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寝付きが悪いときに書くコラム  そいつどいつ・松本竹馬『寝ないといけない。』

寝ないといけない。


こんばんは。
そいつどいつの松本竹馬です。

今回で第3回目となりました。
このコラムは昔から寝付きの悪い僕が、眠れないときに書くコラムです。
第1回は僕が眠れないときに襲ってくる恥ずかしい思い出第2回は眠れないときに襲ってくる「面白いことやって。」に対する怒りを書きました。

今回の第3回目は僕が寝れないときの辛い気持ち、そして寝れなくて犯してしまった失敗について書きたいと思います。

あれは僕が、芸人になって2年目くらいのとき。
僕の同期がとんでもないイベントを持ってきてくれました。

「CAと3:3で日帰りのスノボ旅行、行こう!」

ビックリしました。
当時の月給500円にもいかないウンコ芸人の僕らからしたら、3人のCAとスノボに行くなんて考えられないイベントだったのです。
どうやらその同期の高校のときの同級生がCAだったらしくて、この話しがきたそうです。
僕はスノボなんかしたことなかったですが、すぐに「行く!」と即答しました。


「じゃあ、車で迎え行くから、朝6時に東京駅集合で!」

6時集合ということは、逆算すると5時には家を出なくてはいけなくて、そうなると4時起きだろうなと思いました。
だとすると、6時間睡眠を取って万全の状態でいくには、22時には寝ないといけません。


もうこの時点で僕は、寝れないだろうなと思いました。
僕は「寝ないといけない。」と一瞬でも思ったら、寝れなくなってしまうのです。

第1回目でも言いましたが、僕の体は捻くれてて、いつも心と逆のことをしたがります。
例えばサウナに入っていて、「こんな男だらけの中、今勃起したら確実に変な目で見られるだろうなー」と思ったら、勃起し始めるのです。
それと同じと「寝ないといけない。」と少しでも思ってしまうと寝れないのです。

普通にしていたら、22時に寝るのは無理だ。
なら、どうしよう。

僕はその前の日を徹夜することにしました。
その前の日を徹夜して、朝から夜まで動いて、21時には布団に入る。
こうすれば、さすがに寝れるはずだと考えました。
当時、仕事なんて全くないので時間だけは自由に使えます。

僕は前の日にとりあえず、漫画を読んだり映画を見て徹夜しました。
そして徹夜明け、当時よく遊んでいた同期を誘って、朝からテニスをしました。
ほどよく汗をかき、そのままランチをして、銭湯に。
軽く同期の家で話して、19:00頃に帰路に着きました。
当時乗っていた原付で帰ってたんですが、帰り道はすごかったです。少しでも目を瞑ればそのまま寝落ちしそうで、フラフラになりながらなんとか命懸けで家に辿り着きました。

家に着いても眠気は続いてました。
いい、これはいいペースだ!絶対に今日、寝れる!

部屋を暗くして、弁当を食べて、お風呂に入り、アロマを焚きました。
YouTubeでリラクゼーションミュージックをかけて、暖かいミルクを飲みました。

眠い、眠いです。目を瞑ればすぐに夢の世界に行けるはずです。
時刻は20:00過ぎ。今から寝たら8時間は寝れます。

電気を落として、アイマスクをして、そのまま布団に潜り込みました。


そして…

一睡もできませんでした。


布団に入った瞬間、なぜか目が冴えて、そこからは朝の4時まで一睡もできませんでした。

なんでかはもうわかりません。
ここまで寝る環境を完全に整えたことが、寝なきゃいけないというプレッシャーになったんだと思います。
原付に乗ってるときはあんなに気絶しそうなくらい眠かったのは、きっと「今寝たらヤバい。死ぬ。」と心で思ってたので、逆にめちゃくちゃ眠くなったんだと思います。

なんなんだよ、この体。
意味わかんねーよ。
もういらねーよ、こんな体。

寝れないまま24時を過ぎたあたりで、僕は布団にくるまり泣きました。
そして1人でブツブツ自分の体に対して文句を言い続けました。

4時になり、うるさく鳴る目覚まし時計を止めて、2日間徹夜の状態で、そのままCAとのスノボに向かいました。

綺麗なCAのお姉さんとの初対面。
目クマだらけのボロボロの顔で挨拶をして、体調を心配されました。
行きの車は1番大事です。初めましての状態からいかに笑わせて、盛り上げて、心を掴むか。
1番僕たち男性陣が頑張らなきゃいけません。

車に乗って10分。
そこからの記憶はありません。

後から聞いたら、後部座席で1人だけイビキをかいて爆睡していたそうです。
「こんなところで寝ちゃいけない。」という気持ちが逆に僕を爆睡へ導きました。

現地に着いたら着いたで、初めてのスノボ。
転びまくってみんなの足を引っ張りました。

行きの車でずっと寝てたやつが、転んでるのは見てられません。
CAの子達の顔はずっと引きつってました。

「オレちょっと練習してくるわー。」と言って、みんなの元を離れて、1人で初心者コースで転びまくって、トイレで寝て、帰りの車も永遠に寝ました。

1日徹夜ならなんとかなったかもしれませんが、2日徹夜はもう完全に体力の限界でした。

ここから僕は変に前の日に徹夜しようなんていう無駄な計算をすることはやめました。
僕の体は計算が通じません。

寝れないときは寝れない。
諦めが肝心です。

今でも朝早い仕事のときは、全然寝れずに徹夜で向かったりします。
朝の情報番組、TBS『ラヴィット!』なんかは今のところ3回中2回、徹夜で向かってます。
そして、2時間の生放送の間にコンビで14回スベって、それを寝てないせいにしてます。

キングオブコントだけは夕方にスタジオ入りなんで助かりました。
朝にスタジオ入りだったら、確実に寝れてなかったでしょう。


この世から朝早い仕事がなくなりますように。
その前にちゃんと寝れる体になりますように。

明日は朝8時に新宿集合です。
もうそろそろ寝ないと。

ああ、ダメだ。寝ないとって思ってしまった。
もう寝れません。



そいつどいつINFO


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著者/ そいつどいつ・松本竹馬


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