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ヒーローになりたかったアラフォー男がSnow Manを応援する理由

こんにちは。都内で会社員をしているアラフォーの男です。2018年からスノ担(阿部担)になり、徐々に熱を帯びていった結果2021年には男1人の身でSnow Manのコンサートを鑑賞するに至り、その経緯を「アラフォー男が1人でコンサートに行くほど阿部亮平くんを応援する理由」というnoteに記載しました。

このnoteの冒頭で「なぜ私が阿部くん、そしてSnow Manを応援するのか書き表してみます。」と書いたものの、いざ書き始めると想像のウン倍の文字量になってしまい、阿部くんについては言及できたものの、Snow Manというグループについてあまり触れられなかったことが心残りでした。書きたいと思いつつ時間ばかり経ってしまいましたが、今回は自分がSnow Manに惹かれる理由を記してみようと思います。それは振り返ると、少年マンガのヒーローに対する捻くれた想いに端を発していたように思います。

人生初めての「推し」

突拍子もない問いから始まるのですが、ドラゴンボールで好きなキャラって誰ですか?悟空?ベジータ?トランクス?ピッコロ?自分はドラゴンボールZど真ん中世代で、小学生だった当時、教室の話題によくあがっていたのを覚えています。友達の間で人気だったのは上述したキャラクター達でしたが、自分が好きなのはクリリンでした。

ドラゴンボールよく知らない方もいると思うので説明します。悟空やベジータやトランクスは地球人の見た目をしつつ「サイヤ人」という戦闘民族の宇宙人です。ピッコロはナメック星出身のこれまた宇宙人。地球を舞台にしつつも、戦闘力の高いキャラクターは大概地球外由来のキャラクターなんですよね。

クリリンは地球人です。悟空と同じようにカメハメ波も撃てるし空も飛べるんだけど、サイヤ人達とは戦闘能力に超えられない壁があって、悟空がセルとか魔神ブウ(どちらも敵の大ボス)と戦う時は、岩影で手足ブルブルさせながら「あわわわわわわ」と遠巻きに見護るモブキャラに徹してました。でも地球人の中で1番強いのはおそらくクリリンなんですよ(ヤムチャだろ、という異論は認めます)。

なぜクリリンが好きなのか。悟空もベジータもトランクスもピッコロも、強いのはもちろん過酷な修行あってのことだけど、生まれながら持ってるものが違ければ勝ち目ないじゃん、ズルいじゃん、と子供ながらに感じていたからです。クリリンだって、悟空と長年共にし同じように修行を積んできたのに、元が違けりゃどうしようもないじゃんと。それにクールなキャラクターが多い中で、お調子者でスケベで坊主頭もチャーミングです。今思えば人生最初の推しはクリリンだったのかもしれません。当時は「推し」なんて言葉はなかったけど。その後の自分も、主人公属性じゃない方を好きになりがちなので、3つ子の魂なんちゃらってやつですかね。

自分は主人公にはなれない

周りと比較して、自分自身の能力を把握する機会が乏しいからか、幼いうちは多くの子どもたちが赤レンジャーなりたい、なれる、と憧れます。子供ゆえの万能感無敵感。そんな中で自分は早々に身の程を知った気になっていました。悟空に憧れられる友達を羨ましくも思っていました。

小学生の頃に仲の良かった幼馴染の1人が、かっちゃんって言うんですけど、顔も良いし、運動も得意だし、お調子者でギャグも言えるし、学年で1番の人気者でした。かっちゃんの短パンから覗く脚はスラリとシュッとしてるのに、自分はモーンって感じで、贅肉という概念すら分かってなかったので、なんでかっちゃんの脚は自分と違ってかっこいいんだろう、とか思っていました。サラサラストレートな髪の毛も羨ましかったな。

かたや当時の自分は、いじめられっ子とまではいかずとも、揶揄われがちな子でした。滑舌が悪く、声も高く、仕草や見た目が女の子っぽくもあったようで、小学校低学年の頃は「オカマ〜」と声を浴びせられたり、「○○(自分の名前)菌が感染る、タッチ」なんて態度をとられることもありました(オカマいじりも菌呼びも、今は廃れていることを切に祈ります…)。そういう扱いを間に受けすぎて落ち込みすぎることは幸いなかったものの、運動ができるわけでもギャグが言えるわけでもない自分は、全くかっちゃんとは違う。あくまで自分はかっちゃんの脇役だ。そんな自覚をしていくうちに、ヒーロー系のキャラクターには全く思い入れができなくなっていきました(余談だけど、かっちゃんはこんな自分とも仲良くしてくれただけじゃなくて、他の誰をいじめることもなく優しかったな。そんな所も人気者だった所以なんだろう)。

人と違う何かを目指して

中学生にもなってもクラスでの立ち位置は大して変わらなかったですね。むしろ教室内カーストがより明確になって、ちょっとした口撃も真実味が出て残酷になる。自分が茶化されているのは話し方や仕草が人と何か違うから、と受け止めていたので、社会の授業で「アメリカは人種のサラダボウル、多種多様な人を受け入れる土壌がある」と習っては、アメリカに想いを馳せたりもしたな。

勉強と水泳はそれなりに人よりこなせたのが救いでしたが、上には上がいて、一晩教科書をサラッと読んだだけで自分より良い点を取っていく同級生がいたり、水泳も県大会に入賞するような同級生は痩せマッチョで腹筋がきれいな6パックに割れていたり、思い返せば人の才能を羨んでばかりいました。こういう経験の積み重ねを、コンプレックスという言葉で自覚するようになり、夜ごとに自分に対する肯定と否定の自意識を反芻していました。

そんな夜を繰り返して自分なりに出した結論は、凡人の自分は、人より努力をするのと、人と違うことをやるかない、との考えでした。「世の中かっこつけててそれよりかっこよくなきゃいけない もし飛び出るんだったら」と安室ちゃんが歌っていた意味も少し分かった気になりました。

しかし何がどうしてそうなったのか、目指す方向を迷走して、篠原ともえみたいにならなくちゃと思っていた時期もありましたね…。もちろん今のファッションデザイナーやモデルとして活躍してる姿ではなく、今で言うフワちゃんみたいな方向性で。とりあえず、学校指定の通学カバンに安全ピン複数づかいで×マークみたいなあしらいを作ってみたり、キャラクターもののキーホルダー大量付けしたりしたよね。笑わせるようなことは言えないが、笑われるように振る舞うことはできる。男っぽくない自分を逆手に取っておどけてみたり。王道で戦ってはいけない。人がやっていないことをやらないといけない。コンプレックスも武器にしていく。そういう思いを拗らせた結果、変わってるね、と言われることを褒め言葉として嬉しく受け取っていました。思い返すと背筋が凍る気分です。人はこれを黒歴史と言います。そんな捻くれた心づもりでずっと生きてしまっているので、ヒーローになれない自分を正当化するためにメインストリームのカルチャー全般を毛嫌いしてしまい、サッカーもスラムダンクもワンピースもサウナもキャンプもスパイスカレーも全部カッコ悪いと判断する偏屈な大人になってしまいました。

無意識に感じたシンパシー

でも、ジャニーズというメインストリームのエンタメであるSnow Manに惹かれたのだから、我ながら興味深いことです。ファンになったのは、ある種の黒歴史があったからかもしれません。きっかけは2018年頃、ザッピングで何気なく観たYouTubeのジャニーズJr.チャンネルでしたが、人とは違う魅せ方に静かに奮起になっている彼らの姿に、勝手かつ無意識のうちに、過去の自分を重ねていたのだと思います。

その頃の彼らは、ジェットコースターがいくら苦手だからって全速で下る時に円周率100桁呟き出す人がいたり、キメ台詞を求められていきなり真顔で「薔薇の花言葉って知ってる?」などと花言葉を語り出す人がいたり、「うれピーマン」とか言いながらアクロバティックなオタ芸繰り広げる人がいたり。方や目をやれば、筋肉オタクみたいなマッチョがいるし、UFOキャッチャーで何でも取ってくれるマブイ兄ちゃんがいるし、涼しい顔した塩顔イケメンが5歳児だったり。めちゃめちゃキャラ作りしっかりしとるじゃんと。

当時の自分はジャニーズについて明るくなかったので、その時調べて初めて知ったんですが、ジャニーズJr.って200〜300人とかいて、そのうち100人くらいは1年ごとに入れ替わるとも。ジャニーズ事務所に入れたら順風満帆な人生が送れるもんなのかと勝手に誤解していました。むしろ本当に一握りなのかと。そっか、彼らももちろん十分にかっこいいのだけど、それでもさらに光を放つ人たちがいたりするのが芸能界なんだな。だから、人とは違うユニークさが必要なのか。阿部くんも気象予報士の資格をとった理由について「歌とダンス以外に自分の強みが欲しかった」と語ってました。

それから妙に彼らのことが気になってしまい、YouTubeを追い続けました。彼らの振る舞いや、ジュニアながら当時25-26歳と大人でいながら残っていられる状況から、彼らは自分たちで居場所を作ってきた人たちなんだろうなと感じたのを覚えています。そういった姿勢に勝手ながらシンパシーを感じ、当時デビュー直後だったKing & Princeとはまた違った輝きを持っている様に思えました。

先天的な魅力より後天的な魅力が勝る存在

自分が迷走しただけに、人と違う何かに辿り着くのは簡単なことではないと思います。その何かを見つけるまでも大変だし、見つけてからも自分が受け入れて温めることができるか、というプロセスも必要です。理想像に対しての実際受け入れることができずに、自分は新卒の就活で大苦戦をしました…。

彼らもきっと幾多の試行錯誤の上で今に至っているのだと思います。岩本くんだって昔はSASUKEの常連になるなんて考えられないくらい細かったし、さっくんだって大人しい引っ込み思案だったし、舘様も今の寡黙でロイヤルなキャラクターとは違う、明朗活発な「宮ちゃん」だったし、彼らも、全てナチュラルボーンの上に成り立っている訳ではないですよね。ふっかは6人時代は真ん中の方にいたけど、立ち位置が変わって苦心したんではないかと慮っています。ラウールも少年忍者の頃からは想像できないくらいの色気と存在感を放つようになりました。パリコレモデル務めるにあたっての研究もあったはず。しょっぴーは昔はMCの回し役だったけど、今は傍からツッコミやボケをいい味で入れてきます。康二はSNSを意識してか、もみあげ手裏剣とか動脈ピースとかOKカフとか研究に余念がない。阿部くんも普段の優しい印象を逆手にとった怒った姿が面白いことをものにし出しました。めめは今でこそ首元に手を当てたキメポーズで色気振り撒いちゃってるけど、テクノカット前は田舎のヤンキー臭から一変しましたよね。

彼らを追っていて経緯を知っているからかもしれませんが、彼らは自分たちの魅せ方に特に意識的であるように見えます。ライムスター宇多丸氏が「アイドルとは、実力よりも魅力が勝る存在」と定義しており、なるほど!と膝を打ったのですが、これに倣い自分がSnow Manに感じているのは「先天的な魅力より後天的な魅力が勝る存在」です。生まれながら持ち合わせてしまった美しさや存在感よりも、生きていく中で培っていった自分の魅せ方や得手の魅力が圧倒しているグループだと思っています。

飾らない自然体の姿ではなく、自分たちのコントロール下にある作為的な姿をアイドルが提供する行為は、裏が透けてしまって興醒めという意見もあるけど、自分はそういうところが愛おしく魅力的に感じます。自宅の鏡の前とか、自撮りとかして研究してるんだろうか、とか色々妄想して、その努力とかまで愛おしく、かつ尊く感じてしまう。つくづくアイドルのファンというのは身勝手な楽しみ方をしていると嫌にもなります。

ところで、彼らはオリジナルメンバー6人のところに、後から3人が合流する形でできたグループなのですが、特にデビュー前後くらいに「3人が加入したから人気が出た、デビューできた」という声が散見されました。そんな声に辟易していたのですが、たまたま見かけたYahoo!ニュースにめちゃめちゃいいコメントがついていたんですよね。「3人が加入したからオートマティックに人気が出たわけではない。9人になったことを彼らが成功にさせた。」と…!いや、まさにそうだなと。各々がグループの中でどう振る舞うか、グループをどのように魅せていくか、彼らが自覚的に作り上げていったことで今の彼らがあるのだと。心の中でイイねボタン100回連打しました。

彼らを応援する理由

学生時代のような強度は弱まったものの、人一倍努力するか、頭を使うか、人がやってないところへ行くかしなきゃいけないという観念は、この歳になった今でも囚われているのが正直なところです。それに、ありたい自分を突き通したとても人から求められていなかったら、それを突き通せるほど強くはありません。自分のできることと、やりたいことと、求められていることを調整し標準を合わせていくことで居場所を作っていくのが自分には合っているのだと思っています。会社や学校は、ディズニーランドや三ツ星ホテルの様にもてなしてくれる訳ではないから、その環境をどうこなしていくか。夢に見ていた自分じゃなくても真っ当に暮らしていく。なんだか就活の自己分析みたいだし、閉塞感の中で生きる小ぢんまりとした現代の若者感で嫌にもなります(いや、アラフォーは若者とは言わないか)。でもこれが今現在の自分なので仕方ない。そんな自分が嫌になったり、ふと物思いに耽りたくなるような時、会社からの帰り道や寝る前のベットの上で、スマホから流れる彼らの曲や、YouTubeで見る何気ない動画で、自分を保ち続けられそうな心持ちになったりします。Snow Manも頑張ってるから自分も頑張ろうかなと。彼らを応援することは自分自身を応援することにもなっています。

あ、そういえば自分も少し柔軟になったかなと思う出来事がありました。長年ディズニーも食わず嫌いしていたのですが、今ならもしかして楽しめるのでは?とふと思いたち、友人を引き連れて16年振りくらいにディズニーシーに行きました。人から見ればなんてことない行為かもしれないけど、自分の中では一種のブレイクスルー的な出来事でした。彼らを応援することが、これまで積み上げてしまった壁を少し打ち砕いているのかもしれません。

つまり何が言いたいかというと、、、

Snow Manデビュー3周年おめでとうございます!!!!!!!!!
みなさんの活躍を我が事のように嬉しく思い、また励まされたりもしています!!!!!!!!!
忙しく気を病むようなことも多いと思いますが、ご無理されることなく、更なるご活躍を祈念しております!!!!!!!!!

(前回同様、強引にまとめてしまいました)

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