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野球の神さまがおりてきた

 ペナントレースで優勝した巨人と3位DeNAが対決したセ・リーグのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ。3勝3敗で迎えたきのうの最終戦は勝った方がソフトバンクとの日本シリーズへ進むことになる天王山だった。
 
 贔屓のDeNAベイスターズか勝ったから言うのではなく、この6連戦はいずれも息詰まる素晴らしい試合ばかりで、「ああ“野球の神様”は、確かに東京ドームにおりてきていたな」と感じさせてもらった。

 今季のDeNAベイスターズはエースだった今永がメジャーに移籍したほかバウアーまで抜けて、エース・東以外の投手陣はなんとも不安なメンバー。正直なところシーズン前は「2本柱の穴は埋めようもないし、ヘタすりゃ最下位に沈むことも覚悟しておかねば」と思っていた。
 
 春先は首位に立ったこともあったがオールスター前後にはズルズルと9連敗。ファンとしてもすっかり終戦ムードだったのが、9月に広島がまさかの歴史的大失速でなんとか3位に滑り込んでCSに進出できた。ペナントレースでの貯金はわずかに2。しかもエース東が故障、正捕手だった山本もデッドボールによる骨折で迎えたCSだったのである。
 
 阪神に連勝、ファイナルもいきなり3連勝して王手をかけたものの、その後の2試合では守備のミスと拙攻ばかり。逆に巨人は守備のファインプレーを連発して、流れは完全に巨人側に行っていた。最終戦は9回に継投の菅野を打っての追加点、そのままの勝利。まさか10月の日本シリーズまで見させてもらえるなんて想像もしていなかった。
 
 しかし。
 
 実は昨日は息詰まる試合をドキドキ観戦しながらも、どこかで「もう負けるなら負けるでもいいや。優勝したのは巨人だし、10月のここまで楽しめただけで十分。なにより日本シリーズまでこの調子でドキドキするのは身が持たないよ」と考えていた。
 
 日本シリーズで対決するソフトバンクのペナントレースは91勝49敗の貯金42。2位の日ハムに13.5ゲーム差。CSでもその日ハムを鎧袖一触で下したモンスターのような実力だ。
 
 DeNAがやはり3位からの下剋上で進出した2017年の日本シリーズも相手はソフトバンク、結果は2勝4敗だった。今季の交流戦の対戦成績は1勝2敗。せめてこの割合で2勝4敗程度の“善戦”を頼みたいところ。
 
 ドキドキもガッカリもせずに、静かな気持ちで応援しようと思っている。
(24/10/22)

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野球の神さまがおりてきた|秋月春之介