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Happy Women's Map 熊本県玉名市 美智子皇太子妃殿下(現 上皇后陛下)の専属デザイナー 植田 いつ子 女史 /The Exclusive Designer for Crown Princess Michiko (now Empress Emerita Michiko) of Japan, Ms. Itsuko Ueda

-『新婦人』(文化実業社, 1957-05)


「素直な気持ちで感じて素直に表現しよう」
"Feel with honesty and express with sincerity."

植田 いつ子 女史
Ms. Itsuko Ueda
1928年 - 2014
熊本県玉名市 生誕
Bron in Tamana-city, Kumamoto-ken

植田 いつ子 女史は、美智子皇太子妃殿下(現 上皇后陛下)の専属デザイナーを拝命した、日本のファッションデザイナー。オートクチュールを中心に、プレタポルテ、ジュエリーのデザイン、舞台衣装の「植田いつ子コレクション」を毎年発表。格調高く、シンプルなデザインと色調の優雅な服作りが評判となり、1976年から皇太子妃殿下(現皇后陛下)のデザイナーを勤める。
Ms. Itsuko Ueda is a Japanese fashion designer who was appointed as the exclusive designer for Crown Princess Michiko (now Empress Emerita Michiko) of Japan. Specializing in haute couture, she annually presents the "Itsuko Ueda Collection," which includes "prêt-à-porter", jewelry designs, and stage costumes. Renowned for her refined and elegant designs characterized by simplicity and graceful color schemes, she has served as the designer for the Crown Princess (now Empress) since 1976.

「美しいものを創りたい」
 いつ子は玉名市河崎の商家で6人兄弟に生まれる。しばらくして父親が自転車店を営むため玉名駅前に引っ越します。玉名町弥富小学校3年の頃に支那事変(日中戦争)、高瀬高等女学校を経て学徒動員がなかった熊本県女子師範学校に進学、「まったく色のない生活」は女学校卒の年の敗戦と共に明けます。いつ子は文化サークルに参加。早速、母親のためにへちま衿の柔らかいワンピースを手作りします。気に入った母は外出の度に来ては周りから褒められます。「美しいもの」への憧れは日に日に増します。いつ子は自分はデザイナーを目指して上京を決意。終戦後の混沌とした時代に若い娘が一人で未知なる東京に旅立たせることに両親は大反対。いつ子は父母の説得に幾度か絶望しながらも、誠心誠意上京できるように努めます。やがて兄妹も一緒に両親を説得、いつ子は東京行き鹿児島本線「霧島」に乗り込みます。

「デザイナーの2人の師」
 東京駅に着いたいつ子は、さっそく桑沢デザイン研究所・桑沢洋子先生を訪ねます。デザインの勉強したいと意気込むいつ子に、桑沢先生は「とりあえず予備の研究科に入って来年研究科に進めばすぐ追いつくでしょう」。例外的に手続を進めてくれます。色のない時代に、素晴らしい色使いをする桑沢先生はじめ講師たちは「人間が着るものとして洋服はどうあるべきなのか」いつ子に問います。いつ子は、夜は美術研究所、週末はお茶の水にある文化学院のデザイン科さらに絵画教室に通いながら、実習をこなします。1mm単位の精度を求められる仕事に絶望しかけるいつ子に、桑沢先生は銀座の高級アトリエ「銀座ビジョン」「銀座レインボー」を紹介。物資不足で生活するだけでも大変な時代に、チーフデザイナーのジョージ岡に日本人の美意識と伝統の布地の素晴らしさを学びながらドレスづくりに専念します。

「クリスチャン・ディオール」
 二人の師に出会って約8年目、いつ子は「植田いつ子アトリエ」を開設。国内外のいろんな洋服はじめ音楽・絵画などいろんな表現に触れながら、自分のフォルムを手探りしながら確立しようと格闘します。初めて日本の旧東京会館で行われたクリスチャン・ディオールのオートクチュールコレクションに衝撃を受けます。「服というものがこんなにまでも人を表現できるのか」西欧文化との揺るぎない根の深さが逆に、いつ子を奮い立たせます。「素直な気持ちで感じて素直に表現しよう」いつ子は30代で初めてヨーロッパを見て周り西洋文化・芸術に圧倒されながらも、和魂洋才の服作りに邁進します。独立して8年目、自分の表現を確立し始めてオートクチュールコレクションを発表。19年目には、ファッション界の芥川賞と呼ばれるFEC賞を受賞。パリでファッションショーを開催します。

「美智子皇太子妃専属」
 翌年、美智子皇太子妃殿下(現 上皇后陛下)の専属デザイナーを拝命します。びっくりしたいつ子は躊躇するも、東宮御所でに出向いたいつ子は美智子皇太子妃の前で素直な心情をお伝えします。「輸入文化である洋服の造形フォルムの中に、私なりの日本人の心情・美意識を取り入れていきたい」いつ子は美智子皇太子妃の日本女性の美点に花を添え、お役目を遂行されるように、心を込めて洋服をつくります。美智子皇太子妃殿下(現 上皇后陛下)はニューヨークの国際ベストドレッサー賞を3度も受賞。いつ子は、日本の文化・歴史を熱心に探求しながら、着物のデザインなど新しい挑戦を続けます。「日本の女性を美しく見せるには日本の土壌に合ったものを作らなくてはならない」

-宮内庁
-玉名市博物館
-桑沢デザイン研究所
-『新婦人』(文化実業社, 1957-05)


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