全然堂歳時記 夏 【蟻】
白蟻は家に黒蟻は炎天下 ハードエッジ
黙殺の蟻の過ぎ行く蝉の穴 ハードエッジ
蟻の巣のてつぺんにある穴ひとつ ハードエッジ
日の差さぬ蟻の巣に住み黒づくめ ハードエッジ
付け替へて今朝あたらしき蟻の道 ハードエッジ
蟻の列鞭の如くに飴に伸ぶ ハードエッジ
遠くまで死を嗅ぎ当てて蟻の列 ハードエッジ
数に物言はせて蟻の攀ぢ登る ハードエッジ
たかりをる小匙一杯分の蟻 ハードエッジ
黒山の蟻に歓喜の声もなし ハードエッジ
蟻たかる白く解けゆくものの上 ハードエッジ
あがきつつ邪悪な蟻をこぼしつつ ハードエッジ
小分けして死を運び去る蟻の列 ハードエッジ
蟻の列磁石を置けば曲るなり ハードエッジ
松に蟻その行先は知らねども ハードエッジ
蟻の列にも殿のありぬべし ハードエッジ
蟻一つ浮んでゐたるバケツかな ハードエッジ
蟻の列静かに夕日沈み行く ハードエッジ
公園に夜のブランコ夜の蟻 ハードエッジ
蟻の巣や王家の谷へ地下通路 ハードエッジ
こんな20句でも、ウンザリするような推敲過程あり
ご参考まで
さらに詳しき自解、参考句などはこちら
その他の全然堂歳時記【夏】はこちら
サポート頂いた方へは直近の葉書俳句（開発素句報 or 全然堂歳時記）を差し上げます