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Twitterで集まった質問を社内の新卒女性データサイエンティスト陣に聞いてみた

はじめまして、株式会社ブレインパッドでデータサイエンティストをしている馬場と申します。2018年に新卒で入社し、2022年の4月で入社5年目となりました。
弊社は過去最大規模のオフィス移転が済んで3ヶ月ほど経ちました! 何度か新しいオフィスに出向いて仕事をしましたが、本当に仕事がしやすくて気に入っております。

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背景

さて今回の記事は、タイトルの通り、Twitterで集まった質問をブレインパッド社内のデータサイエンティストにぶつけて、リアルな声を集めよう!という趣旨の内容です。

実は昨年末に、ブレインパッドのデータサイエンティスト有志が運営するTwitterアカウントで以下のような企画を行っておりました。弊社での業務やデータサイエンティストという職種に興味がある方が理解を深めていただけるような記事を出すべく、データサイエンティストに関する質問を募ったのですが、本記事はその回答編となっております。質問をお寄せくださった方、誠にありがとうございます! そして長らくお待たせしてしまって申し訳ありませんでした。

企画の趣旨を説明させていただきますと、「学生・社会人問わず、ブレインパッドのデータサイエンティストに興味のある方からの質問を募集します」というものでした。特徴的なのは、その質問に回答するのが新卒入社でブレインパッドに入った女性データサイエンティストというところです。

データサイエンティストという職業は、知名度が比較的上がってきたとはいえ、まだまだ人数が多いとは言えません。新卒入社した女性のデータサイエンティストとなるとその数は激減します。もしかしたら、「職業として興味があっても、実態がわからない。自分と近い背景の人間が働いているイメージが湧かないので実例を知りたい」という方がいるかもしれないという思いから、今回はこのような企画を有志で立ち上げました。かくいう私自身も入社前は女性データサイエンティストの働き方のイメージが全くついていなかったため、その意味で「就活時の自分が見たら嬉しい内容かもなあ」というものになりました。このような背景から、特に参考にすべきロールモデルの少ない女性の学生の方がキャリアを考える上でご参考になればと思い、回答者の女性社員に関しては簡易的なプロフィールをまとめております(後述)。

※ なお、女性データサイエンティストのロールモデルについては、ブレインパッドの有志によるポッドキャスト番組(下記リンク)にてお話ししておりますので、ご興味ある方はお聴きいただければ幸いです。

このようなモチベーションから始めた企画ですが、なんと想像を遥かに超える30ものご質問を頂くことができました。重ね重ね、お礼を申し上げます。
頂いたご質問の内容は多岐にわたり、ブレインパッドのデータサイエンティストの業務に関するご質問から女性の働き方に関するものまで、本当に様々な角度からいただきました。

今回、メインとなる社内の新卒入社女性データサイエンティスト6名に加え、一部の質問については有志の男性社員からも回答をもらいました(回答編では「その他社員」、と記載しております)。全員、「ブレインパッドに興味がある方の役に立てれば」ということで積極的に協力してくれました!

メインの回答者となる6名の女性社員のプロフィール

※ 以降、データサイエンティストを「DS」と記載している部分がございます。


回答編に進む前に

いただいたご質問は、おおざっぱに分けると以下の4つにまとめられるように思います。

  1. DSの仕事や評価において、機械学習やプログラミングスキル以外にも必要な要素はあるのか

  2. 特に専門分野が異なる場合、入社してからスキルのキャッチアップはどの程度必要か

  3. 学生時代の専門性はどの程度活かせるか

  4. 女性だから大変なこととは

この中でとくに1~3のようなご質問への回答を読んでいただく際に、共通の背景として弊社のDSの業務の種類の実態をご承知おきいただくと理解がしやすいかと思います。

我々は受託分析の企業であり、プロジェクト単位でお仕事をしております。実際、私や今回の回答者も含め弊社のDSのほとんどがクライアントワーク(お客様から依頼をいただく形式の仕事)に携わっています。
例えば「今月まではA社のマーケティング系の分析案件をデータを揃えるフェーズから担当し、次月からは半年間B社の数理最適化系の案件の担当予定になっている」といったイメージです。
年次が上がってくると、それまでの経験に基づいて「〇〇さんはこの業界やこの技術」というイメージが醸成されることもありますが、それでも基本的にはどのような案件の担当にもなる可能性があります。
ですから、必要とされる技術領域もピンからキリまでですし、扱うデータの種類、ひいてはデータの状態についても多種多様です。
このような背景があるため、「この技術を持っていれば活躍できる」という確固としたものは存在しないと同時に、逆に「必要になればどんな技術も習得できる」ことが求められます。常に状況に合わせて自分のスキルや知識をアップデートし、求められている役割をこなしていく必要があります。
平たく述べると、分析技術にとどまらずデータに関することすべてにおいて臨機応変・柔軟に状況に対応せねばならない職種だというイメージをもって頂ければと思います。

それでは、さっそく各質問に対して集まった回答と所感をご紹介していきます。ご質問はグルーピングおよび簡略化させていただいておりますが、何卒ご容赦ください。
また、あくまで「ブレインパッドにおいてクライアントワークに携わるDSの場合」のご回答となりますので、他社様のDSの場合は当てはまらない可能性が大いにありますこと、ご承知おきください。

回答編

1.若い女性だということで贔屓されませんか?

仕事をするという面においては性別や年齢は全く関係ないと思っています。それが人によって良い悪いのとらえ方はあるかと思いますが、個人的にはよいと思っています。技術面において新卒1年目など年次は多少考慮されますが、案件にかかわって意見を述べる際などは一人の個人として尊重していただいていると思います。”甘やかされる”という状況はないと思います。

3年目・Sさん

若い女性だからということで優遇されることはないです。その贔屓感がないことでチームとして仕事できていると思います。

5年目・Iさん

少なくとも弊社では、若い女性なので贔屓されたということはございません。性別よりも、その人の持っている技術(ソフト・ハード両方)や人柄で人を見る方が多いように感じています。

2.文系出身だと、高い技術を持つ理系の男性社員の中では苦労しますか?

私は、学部卒で分析やプログラミングに関してはほぼ未経験で入社しました。入社後は研修やOJTを通して勉強の日々でしたし、同期に教えてもらうことがたくさんありました。(私がそうでしたが)周りと比べてしまうと精神的にしんどくなってしまうため、なるべく周りと比べずにいられるといいかなと思います。業務を遂行していく中で、何がわからないかがわかるようになってきたり、調べる力が少しずつ身についていったように思います。入社後の研修は、ベースラインを合わせるというのも目的の一つですので、環境については心配しなくて大丈夫だと思います。

7年目・Kさん

文系出身、学生時代は機械学習はすこししか学んでこないまま、現在新卒2年目として働いている者です。
当然そういった分野に関しては勉強が人一倍必要にはなります。しかし、機械学習などの技術的なスキルだけではDSの仕事は成り立たない場面がたくさんあります。理系出身で機械学習の経験を積んでいる方だからといってDSとして即活躍できるとは限らないと思います。文系出身であっても、理系出身の方が学生時代学んでこなかった文系別の経験やスキルを身に着けているはずです。
入社後は新卒研修やOJT、勉強会などしっかりと学べる環境も整っています。働いていけるか、活躍できるかは学生時代の経験より、入社後の努力と向上心が最も大事なのではないでしょうか!(そう信じて、文系出身は日々頑張っています)

2年目・Yさん

入社当初はスキルのレベルにギャップはありますが、それは2、3年くらいするとだんだん埋まっていくものだと思います(大学(院)で機械学習を専攻した人も、他の人より2、3年経験が多いだけです)。ギャップを埋めるために学ぶことは必要ですが、それができれば大丈夫だと思います。

3年目・Kさん

私の周りにも機械学習、深層学習などをすでに深く学んだことのある方々は多いです。そのため特に最初のうちは知識レベルの差や技術力の差を非常に感じました。ですが、変に知ったフリなどをするのではなく、素直に分からないものは分からないと伝え、理解できるよう努めることで日々学んでいくしかないと思います。さらに、ありがたいことにこの会社は優しい人だらけで、同期だけでなく上司の方々もたくさん教えてくれます。また、基礎レベルの技術力を身につけたのちは、ビジネス力など自分の得意な分野を伸ばすことでオリジナリティのあるDSに慣れると思います。(私もまだまだの身ですが…)

3年目・Sさん

一言でいえば「本人次第」というご回答になるかと思います。

私自身も畑違いの分野(天文学)から来たので、入社前や入社直後の不安は小さくはありませんでした。ただ、先輩・同僚でも情報系以外の出身者は多く在籍しており、出身に関係なく活躍されています。もちろん個人の努力は必要ですが、そこができれば案件で活躍できるような態勢は整っている会社だと思います。
また、すでに高いスキルを持っている同僚に囲まれるのは環境としては恵まれています。幸い、優しい人柄の社員が多いですので、学んでいて分からない部分を彼らに質問をしたり、知見を共有しあったりと切磋琢磨できる環境です。
どんな会社でも同じだと思いますが、一生懸命やっていれば手を差し伸べてくれる人が多い印象ですね。

3.若い女性だからということで舐められたり、働き辛かったりしませんか?

自分も経験ないですし、周りからもそういった話は聞いたことないです。

7年目・Kさん

若い女性だから舐められるというのは私自身まだ未経験ですし、話として聞いたこともないです。一方で、聞いた話ですが人によっては男女問わず年齢が若い人だと不安というのはあるようです。

3年目・Sさん

知識力や技術力を武器にしてる業界では、年齢が若い人に対して知識力や技術力に不安を覚えるのはある意味で自然かもしれません。そこに男女は関係ないと思いますが、いずれにしても丁寧に仕事をして少しずつ信頼していただけるようになることが重要そうです。

4.仕事のために学生時代に学んでおけばよかったと思うこと、経験しておけばよかったと思うことは?

敬語や丁寧語の使い方などを身に着けるという観点で、社会人と話すことは慣れておいたほうが良さそうです。
他には、発表慣れしているとか。研究室などで定常的に発表会などがあり、自分のやったことを他人にわかりやすく筋道立てて話す、factと感想を分けて話す、堂々と話す などは付け焼き刃ではできないので場数が物を言うなぁと思います
技術面は後から一人でも補強できますが、上記のことは相手がいたり環境があって初めて練習できるものなので急にうまくなったりできないなぁと

その他社員

個人的にはベンチャーのインターンで問い合わせ窓口、電話対応、広告出稿、サービス運営など色々と経験させていただき、会社組織や他職種について学べたので、クライアント理解に役立っている気がします。
趣旨が違いますが、様々な業種や職種の友人がいるほうが、外部から見てデータ分析がどのように見えているのか、実装してほしい機能はどういうものなのか具体的に聞けて良いです。

5年目・Iさん

強いて言うとコミュニケーション力を鍛えておきたかったと思います。相手が本当に求めているものはなにか、言葉の裏にはどんな背景が隠れているのか、そういった本質を見抜く力や、相手に物事を伝える力などを鍛えておきたかったかもしれないです。

7年目・Kさん

私自身は学業を仕事に活かすことは考えていなかったので学んでおけばよかったと思うことは基本的にはないかな.…..と思います。逆にやっておいてよかったと思ったのは、研究所の催し物の運営などでしょうか。ある程度の失敗が許される場でプロジェクト管理のようなことをできたのは、会社に入ってからいきなりやるよりは良かったです。

5年目・Bさん

インターンの経験があってよかったと答えている社員、特になかったと答えている社員など回答を見てみると様々なようです。個々人がどのようなスキルを重視しているかにも依るかもしれません。
総括すると、「やっておいてよかった」「経験できたらよかったかも」と思うことは多いですが、「やってなかったので大きく後悔している」ことはなさそうですね。どのような経験でも比較的今の仕事に活かしているのかもしれません。

5.クライアントワークで活躍する上で、学生時代の専攻や最終学歴の重要度についてどう思いますか?

クライアントに価値を提供できるかが基準になるので、学歴は重視されないと思います。

5年目・Iさん

学歴は重視されませんが、技術専門職なので技術力は当然求められます。なので、データサイエンス関連が専門の方はお客様への価値提供に貢献しやすいと思います。とはいえ、専門がデータサイエンス関連でないと貢献できない訳ではありません。入社後のキャッチアップ次第だと思います。

7年目・Kさん

コンピューターサイエンス系の内容は学ぶことが膨大なのでゼロから仕事の傍ら学び直すのもなかなかつらいと思います(自分がそうだったので...)
もともと素地があったり専門で勉強していた人は、その分仕事で結果を出すのが早く、その分多くのチャンスや機会を得るというのは事実だと思うので、どの程度重要かと言われると、めちゃくちゃ重要だとは思います

その他社員

クライアントワークで活躍するために必要なスキルの中には適応力やキャッチアップ力などのソフトスキルも含まれるので、学歴や専門はクリティカルではないと思います。データサイエンス系の知識があるに越したことはないですが。また、業界も多岐に渡るので「この分野が有利」ということは殆どないと思います。

5年目・Bさん

学歴や専攻による制限はございませんし、様々なバックグラウンドを持つ社員がいます。専門がデータサイエンスでないと貢献できないというわけではありませんが、データサイエンス系のスキルは間違いなく必要になるので、シンプルに「やっておけば役に立つ」分野です。

6.顧客対応やプロジェクト管理をせず、データ分析だけを行うことは可能ですか?

難しいと思います。。専門職の極みともいえる大学の先生でもそういった仕事は必要と伺いますし......

5年目・Bさん

現状は無理と思いますし、今後もあまりそういったポジションを作る様子はなさそうに思います。

その他社員

どんなに専門性の高いことをしても、顧客ビシネスに貢献しなければ、顧客の払う対価に見合わないので。この点は、学術研究畑からビジネス畑に移ったときに一番ギャップを感じたことで、「新規性に投資をしているか、実益に投資をしているか」という目的に違いがあります。民間でも前者に資産投資するケースはあるものの、ブレインパッドでは重心は後者ですね。

その他社員

一言でいえば難しそうです。まずクライアントワークであること、また組織の一員である時点で、そういった仕事は必要になると考えてよいと思います。

7.研究で長く使っているstataのスキルを活かせたり、パネルデータの分析を行ったりする機会はありますか? / 単眼深度推定の研究をしてるのですが活かすことはできますか?

(経済学系の分野でstataを使用していたという質問について)経済学の研究と全く同じ分析を行う機会はほぼないと思います。またstataは私も使っていましたが、ブレインパッドで使うことはないと思います。ただ、直接活かすことはなくても計量経済学の知識は機械学習を学ぶ上で役に立っています。

3年目・Kさん

stataを直接利用する機会はほぼないかと思います。また、いわゆるパネル分析のようなアプローチで分析を進めるような機会もあまり無いのが実態ですが、マーケティングのデータなどは購買毎の顧客行動×時系列で保持されていることが多く、扱うデータの形式はパネル分析で用いる形式と近しいものがそれなりにあります

その他社員

いずれも、入社後全く同じ技術を使うかと問われると、残念ながら現段階では「No」というのがご回答になりそうです。他の質問へのご回答と若干似ているかもしれませんが、学生時代のスキルがそっくりそのまま活きることは少なくても、何らかの形で活きてくることに疑いの余地はありません。

8.男女問わず、高専出身のDSの人数は?

人事調べによりますと、DSでは在籍者だと新卒・キャリア合わせて3名、また近しい職種として機械学習エンジニア(MLE)では2名が在籍しております。

高専から大学・大学院を経て入社という社員が多いですが、高専卒業後にすぐ入社という社員もおりました。

9.「仕事ができる」という基準について、単に機械学習や深層学習の高い技術を持っているだけでは高く評価されず、顧客対応なども重要なのでしょうか?

評価の詳細は我々もわからない部分があるので憶測ですが、少なくとも機械学習や深層学習の高いスキルだけでは評価されません。チームで働く力、本質を見極める力、物事を前に進める力など、クライアントワークに関わらず仕事をする上で必要な力も評価されているのではないでしょうか。

5年目・Bさん

> 単に機械学習や深層学習の高い技術スキルを持っているだけでは高く評価されないのでしょうか
はい。それだけだと高い評価は難しいと思います(技術スキルが評価されないというわけでは決してないです)。顧客への価値提供がなければ、どれだけ高度なスキルをもっていてもブレインパッドのミッションは達成されません。複合的なスキルや結果が評価されます。

7年目・Kさん

あくまで「ブレインパッドのDSだと」という前提ですが、DSとして高く評価されるにはソフトスキルも同程度重要です。むしろ習得の方法が明確でない分、このようなスキルを有する人材は貴重といえるかもしれませんね。

 10.御社のDSは案件で画像、音声、動画などの非構造化データを分析する機会は多いですか?

プロジェクトの割合で言えばかなり低いです。音声や動画は基本的になかったのではないでしょうか。

5年目・Bさん

画像や動画は機械学習エンジニアが担当することが多くなってきてますかね?DS枠だとほとんどないのかも・・・?

7年目・Kさん

DSの場合は機会はかなり少ないと考えていただいてよさそうです。

11.ブレインパッドのDSは特定分野のデータ活用に強いスペシャリストですか、それともデータ活用なら何でもやるジェネラリストのイメージの方が近いですか?

担当になったプロジェクトの業界に合わせて特定分野に強くなる必要がありつつ、プロジェクトが変われば様々な業界を経験するので後者のイメージもあります。
プロジェクトによっては基礎集計が多いものや、逆に非常に高度な分析技術が必要になることもあり、とにかくどんな状況にも適応できる人になる必要がありそうです。

5年目・Bさん

「案件による」というのがご回答になりそうですが、少なくとも一つの技術だけに特化してずっと活躍するという例はあまり多くはないかもしれません。

12.自社ではなくお客さま先のオフィスに常駐して働く案件は平均して全体の何割くらいありますか?

(データサイエンティストが所属する部署の部長に尋ねました)
2022年6月時点では、先方の物理的オフィスへの出社が必要となる案件にアサインされているメンバーの割合が6.5%です。これに加えて、本来物理的な常駐が求められるが、リモート業務が可となっている案件にアサインされているメンバーの割合は50.9%とのことでした。

リモートワーク状況下の現在、基本的にはいずれの形態でも在宅勤務の社員が多いと思います。しかし情勢が落ち着けば、物理的な常駐スタイルに戻るお客様先も多少増えてくるかもしれません。かく言う私自身、これまですべて基本的には常駐の案件にアサインされており、自社オフィスで案件業務を行ったことがほとんどありません。常駐というスタイルについては、記事の最後にご紹介する「白金鉱業.FM」の常駐回がご参考になるかと思います!

13.DSの新卒採用では女性の採用を一定数確保するための女性枠のようなものはありますか?

ございません!

14.DSとして働いていても仕事を通じてシステム開発などのエンジニア寄りの業務経験を積むこともできますか?

希望を伝えて配慮してもらえることもあります。ちなみに私はDSから機械学習エンジニアになりました。

7年目・Kさん

エンジニア色の強い案件を希望することはできますが、実際のシステム開発とは異なると思います。機械学習エンジニアへの配置転換の例はあります。

5年目・Bさん

本人の希望によっては可能で、実例もございます。

15.実際の日々の業務はデータの分析・解析よりもSQLによるデータの抽出・加工・集計などに多くの時間を使うイメージで合っていますか?

分析に使う言語や手法はプロジェクトとその環境によります。
「データの分析・解析」がモデリングを指しているのであれば、確かにその前処理段階である抽出、加工等が多いイメージかもしれません。
ただSQL=基礎集計とも限らず、Python,Rで前処理もしますし、逆にモデリングの実装が必要でも環境の問題でPythonやRが使えないので、工夫してどうにかSQLだけで実装するようなこともあります。

5年目・Bさん

クライアントが何に価値を求めているか次第で何に時間を使用するかは変わります。そのため分析<集計になることもあります。

5年目・Iさん

案件によります。

7年目・Kさん

「案件やその環境などの状況による」というのがご回答になりそうです。ちなみにデータが揃う前の段階でのお仕事も多いですし、ブレインパッドにそのような役割を期待してくださるクライアント企業様もいらっしゃいます。

16.学生時代に機械学習や深層学習、人工知能系の経験が浅い/ない人は、入社後どのくらいの期間で高度な機械学習のデータ分析や実務で通用するプログラミングができるようになりますか。
またどのくらいの期間でそうした未経験の人が経験豊富な同期や同僚に技術的なスキルの面で追いつけるようになりますか。

(人によると思う&高度な機械学習が何を指しているのかわからないので何とも言えないですが)今はライブラリが充実しているので、モデルの実装だけなら数ヶ月でできるのではないでしょうか。ただ、モデルや評価方法の分析設計を含めるともう少し(数年?)かかると思います。

7年目・Kさん

3-4ヶ月OJTをすれば実務で使うデータ分析タスクはできるようになります(たとえばLightGBMで分類タスクとか)。難しいことができるかどうかよりも、まずは目的に沿った分析ができるようになること(分析設計)のほうが最初は難しかったです。
また、同期にスキル的に追いつくという点については、同期も常に成長するのでなんとも言えません。

5年目・Bさん

習得する・追いつくという観点と、それが業務でどこまで必要とされるかはまた別の問題になってきそうです。また、モデリング自体よりもビジネスにおける分析の設計に修行が必要だったりもします。

17.様々な業種の顧客企業に寄り添ったデータ活用支援をするためには、DSにとってもビジネスや企業経営全般に関する専門知識(営業,マーケティングのみならず経営分析に必要な会計,財務などビジネススクールで学べるような知識)は必要だと感じますか?

必要かどうかで言えば必要はありません。ただ、興味があって勉強してみたいのであればぜひ学ぶことをおすすめします。基本的に、どんな知識もあって損はないです。
逆に、無理に学ぶ必要もなくて、仕事で必要になったときに身につけるというので十分です(たとえばマーケティング系の案件の担当になれば、自ずと勉強することになります)。

5年目・Bさん

新卒の時点でそこまでの領域は必要ないです。またクライアントによって立場や関係部署が異なるので、配置された環境に合わせて追加で必要なら学ぶのがいいと思います。
とはいえ知っていることで視座高く仕事ができるので学んだほうがもちろんいいと思います。

5年目・Iさん

あれば個性、強みにはなると思います。

2年目・Yさん

例として挙げていただいた知識がないと仕事ができないということはありませんが、どのような知識でも持っていると強みにはなるというのが共通認識ですね。

18.入社後に社会人として現実のビジネスに携わってみて気付いた、DSの仕事の大変さやギャップについて教えてください

「頭いい(機械学習)モデルが現実で使用できるモデル」というわけではないことです。

5年目・Iさん

基礎数学の重要性を痛感しました。また、想像より勉強することが多くあり、こんなに継続してインプットする必要があるとは思ってませんでした。

7年目・Kさん

様々なバックグラウンドの社員がいるので、十人十色の回答がありあそうです。この話題だけでも記事が一本書けるくらいかもしれませんね……。

19.もし技術スキル不足で仕事についていけなくなったり案件への貢献度が低いと評価されたりすると、ビジネス職などに配置転換されることはありますか?

スキル不足で案件に貢献できないとなれば、別の適した案件に変わることはあるかもしれません。ただ、ビジネス職はDS職として採用された人間がすぐにできる仕事ではなく採用基準も異なりますので、そのような配置転換はありません(もちろん希望すれば通るかもしれません)

5年目・Bさん

技術不足は学んでいけばいいと思いますし、ビジネス職が誰でもできるわけではないので、強制的な配置転換はないと思います。

5年目・Iさん

強制の配置転換はありません。

7年目・Kさん

技術スキルの不足については、まずは学んでいけばよいというスタンスです。また、DSからビジネスへの強制的な配置転換というのは二つの意味で起こり得ません。求められるスキルが異なるという理由と、強制的な配置転換はないという理由になるかと思います。

20.貴社のDSには画像・音声処理の専門家はたくさんおられますか?

画像の案件をよく任されている方は何人かいます。音声は案件として取り扱っていないのですが、学生時代に専門にしていた人ならいます。

5年目・Bさん

学生時代に画像を専門にしていた方や、中途入社で前職で画像処理をしていた方などがいますが、割合的には多くはないです。

7年目・Kさん

専門家=その種類の案件だけを担当する、という意味であれば「ほとんどいません」がご回答になりそうです。詳しい人、という意味でしたらそういう人はいますが、多くはなさそうですね。

21.一年以上の産休育休を取ってもキャリアは大丈夫なのでしょうか。専門知識をかなり忘れそうで、復帰後に仕事にすぐ貢献できないイメージがあります。

私は今年の4月に育休から復職しました。(育休期間は1年ちょっとです)
>1年以上産休育休とってキャリアは大丈夫なのか
何をもって「大丈夫」とするかによりますが、、、休んでいる間はもちろん昇給などはありません。復職後、新しい仕事の機会や役割などの環境面は大きく変わっていません。個人的には、独身時代と比べて取捨選択が重要になってくると思っています。あれもこれもやりたい、が通っていた独身時代とは変わり、時間も大幅に減るため、キャリアをしっかり選択していく必要があるのではないかと感じています。

>復帰後すぐに貢献できないイメージ、周りと差がつくイメージ
休んでいる分、もちろん周囲と差はつくと思います。復帰後に貢献できるかは、パートナーを頼ったりお金で解決したりしながら時間を捻出して、キャッチアップしていくしかないのでは?と思っています。

> 現実的には出産後に共働きで子育てと両立しながら、最新技術の勉強をしたりプロジェクトリーダーなどの責任ある仕事をするのは、独身の人などと比べると仕事にかけられる時間が少なくなる分、難しくはないでしょうか。
多くの時間をかけたからと言って責任ある仕事ができるとは限らないと思っています。どれだけ効率的に業務を遂行するか、が独身時代より更に重要になってくると感じています。(これは女性だからという訳ではなく、子供が生まれると男性も独身時代と同じ働き方はできなくなる、と夫は言っています)

7年目・Kさん

実際に育児休暇から復帰したての社員のリアルな声が届きました。DS女性社員の人数が少ないので貴重な声です!

22.新卒DSの人で入社後特に活躍している人には、どんな共通した特徴やバックグラウンドなどがあると感じますか?

アウトプットが多い人かなと思います。

5年目・Bさん

・ずっと何かを学んでいる
・(根拠があるかどうかは問わず)自分に自信がある
・好奇心が大きい(人の話を聞くし、すぐにやる)
・リーダーシップがある(自分がこれだと思うものを勝手にグイグイやっていく)
・人に乗っかる(フットワークが軽い)
・なんだかんだ物腰が柔らかい

その他社員

インプット/アウトプットを自主的、継続的に行っている
周りを巻き込み、物事をドライブするパワーを持っている

7年目・Kさん

まとめると「人を巻き込んで積極的にインプット・アウトプットを行う人」ということかと思います。

23.DS職であっても、大企業顧客向けに働くならコミュニケーション能力やリーダーシップ、ファシリテーションなどのソフトスキルも重要になってきますか

他の職でも社会人としては重要な能力だと思います。

5年目・Bさん

重要だと思います。大企業顧客に限らずクライアントに価値を出すために必要な要素だと思うので、クラアントが中小企業だとしても必要なスキルです。

5年目・Iさん

大企業顧客でなくても重要です。

7年目・Kさん

当然、非常に重要だと思います。どれだけ技術力があっても、それを適切にお客様に伝える力がなければ価値は生まれないと自分は考えています。一方的に結果を見せるのではなく、対話を通して双方の認識をすり合わせる場面が非常に多いです。

2年目・Yさん

満場一致で、「クライアント企業の規模・職種に限らず重要」とのことでした。分かりやすいハードスキルと異なり習得方法が明確ではないものなので、身に着けるのも一筋縄ではいかないですね。

24.エンジニア系の仕事では、多くの人はプロジェクトマネージャーのような管理系の職種に移っていくとよく聞きます。
最新のAI分野の専門性については若い理系情報系の新卒の方が既に働いているDSよりも高い場合がよくあったりするので、やはりDSも経験を積むにつれて、データ処理・予測モデル構築→PMに役割が移っていく方が多いですか?

弊社について言えば、PMに役割が移るのはたしかに多いです。プロジェクトを進めるにはPMという役割が必須で、ある程度の人数が必要です。技術に追いつけなくなるからPMになるのではないと思っています。
PMの技術キャッチアップについては、PMでも自分で手を動かすことももちろんありますし、ある程度の技術を追う必要もあります。
一方で、時間には限りがあるので、研究者のように最新技術を常に追いかけるのは難しくなると思いますし、最新よりも業務に使える技術が必要になるのでそちらに重きを置きがちになると思います。組織の中でうまく役割分担をしている感じでしょうか。

5年目・Bさん

弊社の場合、メンバーからPMにうつっていくことは多いです。

7年目・Kさん

PMに役割が移ることは多いですが、もちろんPMでもゴリゴリ手を動かしてデータ処理・予測モデル構築、それ以外の分析各種を行う案件もございます。この質問に限らず、今回は「ブレインパッドのDS」に特化したご回答です。他社さんのDSや、弊社でも別の職種だと異なる可能性はございますのでご承知おきください!

25.仕事で出張の機会はどのくらいありますか?

プロジェクトによっては遠方へ出張することもあるようです。私は学会参加や大学でのトークで出張したことがある程度です。

5年目・Bさん

私は経験ないです。

5年目・Iさん, 3年目・Sさん

入社7年目ですが、数える程度です。

7年目・Kさん

こちらも「人による」がご回答になりそうですが、基本的にはほとんど出張はないと思っていただいてよさそうです。


おわりに

現場社員の声というだけあって、かなりリアルな回答が集まったのではないかと思っております。皆様の「データサイエンティスト像」を少しでもクリアにするお手伝いができていたら幸いです。
我々を取り巻く社会は目まぐるしく変わっていきますので、ブレインパッド自体も本質は変わらずとも時代の潮流に合わせながら日々姿を変えております。ここに記した回答はもしかすると2~3年後には変容しているかもしれませんので、あくまで現時点での内容という旨もお含みおきください。

さらにDSについて知っていただくために

最後に、ここに記載した以外で弊社のデータサイエンティストをより知っていただけるコンテンツ「白金鉱業.FM」をご紹介させてください。
文中でもご紹介しましたが、ブレインパッドのデータサイエンティスト社員が情報発信を行っているポッドキャスト番組です。その中でも個人的なおススメを何編かピックアップして、本記事を終えたいと思います。


  • 本企画のオマージュ元です。ツイッターで募集した質問にライブ配信で答える企画が行われ、そちらを音声版に加工したものになります! 全編後編に分かれており、社員がかなり本音&本気でお答えしております。


  • 今回、「DSの仕事や評価において、機械学習やプログラミングスキル以外にも必要な要素はあるのか」という趣旨のご質問をいくつか頂いておりますが、その答えにもなってくるのではないかという2編です。「分析案件のPMがどのような仕事なのか」という話題を通して、なぜ弊社のデータサイエンティストにとってプログラミングや機械学習以外のスキルが必要なのかがお分かりいただけるかと思います。個人的にも仕事をする上でたいへん参考にしている回です。


  • 常駐について気になる方にはこちらをおススメいたします。収録時とは世間の情勢が異なりますので、とくに業務形態(勤務場所)については大きく異なることをご留意ください。



ブレインパッドが気になった!あるいは働いてみたい!という方がおられましたら、ぜひ下記リンクを覗いていただけますと幸いです。

改めまして、質問をお寄せいただいた方、ここまでお読みいただいた方、誠にありがとうございました!


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