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ゴジラ-1.0 合わなかった話

ゴジラ-1.0(以下、ゴジマイ1)が絶賛されているが、私は合わなかった。はっきり言って駄作。凡作の下であると感じた。
というわけで、下記は、一般社会の感性とズレている人間の感想という前提と認識していただけるとありがたい

まず第一に、ゴジマイ1は設定が奥深いという話であるが、そういう問題ではなく、表面的なレベルでつまらないと感じてしまっている。そもそもつまんないのだ! 裏にどんな設定があろうがなかろうが、そもそもつまんないと感じている。例えば、すごく希少価値の高い食材を使った珍しい料理でも、口に合わなければ不味いと評価するのと同じ。まったく合わなかったのだ。

では何が合わなかったか?
1.ゴジラの動き(モーション、演技)
2.演出のつなぎ
3.俳優の演技(この問題は監督の演出に寄るところが多い)
4.登場人物の人間的魅力のなさ(これも演出の問題)

と4つ上げてみたが、結局、演出の問題が大きい
1のゴジラの動きに付いてだが、最初登場したときは恐竜や動物のような動きをしていた。しかし、物語が進行するに連れて、動物性がなくなり、人間(監督)がそうさせようという恣意的な動きになっていった。例えば、【ゴジラが自分で考えて電車を持ち上げる】という描写ではなく、【監督がゴジラに電車を持ち上げさせた】というように、動物の人間の感覚ではわからない、または想像できない突発的な動きではなく、お膳立てして、そしてそのとおりに動かしているのだ。ちょっと説明がしにくいが、それなら最初からゴジラを恣意的に動かしていろ! と言いたい。途中でゴジラの演技の演出の方針を変えるなよ、と。

2について、演出のつなぎが雑だ。パッと思いつくところ、銀座襲撃の際、ゴジラがいつかえっていったのか? ビームを吐いて、主人公が焼け野原に飛び出していったが、そのときなぜゴジラは後ろにいないのか? 時間経過がなく、直ぐに飛び出したのに、主人公の感情描写に気を取られて、ゴジラがどこに行ったのか忘れてしまったのだろうか?
銀座のシーンで、もう一つツッコミを入れておくと、なんで主人公だけ生き残ったのか? あれだけ人がいたわけだから、同じように頑丈な建物、橋のヘリにいた人は何割かの確率でいたはずだ。その人達が、誰一人焼け野原になった銀座に飛び出してこないのはなぜか? そういう細かな描写がないために、世界観の構築が疎かになる。世界系か? 主人公一人だけが生きていて、それで完結するのか? ゴジラという話は?

3の俳優の演技について、顔のアップばかり、素立ち、演技の演出がひどすぎる。CG出身だから監督が演出できないのだろうか? とうがってしまう。TVドラマで制作費がかけられず、顔のアップでどんどん繋いでいく演出しかできないならまだしも、大きなスクリーンで上映する作品で顔のアップばかり映すな。効果的に俳優を演技させてそれを上手く撮影しろ! 怒りの演技でも、なんでそんな素立ちで怒ってんの? と疑問だ。壁を殴る。机を投げ飛ばす。最低それくらいして良いんじゃないだろうか?

4、登場人物の魅力の無さ。設定は詰め込んでいるのだろうけど、全然表現できてない。なんというか、料理人が苦労して作りました=だから美味しいでしょう? というのはありえない。苦労しようがしまいが、うまい不味いの評価はお客にとって関係ない。不味いものは不味いし、うまいものはうまい。どれだけ設定を詰めても、スクリーンで表現しない限りはゴミカスではないか? その設定は。あと、カットは漫画のコマではないのだ。連続性の中で効果を発揮するのに、カットのあいだで考えさせるのではなく、写っているもの単体で表現しようとするのはどうなのか? 別にそれがダメとは思わないが、演出家が楽しているなという印象だ
話を戻すと、意味もなく登場人物が怒鳴り、怒る。なんというか、設定上は、怒る理由はわかるが、順序が悪い。現代の0・1思考というか、沸点が一気に上がって、途中経過が理解できないのだ。その瞬間。後々、「あーだから怒ったのか」と理解できるが、それが何回もある。全部それにする必要ある? 単調な見せ方にうんざりである。
あと、主人公を含め、怒り方が単調だ。人間ごとに怒り方も変わると思うのだが、陰湿な人もいれば、直情型もいるようにね。影で怒る人とか。その単調さが人間の魅力の無さに繋がっていく。違いを出さないと魅力は出せない。十人十色という言葉を知ってるだろうか?

5、昭和である必要がない。ふと思ったが、昭和である必要がない。設定上は、たしかに昭和である必要があるのだが、舞台、登場人物が現代人で、昭和感がゼロだ。単に戦争で生き残った特攻隊という設定を使いたいから、昭和を利用した。または、初代のオマージュでってレベルで、演出家の恣意性が強い。その点、シン・ゴジラは、現代にゴジラが現れて、現代の人たちが対処していて好感が持てる。違和感もない。


とはいえ、世間的には絶賛され、世界的にも売れているのだ。この違和感は、本当に、本当の、世間ずれしているマイノリティの意見・感想なのだろうなと思う。

世間で絶賛されればされるほど、自分の感想との差異で不快感が高まりそうになるが、それは自己否定との戦いでもあるのかもしれないwww 失笑。自分の感性が否定されている(訳はないのだが)。LGBTと同じなのだろう。ゴジラ-1.0は合わなかっただけである


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