見出し画像

議会の役割とは

もう先週になりますが、7月の19日~21日で滋賀県にある全国市町村国際文化研究所(通称ジャイアム)に研修に行ってきました。ここは全国から公務員が集まる大型研修施設で毎日何かの研修がされていますが、議員向けの研修も一緒にやっています。今回受けたのは「一年生議員のために」と銘打たれた研修でした。

北海道から沖縄まで120名もの議員になって1年未満の新人議員が集まりました。議員はみんな何かしら地域を良くしたいと志して選挙を潜り抜けてきました。地域や政党を越えて、積極的に議論し交流してきました。自分は44歳で議員としてはまあまあ若いかなと思っていましたが、平成生まれのかたや女性議員も多く、時代の変化を感じる研修でした。

座学とグループディスカッションが中心の研修でしたが、「議員」とは何か、「議会」とは何か、首長ですら規定されていない憲法において、自治体は議会を置くと規定されているほど重要な機関となっています。

しかし、現状はどうか?ここ10年で随分と改革は進んだが、いまだに首長の追認機関となってはいないか?議会には「議決」権があり、首長側がどれほど練りに練って考えた施策であっても議会は「否決」することだってできる。施策に100%は無く、賛成の人も反対の人もいるし、便利になる人もいれば不便になる人もいる、お得になる人もいれば損になる人もいる。でも「議決」したらその自治体の方針はそう「決まる」のである。

議決の前日、眠れないほど悩みぬいている議員はどれほどいるだろうか。自分たちの持っている権力、住民から選挙で負託された力はとても大きなものである。その持てる力をきっちりと認識し、熟考に熟考を重ねて最終「決断」するそれが議員であると。

二元代表制で首長と並び立つものとして、「議会」があるのだから、その重責を十分に自覚し、勉強し研鑽し、政策的に首長と並び立てる存在にならなければならない。住民の要望や陳情を市政に届けることはとても大事ではあるが、それだけではなく、「政策」で街の未来を描けるか。その力量がこれからの議会に求められている。

議会改革は行政改革と違い、効率化を求めるものではなく、住民参加の「住民自治」をどのように根付かせていくか。主義主張や未来に対するアプローチは各議員違って当然であるが、「町を良くするため」に集った仲間で「議会」として、個別の一般質問だけではなく「議会としての意見」を首長にぶつけ、ともに未来を創っていく。それが大切なのでととても実感しました。

特に議員みんなで意見を交換し合う「全員協議会」などを通して、ほかの人の一般質問にも興味を持ち、質問が重なることを避けるなど、熱量の高い議会を目指していく。また、こちらからどんどん町に出て行って「議会報告会」などを通し政治に興味を持ってもらい、市民フリースピーチや中学生議会などを通して主権者教育にも力を入れる。また、拾い出した課題は委員会での所管事務調査を行い、委員会としての本分を果たす。そんな議会を目指していきたいと感じた研修となりました。

なんか感想ばっかりになりましたが、まだまだ議会という世界は世間に比べてずっと古い。市役所もなかなかに古かったですが議会も古い。けれど、これからは価値観は多様化し、変化のスピードは加速度的に早くなる。ペーパーレスやDXは言わずもがな、報酬や定数、なり手不足問題。独自性や裁量が大きく認められるが故に自治体によってバラバラで決めていくことはとても難しい。けれどそういった課題に果敢に挑戦し、やっぱり、八野にやらせてみて良かった!と言ってもらえるような議員、そして議会にしていければなと強く感じた研修となりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?