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作曲者が語る。Brave Power Leader 《 = Voltage = 》

概念と申します。趣味で作曲なぞ嗜んでおります。

この度、全国のゲーセンで稼働中の音ゲー『SOUND VOLTEX(サウンドボルテックス)』にて、拙作『Brave Power Leader 《 = Voltage = 》』が実装されました。

公式な作曲者コメントはボルテ公式サイトに掲載されるかとは思いますが、そちらはバチバチにカッコつけており、詳しいことを何も書いていないので、こっちのnoteにはもうちょっと長ったらしい思いの丈を書いていこうかなとおもいます。

ちなみにタイトル画像は私のリザルトです。UC嬉しすぎて草(なおMXMは未クリア)

■タイトルについて

さて、本楽曲のタイトルである『Brave Power Leader 《 = Voltage = 》』。非常に長いですね。長すぎてBPLで曲名が表示される際、毎回2行に分けて表示されるのが個人的にツボでした。ご迷惑をおかけしております。反省はしていません。

なぜ、こんなに長いタイトルになったのか。このタイトルに意味はあるのか。結論から言えば大アリです。Brave Power Leaderは、意訳すると「勇なる力を持つ先導者」という意味合いです。

BPLという新たな舞台に挑む者たち。ボルテとしては初めての試み、初めての領域。そこに先陣を切って勇ましく踏み込む、力ある者たち。つまり、Brave Power Leaderとはプロ選手や、プロに挑戦しようとしたプレーヤー達のことを指しています。

そして、これはお気づきの方もいらっしゃったようですが、Brave Power Leaderの頭文字を取ると、『B』rave 『P』ower 『L』eader。つまりBPLそのものにもひっかけたタイトルでした。意識してジャケットを見ると急にBPLって文字が浮かんで来ると思います。ありがとう!スティンガーマン!戦え!スティンガーマン!!(?)

サブタイトルっぽく付いている《 = Voltage = 》ですが、これは「BPLはBPLだけど、ボルテ部門なんだからなんかボルテっぽさ出したいなぁ…」と考えに考えた結果、Voltageという単語が脳裏に浮かんできました。BPLという大会の熱気、つまりはボルテージ。

きっとBPLは盛り上がるだろうから、この言葉はピッタリだろうと思ったし、プロ選手たちが先導して盛り上げていく大会を装飾する言葉としても申し分ないと思ったので採用しました。隣の《 = これ = 》の装飾は、なんかカッコイイから付けました。ボルテのつまみ的なLRを表してる矢印みたいに見えていい感じになったと思います。

ということで、長いタイトルにはそういう意味合いがあったわけです。きっとジャケットに文言を収めるだけでも大変だったと思います。ご迷惑をおかけしました。反省はしていません。本タイトル、みなさんのお好きなように略してもらえればと思います。フルネームは長いので。

■どんな楽曲にしたかったのか

この楽曲は結果としてチームミュージック部門に入賞しましたが、もともとはBPL自体のテーマ曲的な立ち位置になればいいな~と思って制作していました。

実際、楽曲コンテスト概要にはBPLのどこかで使われる…としか書いていなかったので、用途を狙って作るということが難しかったんですね。強いて言えば最優秀楽曲という枠が存在していることくらいを匂わせていたくらい。

弐寺のBPLでもチームミュージックという概念があったので、ボルテも同様に存在するとは思ってたんですが、まぁ弐寺と同じアーティストに発注するっしょ!と完全に度外視してました。ボルテ運営は常に我々の斜め上を行く。(チームをイメージした曲というアイデアもあり!という文章も公募ページにはあったのですが、正式にチームミュージックという枠が設けられてるとは思ってませんでした)

ってことでここは直球でBPLのテーマ曲を狙いつつ、あわよくば最優秀楽曲に選ばれるようある程度難易度を上げられるような曲調にしよう!というところに落ち着きました。

結局、直球テーマソングにしては妖しいメロディラインが使われてる部分があったりして少し方向性はブレたのですが、それでもBPLを想った熱さは変わらず楽曲に込められたため、そのまま送り出しました。

結果、チームミュージック部門の入賞および、ドラフト会議の結果SUPERNOVA Tohoku様のチームミュージックに選出いただきました。このような形でBPLの盛り上がりに少しでもお力添えできたことが本当に嬉しいです。ありがとうございました。

前述の通り、楽曲コンテスト概要にはBPLのどこかで使われる…としか書いてありませんでしたから、チームミュージックをドラフトしま〜すなんて話は全く聞いていなかったわけです。だからこれを知った時はマジでおったまげましたし、結果が出る日までマジで落ち着かなかったし、当日ドラフト会議中はマジで緊張で体調が悪くなってました。なので指名いただいた時は喜びよりも安堵が勝りましたね。ホァ〜〜〜〜〜

■楽曲ジャンルについて

Performance Union Coreです。いま決めました。

つまるところ、何かのジャンルを具体的に想定した楽曲ではなく、いろんな要素を詰め込んだ楽曲になっています。そういうのが好きなんです。俺が信じる音ゲー曲をくらえ!!!!!

■楽曲構成について

さて、本楽曲は音ゲー曲らしくいろんな展開が含まれています。実はそれぞれのセクションにはそれぞれのイメージを付与しており、それを表すような曲調にしてあるというかちょっとしたストーリーになってたりなってなかったり。

ってことでセクション毎に解説していきます。
なんとな〜くで各セクションの秒数も書いておくので参考にどうぞ。


ついて、きて。

■開幕 0:00〜

冒頭の重めのガチャコン、みたいな音は会場のドアが開く音をイメージしています。大会に繋がるドアを開くと観客の歓声が出迎え、BPLの開幕を予感させる。そんなサウンド。

実際、ボルテ部門のBPLが行われた舞台はネメシスアリーナと呼ばれるハイテク空間だったのでそんな重苦しいドアは存在してなかったかも知れませんが、いいんです雰囲気雰囲気。

■混沌 0:11〜

さてさて、いきなり混沌とは何ぞや、と思われる方がいるかも知れません。サウンド的にはいきなり詰め込みまくりで、ちょっと妖しげなシンセメロディに、ドンツクドンツク4つ打ちが支え、その上に高速ラップが乗っかってもうワチャワチャのワチャ。何が何だか分からないかもしれませんが、けどちょっと楽しくありません?

それが混沌です。なんか分かんないけどワチャワチャして楽しい。よくわかんないけど本能が楽しんでいる。

例えるならば、それはボルテを触り始めた時期のよう。初めて触るつまみの要素。エフェクトで曲は変わるし譜面は回転するし、そもそも収録曲も聴いたことないジャンルの曲ばっかり。でもそれらは新鮮で、カオスだけれど全てが楽しい。

そんな気持ちを表したセクションです。

■修練 0:35〜

大会らしく熱くなれる直球のサウンドが欲しかった。けども熱いサウンドってなんだ。頭を悩ませる中でひとつの閃きが走ります。

ロックだ。ギターをギュイーーーンってやってドラムがドコドコ〜〜ってやつだ。けど俺、ロック作ったことない。人生で1回有るか無いか。

でも、プロ選手たちはBPLという新しい舞台、新しい時代に挑戦している。だったら俺もひとつ挑戦するしかあるまい!ということでギターをメインとしたサウンドを取り入れることにしました。最終的な完成系はロックというよりメタルに近い感じな気もしますがアツいサウンドになったのでOKです!

自分は楽器がなんにも弾けません。なのでぜんぶ打ち込み音源(リアルの楽器ではなくPCソフト内で再現された音源のこと)で表現しました。ギターもドラムもベースもわからん。キーボードも弾けん。だからこその挑戦です。ポチポチポチポチとクリックで打ち込み、出来るだけ生音っぽく聴こえるように調整しました。

結果、なんとかいい感じになったと思います。最近の音源の進化は凄いですね。

さて、セクションテーマの修練ですが、まさにエレキギターサウンドをBGMとして修練を重ねているイメージです。

例えるならば、それはなんとなーく楽しい!だった時代から少し経ち、なんだか真面目に『これ』に取り組みたくなってきたときのよう。そんな真剣に染まってきた気持ちが、彼らを修練に導き始めました。

■決意 0:54〜

うーん、落としですね。さっきの熱いサウンドから一転、ちょっと落ち着いて音数も少なくなり、すこーし緊張感が漂う雰囲気に。

セクションとしては短いですが、サビまでの繋ぎとして重要な部分です。転調なんてしちゃったりしてね。ちゃっかり盛り上げちゃったりしてね。

テーマは決意。
あなたはチャンスを見逃していませんか?よく「チャンスは平等に訪れる」なんて聞きますけど、あれホントだと思いますか?

個人的に、平等は言い過ぎだと思いますが、それでも自分が知らぬ間に見過ごしているチャンスってのも結構あると思うんです。もしくは、知ってはいたけど、気づいてはいたけど、怖気付いて掴めなかったチャンスが。

例えるならば、自分が真剣に取り組んでいたゲームのプロになれるチャンスが舞い降りてきた時。自分が大好きだったコトに大きな形で関われるような話が舞い降りてきた時。そんな夢のような話が、目の前まで舞い降りてきた時。

あなたは、それをすかさず掴むことが出来ますか?
不安に怖気づかず、1歩進むことが出来ますか?
その決意が、あなたには出来ますか?

そう、この曲は。
その決意を掴んだお前の物語。

■疾走 1:12〜

決意をしたならあとは走るだけ。行先が見えているならがむしゃらに走るだけ。そんな想いを乗せてシンセメロディが駆け出します。ひたすら真っ直ぐに。混沌も、修練も、決意も、ぜんぶ飲み込んで、ぜんぶ意味があって、それがきっとぜんぶ繋がっていく。

いわゆるサビです。直球で「音ゲー曲で~~~~~~~~~す!」みたいな雰囲気ですね。ここはもうバシバシ譜面を叩いてくれ〜という気持ちで作りました。こういうの作んのがいちばん楽しい。細かいフレーズだけでなく音ゲーらしいキメも忘れずに配置。

このセクションに関しては直球過ぎてこれ以上言うことないです。感じてください。遊んでください。以上です。

■熱闘 1:31〜

そして勢いは増していき、ボルテージを上げ、物語は次のステージへ。すべてのプレーヤーの、すべての人間の、すべての思いが勝負の場でぶつかり合う。

さいきん音ゲー曲を作る時に割りとアリだなと思うのが、サビよりも盛り上がる追加サビを作ることです。今回だと先述の疾走パートに対するこの熱闘パートみたいな。

音ゲー曲って驚きの集合体だと思っていて、いかにプレイヤーを驚かせるか、予想の上をいくか、そしてそのうえで違和感ない整合性をとっていくかという勝負だと思っているのですが、そのために必要なセクションのひとつが、サビを超えるサビだと思うんですね。さっきのがサビだと思ってたのにまだあるの!?まだ盛り上がるの!?!?みたいな。

とはいえ普通にサビを作るのもしんどいのに、それを超えるサビを作るのはもっとしんどいです。けど、なんでしょうね、自分の限界と戦い続けて、さらにその先の力を、結果を、ドラマを生み出していくのって、BPLと通ずるものがありません?結果論ではあるんですが。

盛り上げに盛り上げ、熱闘の予感を感じさせつつ、イントロと同じ展開に回帰し、ドコドコキックを鳴らして最後にワチャ〜っと音ゲー的に難し〜くして本曲は終了。そして各セクション解説も終了です。お疲れ様でした。

■さいごに

本当に長い文章になってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

一時期は「音楽なんだから言いたいことは作品そのものですべて語るぜ…」というスタンスをとっていたのですが、最近は心境が変わり、できるだけオープンにしようと心がけています。その結果がこの文章です。

それはそれとして、この曲をどう解釈するかは聴いたあなた次第でもあります。ここまで長く文章を書いてきましたが、作曲者が勝手に言ってるだけなので。あなたがこの曲を熱い曲だと思えばそれが正解だし、クールに感じると思えばそれも正解。

俺には俺のBrave Power Leader 《 = Voltage = 》があるし、あなたにはあなたのBrave Power Leader 《 = Voltage = 》がある。それでいいと思います。曲名長っ

数々の激戦を繰り広げてきたBPLS2ボルテ部門。その盛り上がりに少しでもこの曲が貢献できたのなら、これほど嬉しいものはありません。

そして!!BPLS2が終わってからも!この曲をたのしくいっぱい遊んでいただければ!!本当に本当に嬉しいです!!!!!

以上!Brave Power Leader 《 = Voltage = 》の作曲者、概念でした!!!!!!!!曲名長っ

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