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クマネズミに、思いを馳せる 「川の光」を読んで

先日、食パンに、クマネズミの一部が混入していたニュースをみた。私としては、毎朝食べているパンだったことに加えて、ついネズミ側にも気持ちが行ってしまい、色んな意味でショッキングなニュースでした〔苦笑〕


さて、うちの近所には、たくさんのマンション、大きな公園があり、クマネズミをよく見かけます。
実は、引っ越してくるまで、街中で、茶色いネズミを見たことがありませんでした。
山に行くと、茶色で小さな、野ネズミを見ることはあるのですが、クマネズミと言うのは、調べて初めて知りました。

話を戻します…

うちの近所は、クマネズミだけでなく、タヌキや、カモをはじめとした野鳥など、野生動物が普通にいるので、ネズミがいても違和感を感じず、むしろ生き物が多いことを、楽しく思っていました。


朝の通勤途中に遭遇したカモ


しかし

昨年、我がマンションの中庭でも、クマネズミが日向ぼっこする姿を目撃されました。住民の要望により、駆除業者が仕掛けをおきました。結果は、失敗に終わりましたが…。

考えてみれば、中庭なんて、いくらでも外から入れるのだから、捕まえたところで、また別のネズミがやってきますし、敷地内に入れたくないなら、他の対策を考えるべきですね。

ちなみに最近は、害獣駆除といわず、ペストコントロールと言うらしく、たまたま見た求人には、ペストコントローラーとかいてありました。

前置きが、長くなりましたが、今回紹介する本は、クマネズミの親子の物語です。
確か、児童文学だと思うのですが、とにかく面白い。

同じネズミの大冒険を描いた、ガンバの冒険〔子供の頃大好きだったアニメ〕とは違い、私たちが生活する、すぐそばで繰り広げられるのが良い。




あらすじ

東京の郊外に暮らす3匹のネズミの親子。
お父さん、しっかり者のお兄ちゃんタータ、小さな弟チッチは、川のほとりで平穏な生活を送っていたのだが、人間の都合で巣穴を追い立てられ、新天地を求めて川上へ旅立ちます。
途中、人の多い公園を通ったり、ドブネズミや猫に遭遇したり、小さなチッチは…ハラハラドキドキの大冒険!

つい現実でも、探してしまう

この本を読んだ直後は、ネズミたちの冒険に、すっかり感情移入してしまい、気がつくとネズミを探してました笑
今でこそ、タータやチッチなど、物語と重ねはしませんが、ネズミ目撃率は、確実にあがりました笑
ちなみに作者の松浦寿輝さんも、あとがきで、「散歩中に、ネズミ達が、人目を忍んで冒険しているのではないか。」と思い、草むらに目を凝らしてしまうと書いてました。

ホントに、気にしてると、草むらや、公園を横切るクマネズミをよく見るのです。
昼間に、人の目の前を横切る姿は、ハラハラするし、草むらを横断していると、行き先が気になるし、時には、遊んでいるような姿をみかけたり。

ついつい、愛でてしまいます。 

だからと言って、駆除反対!と声を上げるつもりもないですし、鳥や肉食動物のご飯なのも、自然の摂理なので、残念だとは思いますが、特に可哀想とは思いません。勿論、捕食シーンは、「うわー」と、声がでますが、私たちも、肉を食べていますから…

街中での遭遇率

東京は、ネズミが多い気がします。
いまでこそ、みなくなりましたが、上京してまもない頃、新宿駅で、巨大なドブネズミをよく見ました。毛も長く、見たことのないネズミに、恐怖すら感じた記憶があります。

チーズ屋で働いていた友人は、職場にネズミがよく現れて、大嫌いになったそうです。我が家のチンチラは、ネズミっぽいけど、ふわふわでリスっぽいので、ギリギリ大丈夫かな。と、言ってました。

また、別の友人は、渋谷のオシャレなカフェで食事していたら、ネズミが飛び出してきて、パニックになったのに、店の人は「うちの子がすみません笑」みたいな顔して、謝ってたから、気にするのやめた…と、言ってました。
実際、壁を齧り部屋に侵入された友人は、壁に穴が開き、パンを齧られ、排泄されたりと被害が多く、後の措置が、大変でした。

そんな話を聞くと、やはり害獣なのか…悲しい現実です

しかし、彼らも、地球上で生きていくために生まれてきたのだから、必死に生きているのでしょう。だから、人目につかないよう、ひっそり暮らしている。人のいるところを、横切るにも、餌を探しているなど、何か理由があるはずです。
そんな優しく楽しい視線で見るのも、たまには良いですよね。
ネズミ嫌いな人は、どこかに潜んでいると思うだけで、落ち着かない気持ちかもしれませんが、私たちが生活している直ぐ側で、ネズミ達も暮らしているのだと思うと、ロマンを感じずにいられません笑


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