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おススメの近現代史本(ネトウヨ本ではございません)


私は近現代史の本を読むのが好きなのだが、今回マニアックだけどおススメの戦争に関連する本を紹介したいと思う。ただし完全に個人の好みである事はご了承願いたい。

軍隊を誘致せよ: 陸海軍と都市形成 (歴史文化ライブラリー)


日清・日露戦争後、全国で軍隊誘致運動が起こり、敷地の献納合戦にまで過熱した。地元への経済効果、水道・鉄道などのインフラ整備、遊郭設置問題などから、住民が軍隊と共存しつつ都市形成と振興をめざした姿に迫る。

今の公共事業のように日本全国で軍隊を誘致する運動が盛んになった。もちろんそれは地方にお金が落ちるからである。色んな土地の軍隊誘致運動を例に挙げ当時の運動の詳細を理解しようとする。この本で連隊など色々な軍隊用語が理解できるようになった。そして軍隊が出てきたら、やはりそこに遊郭ができるのも知った。

生きづらい明治社会――不安と競争の時代 (岩波ジュニア新書)


日本が近代化に向けて大きな一歩を踏み出した明治時代は実はとても厳しい社会でした。景気の急激な変動、出世競争、貧困…。さまざまな困難と向き合いながら、人々はこの時代をどう生きたのでしょうか?不安と競争をキーワードに、明治という社会を読み解きます。

これはまさに名著というべきで今の日本人の精神構造「通俗道徳」につながる歴史を暴く。

砕かれた神―ある復員兵の手記 (岩波現代文庫)


著者はマリアナ、レイテ沖海戦に参加、昭和十九年十月の戦艦武蔵沈没にさいし奇跡的に生還した。復員後、天皇に対する自己の思いを昭和二十年九月から二十一年四月まで、日録の形で披瀝している。限りない信仰と敬愛の念から戦争責任追及へという天皇観の急激な変化。後年わだつみ会の活動を通して持続された志は、いかにして形成されたか。

ある一人の天皇崇拝者が目覚めるまでの自伝。とにかく自然の中で勉学を続ける中で頭が冴えていく描写が素晴らしい。戦後の風景や戦時中の回想、いきなり思想転向した先生の話などディティールがいい。良質な小説として読める。

昭和天皇・マッカーサー会見 (岩波現代文庫)


戦後史の謎であり続けた全一一回の極秘会談。二人が何を話したのか、その核心部分が、著者が解説した膨大な未解明の新資料によって初めて明らかにされた。両者の会談のみならず全米に対する昭和天皇の外交を精緻に描き出した本書は、戦後レジーム形成に天皇が極めて能動的に関与した衝撃の事実を描き出し、従来の昭和天皇像、戦後史観を根底から覆す。

よく右翼が言う「天皇は国民を守った」というのは本当か?色々、読んでいく中でどうやらそれは違うことを一つ一つ論証していった力作。

戦争責任と追悼―歴史と向き合う〈1〉 (朝日選書)


京裁判から60年を経た終戦記念日、首相が靖国に参拝した。いまや「歴史認識」は重大な政治の争点となり、外交のかたちとして表れる。歴史は過ぎ去った昔にすぎないのだろうか?過去に何があったか、なぜそうだったのかをまず知ること。日本に、アジアに、多様な見方や思いがあることを知ること。「歴史」をどうとらえるかは、いまを生きる私たちに突きつけられた最新のテーマとなってきた。本書は、朝日新聞連載企画「歴史と向き合う」から第1部~第3部を収録。「東京裁判」「パル判事」「戦争責任」「靖国問題」をテーマに、国内外の識者へのインタビュー、歴史意識をめぐる世論調査結果、写真資料などを交えた渾身の取材の成果である。

このシリーズはめちゃめちゃ面白い。戦後ドイツと日本の戦後補償の比較や靖国などの戦争追悼施設の各国比較など、現在問題になっている、かゆいところに手が届く素晴らしい本ばかりだ。

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