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回復期脳卒中患者の立位バランスの構成要素は何か?

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脳卒中患者の立位バランスに関しての論文を整理したいと思います.

回復期病棟入院3ヶ月後の脳卒中患者の歩行自立するためには,回復期入院時の立位バランス(FBS)の結果が大きく影響すると以前示しました↓


そうなると,次は立位バランスは何で構成されているのか?と気になりました.

今回の論文はこちら↓
北地雄:脳血管疾患後の片麻痺者を対象としたFBSの構成要素の検討:PT科学:2013

回復期病棟に入院された脳卒中患者59例を対象としています.

対象者の発症後日数は平均83日で,歩行自立群と歩行非自立群に分け,
評価項目は,麻痺側下肢の運動麻痺(Brs),TUG,麻痺側下肢の最大荷重率,FBS,BIとして,それらを群間比較してます.加えて,FBSの項目内で因子分析を行い,1)動的バランス,2)静的バランス,3)粗大下肢筋力の3種に分類し,それらも群間比較してます.

その結果,
上記項目全てに有意差を認めました.
そして,上記項目間の全てに有意性のある相関を認めました.

結論,立位バランス(FBS)の構成要素は,動的バランス,静的バランス,粗大下肢筋力の3つに分類でき,FBSと運動麻痺,FBSと麻痺側下肢の最大荷重率,FBSとTUGに関連を認めることがわかりました.

本研究で気になるのは,上記の運動麻痺,麻痺側荷重率以外の身体機能評価(感覚,可動域,筋緊張等)の記載がなく,総合的な身体機能評価のなかで構成要素,関連を知りたい部分でした.

では,動的バランス,静的バランス,粗大下肢筋力は何から構成されているか?について気になるところでした.

あと本研究では,歩行自立群と非自立群の比較で,麻痺側下肢の運動麻痺の程度にも有意差ありのことですが,ないと説明している他論文もありますので歩行自立度と運動麻痺重症度の関連は散見しています.

立位バランスという抽象的な現象を少し具体的にまとめて頂いた論文でした!

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