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2月に読んだ本

2月に読んだ本のなかで、印象に残った本を紹介します。
ひとこと感想も付けているので、ネタバレ注意です!


2月に読んだ本


迷彩色の男 安堂ホセ

【あらすじ】

〈怒りは屈折する〉。――都内のクルージングスポットで26歳の男が暴行された姿で発見される。事件の背後に浮かびあがる”迷彩色の男”を描いた、最注目作家の第二作。

Amazonより

【感想】
怒りは屈折する。被害者のいぶきが、事件が起こる前にSNSで呟いたその言葉を表しているような物語だった。

”力のある存在から降り注ぐ憎悪が諦めとともに受け止められる一方で、弱者であるべき人間が燃やし返す憎悪にこそ人々が監視を強めることは、もうすでに珍しいことではなくなっていた(本文より)”

マイノリティであることで受けてきた差別や偏見、ストレス、怒りがだんだん積み重なり屈折し、悲劇を招く。

表紙が映画「ムーンライト」のポスターと雰囲気が似ていると思った。

▼映画「ムーンライト」 映画.com 作品情報

▼映画「ムーンライト」予告編



ジャクソンひとり 安堂ホセ

【あらすじ】

着ていたTシャツに隠されたコードから過激な動画が流出し、職場で嫌疑をかけられたジャクソンは3人の男に出会う。痛快な知恵で生き抜く若者たちの鮮烈なる逆襲劇!第59回文藝賞受賞作

Amazonより

【感想】
日本で生活する外国人やミックスの人たちは、自分が想像する以上に生きづらさを感じる場面が多いのだと思った。今度自分が海外に行ったとき、楽しかったことだけではなく、外国人という立場として不便だったこと、困ったことにも目を向けて過ごしてみようと思った。


タダイマトビラ 村田沙耶香

【あらすじ】

母性に倦んだ母親のもとで育った少女・恵奈は、「カゾクヨナニー」という密やかな行為で、抑えきれない「家族欲」を解消していた。高校に入り、家を逃れて恋人と同棲を始めたが、お互いを家族欲の対象に貶め合う生活は恵奈にはおぞましい。人が帰る所は本当に家族なのだろうか? 「おかえり」の懐かしい声のするドアを求め、人間の想像力の向こう側まで疾走する自分探しの物語。

Amazonより

【感想】
家族欲が満たせない主人公が理想を追い求めた末の結末に脳がグラグラした。絶対に母のようにはなりたくないと思いながら、いつの間にか自分も同じ道を歩もうとしてしまう主人公の危うさに、身に覚えがありざわざわした。血縁、恐ろしい。似たくないとこが似てしまうことってある。最終的に主人公はある種の悟りを開く。目の前の家族という光景を、集団で集まって生活する習性をもつ奇妙で愛らしい生命体として情報処理するという境地に達した主人公のその後が気になる。


おわりに


以上、2月に読んだ本のなかで、印象に残った本を紹介しました。

自分が抱えている生きづらさの根底には、家庭環境とジェンダーが関係しているのではないかと感じています。それらに関係する本を積極的に読んでいきたいなと思っています。
これからいろんな本に出会って、自分のなかのモヤモヤを言語化できるようになりたいです!

これからも本の感想を投稿していきたいと思います。
おすすめの本があったらぜひ教えてください!

最後まで読んでくださってありがとうございます~!


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読書感想文

最後まで読んでいただけて嬉しいです‪‪。 ありがとうございます! GWはどう過ごされましたか? 私は図書館に行ったり公園で散歩したりと、のんびり過ごしました。 5月は疲れが出やすい時期でもあるので、どうぞご自愛ください‪‪☺︎‬