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日本交通、harmoおくすり手帳の活用を開始

harmo株式会社が展開している電子おくすり手帳サービス「harmoおくすり手帳」は、日本交通株式会社と健康起因事故を予防する取り組みを開始します。この取り組みは、運転を職業とされる方が、病気や薬と正しく付き合う仕組みを作ることを目指しています。

今回の取り組みでは、harmoおくすり手帳アプリを導入した日本交通株式会社の乗務員の方・事業者双方へ、薬や疾患による健康起因事故を防ぐためのサービスを提供します。

日本交通株式会社の徳山様と、harmo株式会社の山東に、今回の取り組みに向けた期待の声を伺いました。

■日本交通株式会社 板橋営業所 所長 徳山 正敏様

タクシー業界は、お客様の生命を預かり、車を使って移動する仕事になります。もちろんお客様の生命を守る以上は、まず乗務員の健康管理に対して会社として注力しています。私は現在、日本交通グループの「健康管理プロジェクト」のリーダーを担当しています。
 
今回の取り組みで期待することは、乗務員の健康管理を効果的に見える化させることです。
現状、乗務員の中には薬を飲んでいる人もいます。様々な病気が存在する中で、様々な薬が処方されていますが、健康な状態を維持し安全な運行を実現していくためにも正しく服用されることが大切です。
また、処方された薬の飲み忘れが起きてしまうケースや、飲んでいる薬を確認したいときに何の薬かわからず、家に帰って紙のお薬手帳が見ればわかるのに、といったロスが度々起きています。
 
今回harmoおくすり手帳を導入することで、今飲んでいる薬はどういう薬なのか、飲み忘れがないように服薬時にアプリにチェックをする、などといったことが簡単にできるようになります。
 
結果的にharmo側が出してくれる、社員が飲んでいる薬のデータ(匿名性を保持)を見ることで、会社全体でどういう薬を飲んでいる傾向が高いかを知ることができます。
それによって、私たちは社員の健康を維持するためにはどのような健康運動を促進したらよいかを考えることができます。例えば、血糖値下げるにはどうしたらいい、体重が増えたらどういう運動を導入したらいいなど、啓発することが可能になるなど、もっと効果的に健康管理をデータで“見える化“していきたい気持ちがあり、今回のお話を受けたという経緯があります。

会社としては、少しでも乗務員の健康管理に役立てるものであれば積極的に利用していきたい、そういう気持ちですね。


■harmo株式会社 代表取締役 Co-CEO 兼 事業開発本部 本部長 山東 崇紀

今回の取り組みの背景は、下記の3つの課題を解決するために、運転を職業とされる方(以下:ドライバー)が病気や薬と正しく付き合うための仕組みを築き、健康起因事故の予防と持続可能な社会を実現したいというのが狙いです。

取り組みの背景
1.高齢化に伴う慢性疾患増加
高齢者の慢性疾患患者数が増加しており、社会全体の健康課題となっています。

2.ドライバーの高齢化と運輸業界環境の変化
運輸業界ではドライバーの高齢化が進み、全体の平均年齢が+5歳程度高い状況があります。また、物流2024年問題においては、運輸の需要が増加する半面、ドライバー不足の課題が浮き彫りになっています。

3.運輸業界政策の変化
DXによる生産性向上や、労働力不足の解消、運転者の健康管理への取り組みが運輸業界の中で求められています。

運輸業界において、私達ヘルスケア企業が何かできないか?と考えるきっかけになったのが、2022 年 8 月に行った「ドライバーの薬剤服用と運転事故リスクの関係性調査」の調査でした。その調査結果によると、薬剤を服用しているドライバーの約26.0%が直近6カ月以内に運転時にヒヤリハットを経験しており、週5日以上運転するドライバーではその割合が30.7%に上ります。特に睡眠鎮静薬を服用するドライバーでは40.4%がヒヤリハットを経験していることが明らかになりました。

調査詳細:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000051375.html

この調査結果は、例えば「睡眠薬を服用されている方にとって、運転をすべきではない」という事ではありません。「睡眠薬は正しい時間に、正しい量を飲まないと、運転事故につながるリスクがある」とドライバーさんに知っていただくことが、とても重要だと感じています。

医療の世界には、「病識」「薬識」という言葉があります。自分の病気、自分の薬の事をどれだけ理解し、受け止めているか?を示す言葉です。なかなか、医療の世界は難しいと感じられてしまう事が多いのですが、 私たちは医療・ヘルスケアに根差した企業として、病気をかかえるドライバーの皆さんが、自分の病気や薬と正しく付き合える事を支援したい。その結果、健康起因事故の抑止や病気によるパフォーマンスの低下を防止する事ができるのではないかと考えています。

今回の日本交通様との取り組みを通して、乗務員の皆さまにharmoおくすり手帳を導入していただき、薬の正しい使い方などの情報を発信することによって、安全な運転環境を維持するための仕組みを築き、健康起因事故の予防と持続可能な社会を実現したいと思っています。


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