナリオに絡めた英傑側の深みを出すために、軍師のシーンで英傑のバックストーリーを拾ってもらいたい……のですが、システム的に担保されていないので、PL次第では軍師の物語に終始してしまうこともありそうです。
Q.「『天才軍師になろう』だからそれでいいのでは?」
A.「と言っても一番美味しいのは軍師と英傑の絆だと思うので、英傑側にも軍師と同レベルの解像度が欲しい」
自プレイ時には軍師PLさんがゴリゴリ英傑を引っ張り上げてシーンを作ってくれていたのでやりたいことをやれました。嬉しい!

戦闘がしっかりしている

嬉しいところにも書きました。戦闘がしっかりしていると嬉しいのですが、しっかりしているが故に、「プレイヤーが複数人いる」戦闘の難しさが顕在化しているように思えます。サンプルシナリオ「天才軍師の芽吹き」の戦闘は結構シビアでしたね……
軍師PLには、英傑の行動自体を決定する権利はルール上にはありません(行動順の決定権は軍師PLにあります)。英傑の行動は英傑PLが決定します。また、軍師PLも(大体の場合は)天才軍師ではないので、戦闘わからん!!!助けて英傑PL!!!となることも当然あると思います。
従って、複数のブレインの意見を検討して最終決定をする、しっかりとした打ち合わせが必須になります。ホワイトボードが欲しい!!!!相談と言い合いをきっちり分けられる配慮あるPL同士なら問題ないのですが、αプレイヤー問題……など古のワードが脳裏を過りました。
何度も言うのですが、自プレイ時にはあーでもないこうでもないと白熱しつつGMさんも話をまとめてくれたりしてずっと楽しかったです。嬉しい!

総括:楽しい!!!!!

楽しかったです。本当に。食べたいものを食べました。複数人でキャンペーンとか、×グランクレスト(古巣)とかやってみたいですね。
サプリで英傑クラスを増やしてもらったりとか、英傑の行動が増えたりとか、三つ巴とかできたらいいな~と思っています。あとは軍師VS軍師とか……以上です。まず間違いなくおすすめシステムとなりました。

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