今グングン伸びている！スーパー「ライフ」の儲かり戦略を徹底取材！① チェーン店なのに、店ごとに売り場が全然違う！その理由はお客さんの９分類!?②新商品開発の現場に潜入！「ライフ」のお惣菜を美味しくするプロセスセンターとは…！？
今回のがっちりマンデー!! は…
スーパーの「ライフ」！
年間売上げは７６００億円以上！
店舗数は、東京と大阪を中心に
グイグイ伸びて…
今年３００店舗を突破！
今、業界で一番勢いのあるスーパーチェーンなんです！
今回は、「ライフ」の儲かり戦略を徹底取材！
チェーン店なのに、店ごとに売り場が全然違う！
その理由は…「お客さんの９分類」！？
新商品開発の現場に潜入！
「ライフ」お惣菜のウマくて安いヒミツが明らかに！
というわけで、「ライフ」の知られざる
「儲かりのヒミツ」に迫ります！
※以下、9月17日放送の書き起こしです。
チェーン店なのに店ごとに売り場が全然違う！その理由は「お客さんの９分類」！？
スーパー「ライフ」は、他のチェーンと何がどう違うのでしょうか？
世田谷などのエリアを統括する、尾澤朋弘ストア部長に聞いてみると…
尾澤さん：「ライフ」の強みはズバリ！店長第一主義です。小さなお店でも年間で売上げ１０億円以上、大型店では年間６０億円以上売上げを作っております。いわゆる中小企業の社長という位置付けで、プライドを持って、店長は仕事をしております。
普通チェーン店というと、本部が全部決めて、それを受けて各店舗が同じように動くもの。
でも「ライフ」では、店長がガンガン独自にお店を仕切るんです！
一体、どういうことなのでしょうか？
やってきたのは、世田谷区にある…
桜新町店。店内をのぞいてみると…
スタッフ：広いですね～
広々としたフロアには…
野菜コーナーに…
魚介売り場…
お肉にお惣菜など、品数もかなり豊富。
こちらの持田泰助店長、実に１５年の店長歴を誇る「超やり手」！
では、どんな「お店づくり」を？
持田店長：こちら生食室と言いまして、ローストビーフなどの生で食べるお肉を生産する作業場になります。
スタッフ：売り場に持ってきた？
持田店長：売り場に持ってきました！
そう！持田店長、ローストビーフをカットする作業場を売り場の壁沿いではなく…
ど真ん中に作っちゃった！これなら、お肉をカットしている様子が３６０度どこからでも見えちゃう。
元々はお店のバックヤードの隅にあったのですが、これを見た持田店長、ある時ひらめいた！「これ、見せちゃったほうが食べたくならない？」
そこで、売り場にイチから…
作業場を作っちゃったわけなんです。
スタッフ：売上げアップしましたか？
持田店長：アップしました！
スタッフ：どのくらいアップしたんですか？
持田店長：１２０％ほどアップしました！
と、超やり手の持田店長ですが、この作戦のベースには「秘密のデータ」があるという。それが…
持田店長：実はですね、「ライフ」でお買い物をして頂いたお客様を、誠に勝手ながら９つに分類しております。
「ライフ」には、約５００万人のライフ会員がいるのですが、その人たちが１年でどういうものを、どのくらい買っているかなどのデータが、レジで記録されています。「ライフ」ではこのお客たちを、その買い物の「仕方」で９種類に分類！
お店ごとに、どの種類のお客が多いのか割合を弾き出し、それをベースにどういうお店づくりをすればいいか、各店舗の店長が作戦を立てるということらしい。
今回は特別に、どう分類して何をやってるのか、ちょっとだけ見せてもらえることに…
持田店長：こちらになります。
スタッフ：これは何ですか？
持田店長：商圏ギャップ分析と言いまして、お客様を９つに分類した資料になります。
スタッフ：どういったお客さん？
持田店長：これは「簡便」という分類です。
スタッフ：「簡便」？どういった分類なんですか？
持田店長：簡単で便利な食材をお求めになるお客様ですね。
冷凍食品やミールキットなど、ひと手間で食べられるものを買いたいお客。さらに…
スタッフ：「即食」というのは？
持田店長：すぐに食べられるもの、例えばお惣菜やお弁当ですとか。
お惣菜やローストビーフなど、一手間もかけず即、食べられるものを買いたいお客。
スタッフ：桜新町店さんだと、どの層が高いんですか？
持田店長：当店は特に「品質重視」になりますね。こちらが突出して高いですね。
桜新町店のお客は「品質重視」。とにかく鮮度の良さにこだわる人が圧倒的に多い。持田店長がローストビーフの作業場を売り場の真ん中に持ってきたのも、鮮度の良さをアピールするためだったんです。
では、他のお店では、どんなことをやってるのでしょうか…
恵比寿にある「ライフ」の旗艦店「セントラルスクエア・恵比寿ガーデンプレイス店」。
店長歴１５年、こちらも超やり手の松原雅昭店長に、この店のお客の特徴を聞いてみると…
松原店長：「健康志向」ですとか「品質重視」、「高級志向」ですとか、そういったお客様が多いですね。３つで半分以上を占めています。
恵比寿店に来るお客は「健康志向」＆「高級志向」！ ということで、松原店長が仕掛けたお店づくりが…
松原店長：首都圏で初めて、水槽を入れました。
なんと、鮮魚売り場に生け簀を作っちゃった！
もちろん水槽からピチピチで活きのいい新鮮な魚を取り出して…
活〆してキレイにさばいてもくれるとは…もはや鮮魚店！
スタッフ：イシダイって１尾おいくらですか？
松原店長：１９８００円です。
スタッフ：売れるんですか？
松原店長：売れます！
スーパーとは思えないお値段に、５０種類を超える豊富な品揃え！でも、恵比寿店に来るマダムなら…
お客さん：私はいつもこの鮮魚売り場が大好きです。
スタッフ：値段が高くても問題ない？
お客さん：美味しければ！
と、みなさん、松原店長の作戦にどハマり中なんです！
一方、こちら練馬区の「大泉学園駅前店」で、
店長歴１６年の高橋友久店長に聞いてみると…
高橋店長：「即食」だとか「簡便」とか、そういった商品が他の「ライフ」と比較して、売上げが低かったんですね。
こちらの「ライフ」は、大泉学園駅に直結の超駅近！
本来なら、腹ペコで会社帰りのお客がたくさんいるはずにも関わらず、「即食」や「簡便」のお客が少ない。高橋店長は考えた！「ここに伸びしろがあるはずだ！！」
そこで、お店のリニューアルを機に高橋店長が仕掛けた「お店づくり」が！
高橋店長：こちらが１階から移設した２階のお惣菜売り場になります。
もともと１階の奥にあったお惣菜売り場を、駅から直結している２階の入り口に移設！すると…
スタッフ：お仕事帰りですか？
お客さん：そうですね。駅から直結っていうのは便利ですね。
お客さん：直結でそのままお店に入って来て、総菜を目当てに来ました。
高橋店長のねらい、ズバリ的中！
スタッフ：売上げはどれくらい変わりました？
高橋店長：１．７倍です。お弁当だけで言ったら、２．７倍くらいです。
地域のお客さんを調べ、お店ごとに変えている！
これが、「ライフ」がグイグイ伸びてるヒミツなんです！
「ライフ」は…店長で…がっちり！
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん：なるほど。地域に合わせた陳列をしているってことですね。
岩崎社長：品ぞろえを変えてってことですね。
加藤さん：分類が９種類って言ってましてけど、残りはどんなのがあるんですか？
岩崎社長：これ出しすぎてまして、本当は詳しくは言えないんですよね。まあ出ちゃったんで言いますけど、あとは手作りをされる方。「即食」とか「簡便」とかありましたけど、そうではなくて、素材から手作りをされる方。あとは特売に反応して頂ける方、とかですね。
加藤さん：そういう分類の仕方なんですね。初めてお店を出す時って、そこの地域のデータが全くないわけじゃないですか。
岩崎社長：我々は近くにお店がありますので、そこのエリアから推計をしたりとかしてます。
加藤さん：なるほど。「ライフ」が今、右肩上がりで急成長してる理由といったら何になりますか？
岩崎社長：信頼して、任せるってことですよね。
加藤さん：でも任せたことによって、失敗も起きるじゃないですか。
岩崎社長：ありますよね。
加藤さん：その場合は、どういうリカバリーがあるんですか？
岩崎社長：もう、しょうがないですよね。
加藤さん：肚座ってるわ！
岩崎社長：前向きなチャレンジの失敗というのは、しょうがないですよね。それよりも、決断しなくて時間ばかりかかっちゃうとか、そういう方がむしろリスクが大きいかなと。だから、よく従業員なんかに言うのはですね、「スーパーマーケットって、スポーツで言うと、サッカーとかバスケットとかラグビー」。ワンプレーワンプレー、監督の指示見ないじゃないですか。プレイが始まったら、自分が目の前でどうするか。
加藤さん：ピッチで選手がどう考えるか。
岩崎社長：それが一番大事ですよね。だから「いちいち本社の社長の顔色伺わなくていい」って言うことを言っています。
加藤さん：そういうことか。
新商品開発の現場に潜入！ライフのお惣菜を美味しくするプロセスセンターとは…！？
「ライフ」で、お店と同じくらいスゴイのが…売っている商品！
スーパーの独自商品といえば「ＰＢ」、プライベートブランドなんですが、「ライフ」のＰＢの売上げがスゴい！
首都圏商品本部の関口昌久副本部長に話を伺いました。
関口さん：年間で７００億円強の売上げを誇っています。
そして、他のスーパーと比べて独自なのが…
「ライフ」のＰＢは、同じチェーンなのに４つあるということ。色々あるからお客も選びやすい！中でも、爆発的に売れてるＰＢを、田村嘉崇さんに伺うと…
田村さん：はちみつヨーグルトです。
２０１６年に発売したはちみつヨーグルト。今ではよく見かけるこの商品、実は大手では「ライフ」が初めて作ったんです！一体、どれくらい売れてるのでしょうか？
田村さん：累計で１０００万個になるくらい売れている商品になっております。
毎年１００万個以上も売れてる！って、誰が作ったんですか？
田村さん：自分です。がっちり！
でも、なんでヨーグルトにはちみつ入れようと思ったんですか？
田村さん：ヨーグルトと一緒に食べる商品で何があるかと調べていたところ、はちみつが上位にランクしていたので「これを開発したらどうかな」と思って開発しました。そうしたら売れちゃいました。
スタッフ：ボーナスとかは？
田村さん：ボーナスはちょっと…特にはもらってないです。
そして、スーパーでめちゃめちゃ売れる花形商品といえば…
お惣菜とお弁当コーナー！
「ライフ」では、唐揚げやコロッケなどの揚げ物から…
定番のポテトサラダなど、お弁当と合わせて４００種類以上の品揃え！首都圏のお惣菜を担当する小林哲明課長に売上げを聞いてみると…
小林課長：首都圏・近畿圏合わせまして、昨年の年間売上げが約８６０億円になります。がっちり！売れております。
ではここで、「ライフ」のお惣菜・お弁当売上げトップ３をご紹介！
第３位は…
小林課長：北海道産じゃがいもコロッケあまに豚入りになります。
北海道産の「あまに豚」をふんだんに使ったじゃがいもコロッケ。
１袋２９８円で、年間売上げ２億５０００万円！
第２位は…
小林課長：純和赤鶏むね肉 塩唐揚げになります。
岩手県産のブランド鶏を使用した唐揚げ１００グラム２５８円で、
年間３億円の売上げ！
そして、第１位は…
小林課長：だし巻き玉子焼き弁当（鹿児島産焼き鳥）になります。
だし巻き玉子と焼き鳥のボリューム満点弁当！１個６９８円で年間売上げは３億５０００万円！
とにかくガンガン売れる「ライフ」のお惣菜。店内厨房をのぞいてみると…
人、人、人で大忙し！
フライヤーでは、唐揚げや天ぷらをジャンジャン揚げまくってる！かと思えば…
鉄板焼きでは、プルップルのだし巻き玉子が手際よく作られていく！美味しそう！「ライフ」では、揚げ物や焼き物はほぼ全部お店の厨房で作る！
餃子と天ぷらの調理を仕切るのは、２年目の森戸香織さん。この日は、通常業務に加え新人さんの指導と、まさにフル回転！
森戸さん：一回餃子焼いたから、手洗って！
すかさず指示。
森戸さん：天ぷら揚げる時、餃子の匂いがついちゃうとダメなので洗います。
１人で何種類ものお惣菜を作るから、匂いがつかないよう必ず手洗い！調理をしながら、新人への目配りも忘れない！
と、その時！
森戸さん：（さつまいもの）枚数、数えてないでしょ？
三田（新人）さん：はい。
森戸さん：数えなきゃ！
森戸さんいわく、この「数える」のが厨房ではとっても大事！
森戸さん：作る数が決まってるので、少ないと出す数が少なくなっちゃう。そうすると、他の食材がロスになってしまうので。やりながら覚えるしかない！一緒にやって覚えるって感じです。
スゴいぞ、森戸さん！三田さんも頑張って！
そんな、「ライフ」のお惣菜づくりに欠かせないのが…
こちらの船橋プロセスセンター。
社員さん：こちらが肉処理室になります。
そう！ここは、店舗のお惣菜作りの下ごしらえなどを行う、いわばセントラルキッチン！サラダや煮物などは、１カ所でまとめて作った方が、効率が良いんだそう！そして、ここでは、儲かるお惣菜づくりには絶対に欠かせない「新商品開発」も行われているという。
スタッフ：今、実際に開発してる？
社員さん：はい。
今回、商品開発の現場を特別に見せてもらえることに！
バイヤーで開発リーダーの平山智隆さん、商品開発の鹿野圭祐さんと涌井翔次さん。開発しているのは、秋限定の人気弁当「秋の味覚満載御膳」。
お得感を出したい平山さんの希望で、価格は５５０円（税抜き）に設定。
本日は９マスの中に入れる食材の見直し。すると…
平山さん：舞茸ごはんに銀杏とか入れるのは？
涌井さん：何個ぐらい入れるかにもよりますね。
平山さん：２個入れても大丈夫？
涌井さん：２個だと…
すかさず電卓を叩き始めた開発員の２人…
涌井さん：４円ぐらい変わります。
平山さん：４円上がってしまう？
涌井さん：ちょっとオーバーしちゃいますね。
すると平山さん、今度は…
平山さん：彩りでわらびなを使うのはどうですか？２～３本あったらどうかな？
鹿野さん：３本だと２円ぐらい上がっちゃう。
理想のお弁当を作りたい平山さんと、コスト内に抑えたい開発員２人の静かな攻防…
と、ここで鹿野さんから提案が！
鹿野さん：ご飯の量で調整したら、何とか…
平山さん：いけます？
４０グラムあったご飯を５グラム減らして微調整！０.１円単位でコストを調整しながら、何が入れられるか…これは、かなりシビアです！
開始から１時間半…
平山さん：これでどうですか？
鹿野さん：これだと…
平山さん：５５０円で合います？
鹿野さん：いけます！
設定価格５５０円内に収めた秋の味覚満載御膳がコチラ！
種類も豊富で色とりどり！秋感たっぷり！
みなさん、売れるといいですね！
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん：これから秋に発売する新商品ってことですね。ああやって「銀杏２個入れるとオーバーになりますよ」みたいな、あそこまで１円単位の攻防ってあるんですね？
岩崎社長：あります。もっと言うと１円未満のところでやっています。
加藤さん：何銭の世界？
岩崎社長：そうですね。
進藤さん：プライベートブランドも充実していて、こちらに４つのプライベートブランドの代表商品お借りしてまいりました。
岩崎社長：ライフプレミアムというのは「高級志向」。
岩崎社長：これですね。鶏肉と食塩だけなんですよ。それ以外の調味料とか入ってないんですよ。これは本当に食べた瞬間、「美味しい！これは絶対売れる！」って思った商品です。
加藤さん：頂きます！（食べて）これは美味いわ！柔らかいですね。
岩崎社長：ありがとうございます！
加藤さん：量いけちゃう感じですね。
岩崎社長：少しでもリーズナブルということで、そういう商品開発をどんどん進めていきたいなと思います。
加藤さん：「ライフ」さんは、全国展開は考えていらっしゃるんですか？
岩崎社長：考えてないです。
加藤さん：何でですか？
岩崎社長：他のエリアにもしっかりとしたスーパーさんがあるんですよね。
加藤さん：地元に密着したスーパーって結構ありますよね。
岩崎社長：そんなところに今更「ライフでございます」っていってもですね、やはりそこで悠々とやってるスーパーさんがあるので。それよりも、今の関東と近畿圏をしっかりやっていこうと思ってます。
加藤さん：そういうことか。
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