新緑と絵と
ウグイスがケキョケキョと少しかすれた声で鳴いている。若葉は初めの頃の柔らかさをなくし、色濃く力強くなってきた。八重桜のピンクと合わさって、森は内側から膨らむようだ。幸せな気持ちになる。
ここのところ作品を仕上げることに集中していて、やっと完成…と言えるところまできた。
久しぶりだ。ここ数年、移住や子育て、病などで、中々絵に集中することができなかった。スケッチはしていたけど、それをある程度納得のできる「作品」として仕上げるには、集中力や根気、エネルギーがいる。
やっとこんなことができるようになったんだなぁ、と感慨深いついでに、来年の春くらいに「個展」をやろうと決めた。私の場合、締め切りがないとたぶん描かない、というか仕上げない。
目標があると人はやっぱり動くようで、最近の調子はいい。静かにわくわくしている。日常で多少困難なことがあっても、「まあ、いっか」「そんなことより、次、何描こう?」と思える。
ここ一か月ほど、身内の問題に首を突っ込んでしまって、以前の私ならきっとボロボロになっていただろうけど、今回はあまりダメージがない。
警察や専門家に相談するレベルの案件で、私以外に事態を動かせそうな人がおらず、私の人生にも影響があったし、何より巻き込まれて困っている人がいたので放っておけなかった。
人を助けるのは、とても難しい。
エゴになってはいけないし、相手も尊重しなければならないし、関わる人が多ければ問題は複雑化する。
本人とも周りの家族とも話をし、情報を提供し、気にかけてきた。
でも、どうやら私の見ている景色と、彼女(本人)の見ている景色は違うらしい。
傍から見るとまだ問題だらけなのに、本人に言わせると「もう大丈夫!」となる(彼女のマインドが変わったということみたい)。
ちなみに彼女は同じ状態を10年近く続けており、いつも誰かの助けがないと肝心な行動を起こせていない(たぶん気づいてないけど)。
私は彼女に、変わって、幸せになってほしかった(もちろんならないとは言い切れない)。
でもやっぱり、余計なお世話なんだよな。
彼女が傷つけば同じように傷つく人がいるということだけは、もう一度ちゃんと伝えたいと思う。
自分の人生の責任は、自分でとるしかない。
私も私の人生に集中しよう。
「そんなことより、次、何描こう?」
©︎綿草ひろこ
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