恋人に向けて詠んだ短歌34首+恋人の返歌6首
大学生の時ひとつ上の先輩が卒論で短歌集を作っていて、かっけー!!!と思って見よう見まねでたまに短歌を詠むようになった。
基礎もイロハも学んだことが無いので短歌と呼べるものになっているかもよくわからないし定型崩しまくりだし、自信が無いので特にどこにもお披露目してこなかったんだけど、目下遠距離恋愛中の恋人に向けて何首か詠んで送り付けたら「短歌!?!?!?」と動揺しつつたいそう喜んでくれたので、調子に乗ってどんどん詠んでしまった。と思ったらなんとついに恋人もわたしの影響を受けて短歌を作り出した。歌人カップル?平安時代?
で、せっかくなのでここらでお互いの感想と共に披露してみようかなというのがこの記事の主旨です。
以下、「四」がわたし(4月生まれなので)、「皐」が恋人を指します(5月生まれなので)。
絶対に見つけるからね来世でも 出来れば目立つ服でも着てて
皐:あずき色のアメリカンイーグルでもいいですか?
四:あの服当時のライブの動画で大抵着てるのなんなん?
※「Youtubeでバズってた、あずき色のアメリカンイーグルのパーカーを着て眼鏡を吹っ飛ばしながらサンボマスターのコピバンをやっている動画を観て一目惚れし、2年かけてアカウントを特定した結果付き合うことになった」というおもしろ馴れ初めで付き合っています。
おもろい。
小さくてふかふかしていて温かい愛されてると感じる手のひら
四:皐君の手はふかふかで可愛い。厚手。
皐:確かにふかふかやな……。おもちみたい。
幸せにしてあげたいし時々はあたしのせいで泣いてね嘘だよ
皐:どっち?
四:それは複雑な乙女心でしょ。
受話器の向こうで響いた怪獣の鳴き声君よ良い夢を見て
皐:いびき聞きながら寝れんの?
四:リアルはキツイってことに最近気づいた。通話越しならいける。
ひとつのこらず棺桶に入れて欲しい銀の指輪も味付き卵も
四:ラーメン屋で味玉くれたの嬉しかったな。
皐:半熟なのに完熟になっちゃうな。
四:どういうこと?……あっ火葬するから!?
追伸最初から好きになるなんてわかっていたよ君はどうなの
皐:ツイッターのメディア欄を遡るごとに好きになりました。
四:単純すぎる。
この声はあたしのものだこの先死ぬまで女とカラオケ禁止
四:これはマジでそう。歌うますぎてみんな好きになっちゃう。
皐:湘南乃風しばりやったらいい?
四:湘南乃風歌う男嫌だな…………。
見た目だけじゃない?ほんとに?グレッチで顔潰しても愛してくれる?
皐:これコメントしづらぁ。
四:これはまあお互い椎名林檎が好きなのでってことで……。
「おやすみ」も「また明日ね」も言えぬまま死にゆく夜のひつじが100匹
皐:これ良い。
四:でも最近電話切らずに寝落ちするようになったからこの感じなくなったね。
皐:柵を越えるの待ちの羊の待機列が増えましたね。
四:…………?
福岡は晴れていますか寂しさが雨に変わって札幌は梅雨
皐:これも良い。現代短歌百選に入ってもいい。
四:遠距離短歌!札幌には梅雨がないというのがミソです。ミソ自分で説明するの恥ずい。
にんじんが向かいのお皿に消えて行く 野菜が嫌いで、君が好きです
皐:これが一番好き。
四:いつも野菜食べてくれてありがとうな。
皐:俺だけどんどん健康になってくわ。
千人が恨むわたしは君だけに恕され死んだ過去は塵屑
四:これは気に入ってる。皐君の名前の漢字が全部入ってる。
皐:千人から恨まれてんの?
四:無理矢理「千」って入れようとするとこうなった。
目には目を歯には歯を好きには好きを 枕詞は「おれの方が」で
四:最近「おれの方が」って言わなくなったね。
皐:なんのマウント取ってるんやと思って恥ずかしくなったので……。
運命の赤い糸なんて不確かなものより小指に黒い指輪を
皐:初対面で指輪はめられてしまった。
四:皐君も初対面で指輪持ってきたじゃん。
皐:それはそれやろ。
四:そうかなあ…………。
澱みなく弦を爪弾く白魚が恋に気圧され震えて跳ねる
四:初対面の時、尋常じゃなく震えてて可愛かった。
皐:白魚というよりは……脱皮前の芋虫みたいな指やけど……。
四:例えが最悪すぎる。
ぴーぴーと泣く子をあやす君の目も揺れていること気づかないふり
皐:おろおろって感じ。
四:すぐ泣いてごめんね。
一生涯世界一でいられるか誰かを殺す必要はある?
皐:不穏。平和に行こうぜ。
四:メンヘラ短歌ですね。
育ってきた環境こそ違うけどわたしも君も木綿より絹
皐:あんこはつぶあんよりこしあん。
四:一緒!
携帯が二度変わるころ僕たちは並んでいるか星に祈れば
皐:iPhone20とかになってるかもしれんな。
四:これはPK shampooの星を弾き語りしてくれた日に詠みました。
毎夜君の唇に触れるお酒にも嫉妬している飲み干してくれ
皐:ハイボールちゃんと焼酎ちゃんを取っかえ引っ変えしております。
四:やだあ。チャラい。
「おれが代わりに死んだっていいくらい君が好きだ」で、心中未遂
四:今までの「わたしのことどれくらい好き?大喜利」の中で一番重たくて意外だった。
皐:らしからぬことを言うてしまいました。
悔しさが伴う恋だなにもかも青に溶けろよ月に負け犬
四:これは遠距離のこととかとやかく言われてウザかった時に詠んだやつです。
皐:まあなんと言おうとストロングスタイルで勝ち取った出会いですからね。勝者です。
2000キロ離れてるから君の街で見えない月をわけてあげれる
皐:素敵!
四:これはスーパームーンの日にお互い月について詠もうよって言って詠んだやつですね。
皐:遠距離なのが前向きな感じに転がってて良い。
「見れない」と俯く、ラーメン屋で、つむじぐるぐるまわる、会いたかったよ
皐:キモオタムーブかましてしまった時のやつやね…………。
四:初対面の時マジで目合わせてくれるまで3時間くらいかかったよね。
物忘れが激しい君が忘れないようにあたしは歌を詠むのだ
皐:ボケてから歌集とか出して欲しい。素敵備忘録。
人生を彩る声がステージで鳴いている、横で泣いている君
四:ピロウズのライブの時のだ。
皐:意外と俺ってライブで泣くんやなっていう。
四:感受性が豊か。
深夜4時、朝の仕込みをするパン屋、上手に夜を終えれぬ僕ら
四:これ好き。
皐:俺も好き。パン屋さん早起きやねーとか言いながら朝方に散歩した時の空気を思い出す。
牛乳と卵と砂糖を混ぜて焼く愛は四角い形をしてる
皐:ハート型に切り抜けばよかったな。
四:器用……。あのフレンチトースト美味しかった。また作って欲しい。
「いずれ住むことになる街だけど好きになれそう?」「君がいるならどこでも」
皐:俺も札幌シティ好きになったよ。
四:わたしも平尾のこともっと好きになれそうな気がする。
お揃いが好きな僕らは日曜日同じパスタを離れて食べる
皐:これ可愛いよね。わざわざなに食ったか聞き出して同じの作るって言う。
四:可愛い。
皐:こういういじらしいことするの成人男性のわりに可愛いよな、俺。
四:自分で言うんだ…………。
耳たぶにブラックホールが出来たのだ、寂しさぜんぶ吸い込んで、今
四:ピアス開けてあげたとき、「お母さん、俺27歳にしてファーストピアス開いちゃったよ……」って天を仰いでたのおもろかった。
皐:この年でファーストピアス開くのエモいやろ。
「君のこと看取ってあげる、最期まで一緒よ、俺も翌日死ぬね」
四:「俺が先に死んだら絶対耐えられんやろうから1日だけ先に死んでええよ」って言われた時、この人わたしのことめちゃくちゃわかってるなと思った。
皐:次の日死にそびれたら毎晩「まだー?待ってるよー」ってて出てきそう。
四:こわ。えっそんな女だと思ってんの?
この店の主役はうどん誰も僕らを見てないしキスでもしよう
皐:「ええーーー?ここでも?えーマジ?なんで?昼間のうどん屋で?なんで?」って思った。
四:でもしてくれるじゃん。
皐:するはするけど毎回「なんで今??」とは思う。
四:なんでとかないのよ。それが恋なのよ。
太ももに頬を押し付け寝る君よ 明日は良い日になるかな、するね
四:すぐ人の太ももの上でガチ寝するよね。
皐:「明日はもーっといい日になるよね!もも太郎!」ってことか?
四:クソコメント……。
返歌 恋人作
「絶対に手放したくない」さしあたり、21:20は君とおしゃべり
四:今も手放したくないと思ってますか?
皐:はい。日毎おしゃべりの時間は取りたい。
四:冷静に考えてこれ処女作なの凄いと思うよ。
ともすれば泣き言が溢れそうな僕の代わりに君がぴーぴーと泣く
四:泣き言あるんだーって意外だった。遠距離しててもいつも平気そうだから。
皐:実はね。意外とあるよ。
2000㎞離れたコンビニの灯りが君の標となりますように
四:わたしが酔って歩いて帰りながら電話してた時のやつだ。
皐:早くおうち帰るのよ……と思いながら詠んだ。
好きなのに何で辛いのなんでなの?君の苦悩にやがて追いつく
皐:四月ちゃんの思考にやや寄ってきた。
四:嬉しい。
〇〇ちゃんが食べれないものすべからく豆もやしきゅうりハンバーグになれ
四:なって欲しい。
皐:全ての野菜をハンバーグにして食べさしてあげたい。
この月は掛け値なしでは見れないな 君の想いが張りついていて
四:これスーパームーンの時だ。
皐:あんまり覚えてない。笑
四:えええ。……あー、こういうことがあるからわたしは歌を詠むのよ。笑
終わり!まとめるの楽しかった。
またいずれストックが増えたら載せます。じゃあね。
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