見出し画像

市議会議員ってなにやってるの?

こんばんはー。前回と同じような内容ですが、インスタライブでお話しした時に結構反響があったのでNOTEにも残しておきますね。ズバリ「市議会議員って何やってるの!?」です。

なんか、先生とか言われて、地域の代表の高齢男性が割と偉そうにしている?そんなイメージですかね(笑)市役所に控室はあれど市の職員さんのように毎日庁舎にいるわけではなく、税や国保や福祉などの担当業務を持っているわけではありません。では何しているのか?その辺を分かりやすくお伝えできればと思います。

まず、みなさん議員と言えば何を思い出すかと言えば・・・やっぱり国会議員ですよね。日本には国会議員(衆議院・参議院)、都道府県議会議員(大阪府議会議員など)、市区町村議会議員(貝塚市議会議員など)のそれぞれの単位で「議員」が存在します。しかし、国会議員と地方議員では実は少しシステムが違います。

昔社会の授業で「司法」「立法」「行政」って習いましたよね?「司法」は裁判所のことです。そして「立法」=法律を作るところ=国会のことです。「行政」=政治が決めたことを行うところ=国の官公庁や県庁、市役所などです。国の行政のトップは総理大臣、県は知事、市は市長です。では、地方議員は?法律を「立法」することはできませんが、その自治体の守備範囲にだけ通用する「条例」を作ることができます。そういう意味では地方の立法府と言えるかもしれません。

そして、大きな違いがもう一つ。それは国は「議院内閣制」、地方は「二元代表制」というところです。ざっくり言うと総理大臣は国会議員でもありますよね?まずは国会議員になってからその中の最大会派の長(現在は自民党の総裁)がそのまま総理大臣になります。各大臣も一部民間登用なども認められていますが原則は国会議員の中から総理大臣が決めます。それぞれの大臣の下には省庁があり、そこに努める公務員は国家公務員=官僚と呼ばれます。だから、党と政府は密接に関わっているのですね。よく「党三役」とか四役とか言われますが、幹事長、総務会長、政務調査会長、四役まで入れる場合は国会対策委員長が党の役員です。でも党の役員は大臣ではないですよね?政府(行政)側の役職は総理大臣を筆頭に各大臣や官房長官ということになります。よく幹事長と官房長官とどっちが偉いの?みたいな話がありますが役割が違うのです。

翻って、地方は「二元代表制」と呼ばれ、「首長=市長」も「議員」もそれぞれ別々に選挙で選ばれます。なので、国ほど党と政府が密ってこともなく、地方を前に動かす車輪の両輪のようなイメージです。そして、市長は市役所の職員たちを指揮して「行政」を行います。

では、地方議員は何をしているか?下記3つの大きな役割があります。
①行政のチェック機能
市長は予算の伴う政策や、条例は議会の承認なしに実施することはできません。まあ、災害があって急にお金が必要だったなど緊急の場合は専決処分と言って使える例外もありますが、原則議会の承認なしに予算の執行をすることはできません。議会は市長から提案された予算案や条例案などの政策に対して「可決」「修正可決」「否決」をすることができます。結構絶大な権力を持っています。
とはいえ、それでも市長の権限はもっと絶大で「議案の提案」は市長にしかできません。つまり、「可決」は全部OK,「否決」は全否定ですが、全否定すると解散か総辞職みたいなことになるのでほぼ行われることあありません。まあ、まれ~にありますが。。。じゃあ「修正可決」ってなにか?100ある予算のうち99はいいけれど、この1だけA事業じゃなくB事業にすれば?と言えそうですが、議会にそれは言えません。「提案権は市長にしかない」のいです。なので99は通すけれど1は通さないよ。といった修正否決しかできず、その1の使い方を市長が提案した以外の使い方に修正することはできません。じゃあどうなるのか、市長はその事業をあきらめるか、いったん予備費など別の項目に予算をストックして再提案するかになります。結局やるこは市長にしか決められないのです。
じゃあ、議会は無駄なのか?確かにいろんなところで大した審査もせずに市長の追認機関に成り下がってるという批判もあります。しかし、そうではなく、我々議会は予算の使い方が本当にそれでいいのかじっくり審議しているわけです。例えば、突然選挙で選ばれた市長が道路に使うお金をイキナリゼロにしてテーマパークを作る!って言い出したらさすがに否決でしょう。市長や職員は行政のプロなのでそういったことはほぼありませんので結局そのまま通ることが多く追認に見えますが、きっちり審議されています。
自分が受かったら市民一人当たり5万円くばります!を公約にして受かったけれど市にはそんなお金はなく議会で否決されたなんて話もありましたよね。そういう暴走を止めるためにチェック機能としての議会が存在します。

②行政への提案を行う・市民の声を届ける
我々議員には本会議での一般質問や委員会での審議が認められています。①の目的を達するために質問を駆使するのも当然ですが、市がやっていない政策を勉強してきて貝塚でもできないか提案することができます。これは先ほどの市長が議会に提案するのとは違いどっちかと言えばこんなんしたらどう?っていう形の提案なので採用するもしないも市次第ですが、中々市役所を離れることのできない市長や職員に代わって街を歩き、市民の方の話を聞いて、市民の方のお困りごとや、市にやって欲しいこと、町の未来のビジョンなどを市に届け、政策に反映するように提案する。そのような役目があります。だからこそ、我々議員には職員以上に勉強することが求められます。その政策は市で決められることなのか、府の権限なのか、国の権限なのか。いくら市民が困ってるからと言って貝塚市だけ児童手当を倍にしろ!なんて言っても市の権限でそんなことはできません。また、市の権限上のことであっても「あそこの道路の幅を倍にしろ!」とか莫大な予算がかかったり明らかに費用対効果のおかしいものを言っても現実的ではありません。
だから、本を読み、視察に行き、先進事例を研究して、どうすれば現実可能な範囲で貝塚市を良くしていけるのか、それを考えて提案する。その勉強が必要になります。
職員さんはプロです。誰しもが知るような有名だ額を卒業し、難解な法律を読み解き、二転三転する国の指示に翻弄されながらも市民に寄りそい、ミスなく行政サービスを毎日毎日行います。その職員さんに「なるほど!」と思わせる提案をするにはちょっとやそっとの勉強では足りません。勉強不足のまま質問した結果「ホームページ載ってますけど」など恥ずかしい状態になることもあります。そうならないよう、ちゃんと二元代表制の一翼として先生ではなく常に謙虚に勉強する気持ちを持っていないと令和の時代の地方議員は務まらないと思います。

③住民自治の醸成と住民福祉の向上
地方「自治体」と呼ばれるように、市は住民が「自治」する最小の単位です。誰か知らない人が勝手に決めているではないのです。なので、本当は住民の方一人一人が政治に興味を持ち、この町や子どもたちの未来をどうして行きたいのかを考える。自分の地域のことは自分で決める。それが憲法から始まる法律が日本国民に期待していることです。江戸のころまでずっと権力者が決めたことに従わされてきました。明治以降も特権階級しか持っていなかった参政権を戦後やっと女性を含む全国民が勝ち取った民衆の権利です。「自分の未来を自分で決めていい権利」です。それを醸成し、みんなで街を考えて行く土台を作る。それも住民の代表たる議員の大きな役目です。そして、その目的目標は住民福祉の向上につながるものでなくてはならない。私腹を肥やすとか、偉そうにするとかそういったことに使ってはいけないものです。鬼滅の刃で煉獄さんのお母さんが言ってましたよね。力を持ったものはその力を世の中を良くするためにその力を使わねばならないと。僕に力があるかはわかりませんが、少なくとも民意という力を得て、議員という力を得ました。だからこそ、大上段に構える目標は住民福祉の向上でなければならない。それは議員の議員たる筋です。それを心の中心に据えて明日からの9月議会も頑張って行きたいと思います!

ちょっと最後は決意表明みたいになってしまいましたが、地方議員はこのようなことをやっています。この①~③をなし得るために勉強し、地域を歩き、そして自分の主張を知ってもらうためにチラシを作り配り歩き、SNSにアップし、インスタライブするのです。駅に立つことも、街宣活動することも皆さんに存在を知ってもらうために必要です。しかし、それは仕事の本分ではない。毎日毎日駅で手を振っているけれど①~③を全然しない議員なんて市民の方は求めていないと肝に銘じ、貝塚市のために邁進していきたいと思います。長文最後までお読みいただきありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?