時々神様が現れる
しんどい時に時々私の元に現れてくれる神様。
今回は育児中に出会った神様のお話をします。
友人の母の姿をした神様
たしか子供が0歳と2歳位の頃だったと思います。5分の診察のために午前中が潰れてしまうような隣駅にある皮膚科に通っていました。
帰りの電車に乗ろうと改札に入ると上の子がぐずりだしました。まだお昼の時間ではないけど、お腹が空いたとか、抱っこしてとか。
その日は珍しく何をしてもダメな日でした。
私も気力を使い果たしていて、余裕がなくなって、どうにもならなさすぎて涙がでそうでした。
そんな時でした。「実知ちゃん?」と、小学校の時のお友達のお母さんに声をかけられました。お会いするのは20年ぶりくらいだったでしょうか。
まぁ!可愛い子たちだね~と優しく声をかけてくれて、おばちゃんらしい「うちの子も1歳の子供がいるの~。今は〇〇に住んでいてね~、先週まで帰ってたんだけどね~」なんてトークを繰り広げてくれて、子供があっけにとられているうちに「一緒にエスカレーター乗ろうか!」と嵐のように、私たち親子をホームまで連れて行ってくれました。
電車に乗ると「これあげても大丈夫?」と子供に気づかれないように確認してから、お菓子を子供にくれました。子供がお菓子で喜んでいる間に他愛のない話をしてくれて、そっと寄り添ってくれました。
この時に救われたのは間違いなく子供ではなくて私です。いっぱいいっぱいで張り詰めていた心を優しく包んでもらえた気持ちになりました。
おじさんの姿の神様
下の子が幼稚園に上がる少し前にもまた神様は現れました。下の子はとにかくわがままが止まらない時期がありました。買い物帰りに限界が来て「もうそんなに悪い子なら知らない!」と怒ってしまいました。
しゅんとした息子の手を引き帰っていたところ、後ろからおじさんの声がしました。
「おぉっ!いい子だなぁ〜!」
あまりに大きな声だったので、振り返るとニコニコしたおじさんが近寄ってきました。
「こんないい子はいないなぁ〜。手を挙げて道を渡っていたぞ!おじさん驚いたな〜。とってもいい子だな!」って。
おじさんは私が怒ったのを聞いていたんだと思います。しゅんとした子供を見て『君は悪い子なんかじゃないぞ』とエールを送ってくれているようでした。子供の表情がパァッと明るくなりました。神様は子供を助けにきてくれました。
私にはお灸を据えられたんだな、と思いました。日々の育児でとても我慢していたから、つい悪い子だなんて言ってしまったけど、それでどれだけ子供を傷つけたでしょうか。
それを「そんな言い方するんじゃない!」と叱りつけるでもなく、いい子だって褒めることで伝えてもらえた気がしました。
もしそこで叱られていたら、私もつらかったと思います。単純に見ず知らずの人から子供を褒めてもらえたことで、自分の子がいい子に育ってるんだと思えて嬉しかったです。
それに大変な事にばかり目が向いてしまって、いいところに目が向いていない事にも気付かされました。
私も神様のお手伝いをしたい
街の中で出会う神様はその時々で姿を変えて何度も私を救ってくれました。子供を連れていると子供にも周りにも配慮しなければならない事が多く、ピリピリと尖った神経をいつも和らげてくれました。
幼稚園あたりまでは本当に育児が大変でした。
その大変さがわかるから、街で小さい子を連れたパパママに会うと心の中で応援してしまいます。
小さいうちは少し目を離した隙に、逃走したりイタズラしそうになったりはよくある事。今では駐車場とか危ない場所への逃走を阻止しに走ったり、気を逸らしたりと、つい手助けしてしまいます。
火に油を注ぐパターンもあるので、声かける勇気が出ない時もあります。でも神様も暇じゃないでしょうから、小さくても私ができそうな事ならお手伝いしていきたいなと思います。
街で時々会う神様のお話でした。
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