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30代は人間関係に割く体力が減る

昔は仲が良かったけれどここ数年、疎遠になった男性がいる。人のつながりが多くあり、いろいろな面でお世話になった。話題が豊富でユーモアがあって、後輩想いの男性だった。同性からも厚い支持を得て、みんなの兄貴的な立ち位置にいた。

時に言葉が強いと感じる時もあったけれど、人間なんて誰しも完璧ではないのだから、相手だって私に対して何らかの不満は定期的に感じているだろうし、その人の良い面だけを見て付き合えばいいと思っていた。

けれど、ある時からその人が吐く言葉が耐えられなくなった。何気ない会話の中にばらまかれたフレーズを、帰宅してから、あるいは数日後、何気ない時に思い出して、嫌悪感を感じるようになったのだ。

「40代が自撮りをするのは痛い」
「ブスが勘違いしてる」
「デブがミニ丈履くのは犯罪だよね」
「恋愛対象としては20代にしか興味ない。30代に色目を使われると寒気がする」

――全て私に対して向けられた言葉ではなかったけれど、思い出すときはいつも、自分に対して言われている気持ちになった。この人は、たまたま知り合いだから私に向かって言わないだけで、根本的には「女性」を体型や容姿や年齢で差別し、自分の理想の枠組みから外れた人を、排除し、言葉で罰するように痛めつける男性なのだと思うようになった。でも、彼が私をおそらく「仲良しだから」悪く言う対象に含まなかったのと同じように、私も、彼の考えを「仲良しだから」受け入れていた。

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