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シンガポールに1年住んだらヒッピー感が加速した話

サーフィンのことで基本的に頭がいっぱいですが、私は普段はシンガポールの企業で営業として働いています。日系企業ではあるのですが、全従業員の1%くらいしか日本人の同僚がいないのでほぼ外資系企業みたいな雰囲気です。直属の上司も外国人で、彼女とは英語でのコミュニケーションになります。

気づけばシンガポールで働き始めて1年になったので、今回は個人的にこの1年で感じたことを素直に綴ろうと思います。なお、完全に私見なので悪しからず。

感想に入る前に、まずは私の内面をご紹介。
その方が、「こういう人はこうなりやすい」と納得しやすいかと思います。

「あなたはどんな人?」と今聞かれたらすぐに思いつくのは以下です。

多国籍な環境が好き/多様性を楽しめる
ルールに縛られるのは嫌い/形式より内容
物事は効率重視で早く進めたい
お金より経験を重視
感性豊かな方
ある程度の社会性はあるが結構一人が好き
不要な買い物が嫌い/全くグルメじゃない
自然が好き

その中でも「お金より経験を重視」する私にとっては、結論、シンガポールを好きにはなれませんでした。その理由は、

シンガポールは強烈な資本主義に支配され
お金を稼ぐこと=世の中で認められる一番重要な指標
と認識されている気がするから

です。

1年住み、シンガポリアンや周辺国から移住し働いている外国人たちと話をすると、会話の節々に価値観のズレを感じます。

上述のとおり、私はお金を稼ぐことよりも如何にかけがえのない経験をするかに重きを置きます。
それは例えば、日本人にとっては遠い存在であるアフリカの人々と一緒にビジネスをする、車をキャンピングカーに改造しサーフボードを積んでニュージーランドを旅してみる、恋愛なら日本人じゃなくて外国人と結婚してみる、こんな具合の話です。
就活生の頃、大手の外資系投資銀行で働くある先輩がこんなことを言ってました。

「社会に出たら、年収が自分の評価・価値になるんだよ」

先輩は真顔で私にエールを送っていたので本気だったと思いますが、本気でこんなこと言えちゃうのってすげーなと今振り返ると思います。
そもそも自分の生き方を人に自慢し比較する必要もないのですが、そうしたがるのが人間の性。私は年収よりも、上記の例にあるような多数派が避けがちな冒険?をして得られる経験を人から自慢された方が、めちゃめちゃ羨ましいなぁと思います。

話を戻します。
一方で、私がシンガポールで出会ったローカル・外国人たちはというと、

「とにかく高給取りになっていかに贅沢できるかが重要」
「仕事内容よりも給料」

こんな思考の人が多い印象です。私がどちらかというと精神的な豊かさを求めるのに対して、彼らは圧倒的に物質的な豊かさを求めている、とでもいうのでしょうか。

これは完全に個人的感想なのですが、一般に先進国と言われる日本を含めた欧米諸国の人たちは、物質的な豊かさよりも精神的な豊かさを求める傾向にあると思います。だからノマドライフバンライフなど、豊かな現代社会から離れようとするムーブメントに先進国の人々は魅力を感じるのだと思います。生まれながらにして物質的に豊かな国の人々は一周回って精神的な豊かさを求めるのかなぁと思います。

誤解頂きたくないのは、精神的な豊かさを求める方が人間として一歩進んでいると言っているわけではないです。会社員を辞め、競争社会から一歩離れて自分の感情に正直に生きることが流行る国々を見ると、何となくいわゆる先進国の人々が多いのかなぁと感じているだけです。

シンガポール以外のアジア諸国を周ると、日本人よりも経済力の低い人々を多く見かけます。その人たちは当然明日を生きるためにお金を稼ぐことに必死です。これは当たり前だと思います。お金よりも経験なんて言ってたらぶん殴られると思います。

シンガポールはというと、国自体は圧倒的先進国なのですがなぜか出会った人々はお金を稼ぐことに執着しているように思えます。
経済的に後れをとっている周辺国と比べ、十分に豊かな環境で生まれ育つのになぜモノ・カネの豊かさをまだ求めるのだろう、私はずっと違和感を感じています。
再度になりますが、精神的な豊かさを求める方が優れていると言っているわけではないです。ただ、こういう考え方は私のような人間の価値観とは合致しないと感じているだけです。

人間の豊かさとは?

正解はなく定義は人それぞれですが、この国に1年住んでみて自分が何に幸せを感じる人間なのか、何となく再認識した気がします。

最後に余談ですが、この前Youtubeでとある人物の名言が取り上げられてました。

「優れようとするな、異なれ」

これは競争社会で疲労困憊している人たちに向けた言葉です。部活、学業、仕事、いろんな分野で1番になることは素晴らしいことですが、それを叶えられるのは一部の人だけであると大人になればみんな悟ります。
だからと言って努力することを諦めるわけではなく、他人とは異なる自分のアイデンティティをしっかり確立していくことが大切である、異なればおのずとその分野で優れていく、そういうことをその人は訴えていました。

良い言葉だと思います。

だから私も、この先も貴重な経験をたくさん積んで、人と異なっていきたいと思います。


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