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2005年代のヤンキーって、特攻服着てたっけ?【東京卍リベンジャーズ】

 2005年頃の渋谷、新宿を歩いたことありますけど、こんな特攻服を着たヤンキーはいませんでした。自分が見てないからといって、「いない」ことにはなりませんね。

特攻服は古臭いが、お話は面白い

 端的に言えば、王道少年マンガのセオリーを踏まえて、ヤンキーモノに仕上げています。どの年代の子らがハマるのかわかりませんが、オジサン世代には馴染み深さもあって既刊を大人買いするほどハマると思います。

 ヤンキー漫画は、かの有名な(?)カメレオンは全巻読みました。あとBAD BOYSも全巻読んだくらいでしょうか。それ以外はパッと思いつきません。
 この少ない2つのうち、カメレオンに非常に類似するものがあるマンガだなと感じながらアニメの東京卍リベンジャーズを視聴し始めました。東京卍の主人公はダメダメで、喧嘩も弱い。それが知恵と行動力でなんとか切り抜ける。カメレオンの主人公も、ハッタリと要領、運で困難を乗り越えていく。どちらもマガジンの作品ですから、意識された可能性は無きにしもあらずでしょうか。

 そうは言っても、このカメレオンとの類似性など些末な話です。視聴者・読者に感情移入させるための手法として、一般的なやり方に則っているだけですからね。いきなりその道(ヤンキー道)のプロが主人公で、俺つえー系だったら、ファン層が偏っていたでしょう。広く受け入れられているということは、それだけ丁寧に作っていることの証だと思います。

結局、マイキーの話

 さて、ここから先はネタバレが含みます。

 アニメを17話まで視聴して、次の話が待ちきれずマンガ(Kindle)を購入。あれよあれよという間に、既刊23巻まで買って読んでしまいました。そこでようやく見えてきたのは、結局、ヤンキーは男同士の友情に行き着くのだなということでしょう。

 カメレオン、BAD BOYSも、色恋沙汰はあっても、お話の終点を恋で終わらせることはなかった。友情に主眼をおいているからこそ、少年マンガになり得るのでしょうね・・・。


 ネタバレを含めようと思ってましたが、書きにくいので止めておきましょう(笑)。

全体の構成がうまい

 23巻まで読んで、この作品は構成力が抜群に上手いと感じました。キャラクターの使い方(消費の仕方)とお話の回し方、伏線の回収の仕方。キャラ萌えによらず、無意味に長いバトルシーンを作ることもなく、作家さんは面白い話になることを一番に考えられているいます。

 よくある話では、作家やファンが特定のキャラが好きになってしまって、無意味に喋らせたり、登場回数を増やしたりして、話が冗長になるケース。本作でもキャラ人気が高まっていて、お話を長くして、キャラをもっと取り上げて作っても良かったかもしれません。「あのキャラの話、見たかった」と言う声は多そうです。話を長くすれば、既刊数も増えますから、いやらしい話で印税も増えるでしょう。

 それをせずに、無意味な要素を削ぎ落とし、取捨選択してストーリを構成しているところに、本作を一読する価値があると思います(回りくどい言い方ですね)。平たく言えば、話が面白いから、読め、ってことでしょうか。
 荒唐無稽な描写もありますが、それはマンガ的演出だとあえて割り切れば気にならないでしょう。結局の所、マンガ的演出は、読者が納得できるかどうかでしか無いのです。折り合いをつけて読めば、その面白さを素直に堪能することができます。


※たまたまキャラ人気投票の結果がツイートで流れてきたため、ふと思い出してのエントリー

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