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【プレビュー】vs 湘南ベルマーレ 湘南スタイルの荒波を乗り越え、もっとダイレクトに、ソリッドに。【FC町田ゼルビア2024年第13節 挑戦J1】

こんにちわこんばんはひだりです。写真はめぼしいものがなかったため、ベルマーレ公式サイトのものお借りしました。

向かい来る荒波を越えて、ここからもっと波に乗りたいゼルビアに自分の今を重ねつつ、強い気持ちでやっていこうと思います。
アウェイ湘南ベルマーレ戦のプレビューです。
よろしくお願いします。

湘南ベルマーレの現状

湘南ベルマーレを率いるのは山口智監督。2021年、ガンバ大阪ヘッドコーチからの移籍で湘南トップチームコーチ就任、前任・浮嶋敏監督の退任に伴い同年9月から監督を務め、就任から約2.5シーズン目ほどでスタートした今季です。

選手(IN・OUT・一覧)

https://www.footballchannel.jp/shonanbellmare-transfer-2024/ より引用

昨年、日本代表・町野修斗海外移籍後の穴を埋め前線の核としてブレイクしたFW大橋祐紀が今季広島に移籍。
曹貴裁監督時代以来(あるいはその前の反町監督かもっと前から)の伝統であるチームで走るスタイルをベースとしつつも決定力の部分で核となる選手が安定しない状況が続く中、福岡からFWルキアン、磐田から鈴木雄斗を獲得。課題解決にチャレンジしつつも今度は失点が増え攻守のバランスが課題に……という中での現在17位。J2降格ラインとの瀬戸際にいます。

https://soccer.yahoo.co.jp/jleague/category/j1/teams/130/players?gk=2 より引用

栃木から復帰の根本とかディサロもいるんですね。町田的にやや苦手な印象な方々。

基本フォーメーション:3142 または 442

湘南ベルマーレの基本フォーメーションは3142。3バック、アンカー1枚、2ウィングバックに2IH&2トップ。

1アンカー+2IH&2トップで構成される五角形が攻撃でギャップを作り、守備でボールホルダーを苛烈に押しつぶす中心軸となる。
2人のウィングバックが五角形の攻守の脇を支え、守備では最終ラインの3バックに入り5バックを構成する。

湘南の特徴的なパスルート

アンカーから縦のボール
3142のアンカー位置からは前に42がいるのでボールの当て所が多い。ウィングバックを経由すれば幅を使えて、IH・FWを使えば縦2層の段差を使った攻撃ができるし、FWもIHも2枚なのでボールに関わらない3人目の動きを活かして敵陣スペースを突く中央突破も仕掛けやすい。

アンカーはパスを出したらすぐランニング。機を見てワンツーでペナルティエリアに侵入する。この動きをなるべく敵陣中央で仕掛けていく、というのが湘南の基本的な攻め方。

3CBの左右CBから敵陣サイド裏へのロングフィード
相手が中央中締めを強化して対応してきた際は左右CBからワイドに開いたWBや 左右IHに当てるロングフィード。

攻撃:WBと前の人数を活かした厚みのある攻撃

幅を使って連携、湧いて前に出る選手で攻撃に厚みを出す
幅で揺動させておいた中央に阿部浩之。前に出たり、下がってみたりと相手に絞らせない動きがニクい。

ゴール前には4人ほど人数かけてアタックする(サイド+中3人+流れ弾への逆サイドの備え)ゴール前の厚みを約束事として定めるゴール前での動きはどこか広島のやり方にもかぶる。

守備:激しいネガティヴトランジション対応〜WB下がり532または541

湘南の守備は、まずボールを失った直後、ネガティヴトランジションで集団で激しい寄せ、圧力が非常に激しい。

前目に人数が多い分、奪われた直後のボール周辺も人数が多い。ネガトラから即プレス、奪って即ポジトラ発動されると、相手はポジトラ中断局面、湘南の前目も人数が残っているため、危険な攻撃となりやすい。

撤退守備ではWBが最終ラインに戻り5バックで対応。ボールホルダーに近い選手がプレスをかけていく流れで442的な振る舞いで守りを固めるシーンもちらほら。

アンカーとWB+中央での決め切り

アンカーの高めの位置取りでのゲームコントロールと、WBの攻守ハードワークが湘南のゲーム支配のポイント。

同時にボール保持時に前線中盤が勇気を持ってゴール前のスペース・相手最終ライン裏へスプリントで侵入する部分が大事。

セットプレー守備はゾーン対応ながらやや脆さあり

セットプレー守備はゾーンでの対応。
ただし、湘南の失点パターンとしてセットプレーは最多の8失点(全失点の33.3%)。湘南のウィークと言える。

https://www.football-lab.jp/shon より引用

ボールに向かう意識が強く、意表を突いた変化や遠目からのアタックにボールウォッチャーになりやすい、うまくいかない時の町田にもたまに見られるものとも似た守備性質を感じる。

注目選手

田中聡

初速の速いスプリントでボール奪取能力+積極的なミドルシュートと縦への侵入に特徴のあるボランチ。2022-2023シーズンにかけてはベルギー1部コルトレイクに期限付き移籍した元海外組でもある。

U23アジアカップ日本代表メンバーながら出場1試合にとどまり、パリ五輪に向けては明確なアピールをしていきたい立場。同じくU23代表戦士である藤尾・平河を相手に自分の実力を打ち出したいところ。

福田翔生

J3・YSCCでの活躍を認められ、2023年8月湘南へJ2越えてJ1へのステップアップ。
YSCCでは現在秋田への期限付き移籍で頑張っている佐藤大樹と2トップを張り、ゴール前の相手の隙を逃さず高い決定力を発揮していた選手なので、ゼルビアサポの中にも印象に残っている人は多そう。

裏抜けや瞬間のスペースを突く動き、クロスへの合わせとプレイのキレで勝負するオールラウンド系FWで、今季4ゴールは現在チーム内得点王、ここ3戦連続得点中。

阿部浩之

タイトル請負人の名を欲しいままとする名手。いまベルマーレにいるんですね。しかも直近、鳥栖戦もキレキレでゴールしてて、、まだキレキレなのかよ。

FWの位置で持ち前の技術を活かしたフィニッシュ力はもちろん、下がって中盤のボール循環にも関与できるサッカーIQが服来て歩いてるような良い選手。

ルキアン

町田にとっては2019年磐田J2優勝昇格の時期での対戦が印象深い外国人FW。

今季もリーグ戦11試合に出場3得点でチーム内得点ランク2位タイの主力中の主力。

磐田時代から自分での得点プラス周りを活かす動きができる選手だったので、ベルマーレの前線で時間を作り、湧き出る中盤前線を活かし活かされる関係を作る役割も想像しやすい。


前節の鳥栖戦で結果が出た&町田のCB+SB間守備に一部難が見られる場合があることから、おそらく主戦の3142で臨んで来そう。
試合途中、時間帯・状況見て442で町田とミラーにして膠着作るような使い分けも当然あり得る。

献身的な走りと激しいディフェンスのイメージの強さからか守備固そうというイメージあるものの、現在J1最多失点チームです。

https://www.jleague.jp/sp/standings/j1 より引用

得点は町田より1点少ないながらリーグ6位タイ。

https://www.jleague.jp/sp/standings/j1 より引用

こうした結果の数字を見ても、いまの湘南は中央の強度・圧力を活かしたカウンターベースの攻撃型チームと言えそうです。

https://www.football-lab.jp/shon/style より

この辺の攻撃力については黒田さんも警戒した上で守備の引き締めを図っているなんてインタビューも出ています。

FC町田ゼルビアの対策

ロングボールによる前プレ回避とかけひき

前プレ激しく来るのでシンプルな回避を第一選択。ロングボールからのセカンドボール回収を初手に、なるべく敵陣高めからプレイをスタートさせたい。

その上で逆に最終ラインでボール保持しておけば、湘南の前プレは誘い込める。
最終ラインでボールを持ってプレスに来させたところGKに下げてロングフィードなどかませることで、湘南前線の無駄走りを増やせる。

取れると思わせて蹴る、蹴ると思わせて蹴らない。焦れずにかけひきを繰り返し前線の強度減を図る。

縦の裏を突くダイレクトアタック

カウンター攻撃もやFKなどセットプレーも、なるべく手数をかけず直接的にゴールへアタックしたい。

鋭い攻めを狙うことで、湘南の守備の矢印を後ろ向きにさせて、強みであるミドル-ハイプレスをさせない。

ポジトラ-カウンターでの早い攻め

湘南が基本の3142で来た場合、湘南は前目に人が多い分、ボールが町田に渡ったポジティブトランジションの瞬間は

  • アンカー1の両脇

  • 攻め上がったWBの裏

  • 1アンカー - 3CB間のスペース

  • 3CBの裏

と使える可能性のあるスペースは多い。

ボール奪ってカウンター発動して早いタイミングで、上記のような空きスペースでボールを受けられると、一気にチャンスが広がる。

セットプレー

最終ラインとGKの間に落とすボールが効果的。中央〜ファー奥でのフィニッシュは、鳥栖も執拗に繰り返し狙っていた。

セットプレーでの失点が多いチームなので、CK・FK・ロングスローそれぞれ隙を狙っていきたい。

ミドルシュートとこぼれ球の押し込み

湘南はゴールエリア人数かけてゾーンで構える守備。引くところしっかり引いてくると思われるので、遠目からや頭上・隙間を突くミドルシュートは狙っていきたい。

遠目からのシュートを手前で跳ね返されないためにも、前衛は十分に湘南守備陣を引き付け押し込み、跳ね返りのボールにしっかり詰めたい。

442での膠着戦を狙ってきた場合

攻撃的な3142ではなく442での膠着したゲーム展開で試合に臨んでくる可能性もある。

この場合は優位ポジションは存在しなくなるため、シンプルに球際で負けない、走り勝つ、コンパクトな守備でスペースを消す、対峙する相手に自由にやらせない、個の優位性を発揮するといった当たり前な部分での戦いになる。

442でも縦関係の入れ替わりでギャップを作る攻撃は湘南の得意なやり方なので、相手の動きに惑わされすぎず、危険なスペースをしっかり消し続けることが重要になる。
いつも通りの町田らしさで粘り強く対応してやりあって局面勝利を糸口に試合を勝ち切りたい。

まとめ

ちょこちょこ観ていて、湘南のサッカー面白いなーと思いました。札幌と広島の戦い方の中間というか、あんまない独特の形、かつ湘南のイメージ通りでもあって、すごく魅力的。

チーム全体でコレクティブに戦う、縦に分厚く攻めるために幅を活用する、みたいな、全員で走ってボールを相手ゴールに繋いでいく考え方がしっかり戦術として落とし込まれていて、とても気持ちの良いサッカーです。

強度とハードワークがウリな部分は近いタイプながら、リスク管理を重視する町田とはだいぶ異なるスタイル。

ともするとオープンな展開の試合になりがちな相手でもあるため、まずは集中したやらせない対応で、町田にとって望ましい良い膠着を作ってからセットプレーもフックにチャンスを作っていきたいところです。

今日は金曜日、今週ももうちょっとです。
強い気持ちで1日乗り切って、明日の試合に向かっていきましょう。
今週末も楽しみましょう。共闘🔥

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