発達障害。1

本人スペック(2023年12月9日現在)
30歳
男性
事務職

病歴
2021年6月7日 ADHDと診断

服薬(2023年12月9日現在)
・インチュニブ 6mg(3mg×2錠)
・アトモキセチンカプセル 120mg(40mg×3錠)
・レキサルティ 1mg(1mg×1錠)
夕食後(21時〜22時頃)服薬

前提

発達障害の症状は人それぞれ個人差が激しいものだと思っています。
同じ病名で診断されたとしても、これから書き記される事に当てはまるとはかぎりません。
また、自分は医者でも専門家でもなく、ただの一般人がADHD治療を受けてきた人間でしかありません。
あくまで、1凡例としてご覧ください。
また、ここに書かれている事を実践された結果について、責任を持つことはできかねます。自己責任でお願いいたします。
ここに書かれていることは私の経験であり、正解ではない事を重々承知の上、参考程度にご覧いただければ幸いです。
よろしくお願い致します。

はじめに

この記事を書こうと思ったきっかけは、自分の周りに「もしかしたら自分は発達障害かもしれない」と思う方が増えてきたと思ったからです。
自分が初めて発達障害と分かった時、右も左もわからず、とても苦しい思いをしました。
もし、自分が発達障害かもしれない。または、発達障害と診断された。となった時に、どうすればいいのかなど、自分の経験した事を可能な限り書き残したいと思い、今回記事にしようと思いました。
もしこの記事を読んで、1人でも多くの方が、本来しなくても良い苦しみから解放されるのであれば、書いた甲斐があったなと思います。
前提には強く書いてしまいましたが、本当にこの病気は個人差が大きく、これから書き綴る自分の経験が全く別の病気について書いてあるように感じるかもしれません。
その場合は別の方の体験談や、市販されている本を参考にしてください。
あなたにとって、何かの足がかりになる事を願っております。

発達障害かもしれないと思ったら

まずは診断を受けましょう。


病院は精神科、精神内科になります。
発達障害の治療をしているか、病院のホームページを確認しましょう。
最近、精神科はとにかく混んでいるので、そもそも予約できないという状態があります。
その場合、予約するだけでも何十件と電話する事になるでしょう。めげずに頑張りましょう…
個人的にGoogleマップでの口コミはボロカス書いてあって参考になるのでおすすめです。口コミばかり頼りすぎるのも問題ですが、参考程度に見ておくのもいいかもしれませんね。

障害かどうかのライン

少し余談ですが、発達障害を病気と呼ばず、「特性」と表現される専門家の方々は多く存在します。
自分もその考え方には賛同できますが、今回はあくまで「病気」という表現を使わせていただきます。
自分の考えで申し訳ないのですが、「特性」と「病気」の境界線は何かと考えた時に、社会生活において支障が出て困ったら「病気」、困らなければ「特性」だと考えています。
困らなければ病院に行く必要はないですし、治療もしなくていいからです。
障害とは前者を指し、後者の場合、私はあなたにとっての個性、特技、利点などのプラス要素と考えております。
自分が発達障害かもしれない。そう思い病院に行こうか悩んだ時、この判断基準を使うといいかもしれません。
あなたはこの症状について、困ってますか?困ってませんか?
参考にしてください。

発達障害の診断は何をもってされる?

医師との会話や診断テストなど総合的に判断されます。

これは自分の経験ですが、医師への症状の説明時に速攻バレました。
その医師がとても優れていただけかもしれませんが、会話の仕方で見抜いたそうです。
また、どう言った事に困っているかなどからも判断材料がありそうですね。
この辺りは医師でないとわからないでしょうし、自分が詳しく書きすぎて意識をしてしまって話をした結果誤診なんてことがあると困るので、詳しく書きませんが、とにかく今困っている事をありのまま話せば、専門家である医師はすぐにそれが発達障害由来の症状なのかどうかがわかります。
また、知能テストなどの客観的な数値で出るテストも受ける事になるかもしれません。(保険適応外。15,000円くらいでした。)
これについても結果に支障をきたす恐れがあるので詳しくは話せませんが、色々な判断要素があるとだけ知っておいてください。
そして、受けるのであれば、必ず結果を気にせずピュアな心で臨みましょう。

病院に行くメリットデメリット

メリット

自分の症状が発達障害由来の症状とわかる。
自分の敵がなんなのかわかるので対策を練る事ができるようになる。
薬を処方してもらうことにより、症状が緩和される。
診断書を書いてもらえるようになるので、色々な申請ができるようになる。
相談ができる人が増える。

デメリット

症状が確定して落ち込み、鬱などを併発してしまう。
治ることはないと塞ぎ込んでしまう場合がある。

メリットデメリットを見て、自分はそれでも病院に行くべきだと思います。
病院に行くというと後ろ向きなイメージがありますが、これから長く付き合う自分の敵を知るためにも、前向きな気持ちで病院に行くべきだと思います。

診察?カウンセリング?どっち?

カウンセリングは臨床心理士の方とお話をして、自分の頭の中を整理していくものだと考えています。
ゴールが見えない。頭の中が整理できない。漠然とした状態にある現状を、診療心理士さんに話し、診療心理士の方からのアドバイスや、話しているうちに自分で納得するなど、答えを見つける場だと思っています。
逆に答えがわかっている方、ゴールがわかった方にとってはあまり意味がないかも知れません。
診療診断士の方は医師ではないので、薬の量や具体的な診察などは行う事ができません。
患者に寄り添い、患者の中に眠っている答えを患者自身に気づかせるイメージです。
医師は具体的な改善案や症状の出方から薬を処方したりなどの診察が行えます。
適宜使い分け、本当に必要な診察、カウンセリングを受けましょう。

発達障害と診断されたら

発達障害を知ろう

発達障害と診断されてまずやる事は、発達障害というものを知りましょう。
敵を知らなければ戦いようもありません。
まずは敵を知ることから始めましょう。
ここで注意点が1つ。
1つの情報源だけを見て、納得するのはやめましょう。
発達障害と診断された段階において、必要とされる知識は深い知識です。
多くの情報を見ると、共通して書かれている事に気づくと思います。
それは正解に近い情報と言えます。
もちろん、少ない数の情報が全部嘘かと言われればそうではありませんが、嘘である可能性もあります。
とにかく多くの情報を集め、自分の敵はどんなものかを知りましょう。
ここは自分が診断された時に1番最初に躓いたところになるので、発達障害の簡単な知識について後述します。

発達障害とは

発達障害とは脳の病気となります。
前頭葉なら働きがなんたらかんたら…
自分の理解はゲームのキャラクターメイクです。
もしくはコーンフレークの裏に書いてある栄養素の五角形くらいの表を思い浮かべてください。
発達障害ではない人はこの表がバランスよく全てのステータスが3です。
攻撃力も守備力も魔法力も素早さも回避力も全て3。
発達障害の人はこの表がアンバランスです。
攻撃力は3だけど守備力1で魔法力は5で素早さは20とすば抜けて回避力は-10みたいな感じ。
コーンフレークの成分表も結構ギザギザしてるイメージなので発達障害の人の五角形のイメージですね。ビタミンCめっちゃとれる!みたいな感じです。
ここで言う素早さ20は「特性」です。
発達障害に置き換えると多動性における「行動力の高さ」などでしょうか。
逆に回避力-10は「障害」です。
発達障害に置き換えると不注意における「ものを無くしやすい」や、「ミスが多い」などでしょうか。
素早さが20とありすぎる事により暴走してしまったりするとこれまた「障害」と言えるでしょう。
発達障害でない人はこの辺りのステータス振りがバランス的なので、ミスするにしろそんな頻繁な回数ではなかったりしますし、暴走することも少ないでしょう。
発達障害は何かの能力を特化させすぎた結果、他とのバランスが崩れてしまっている状態と言えるでしょう。(詳しい脳のメカニズムなどは各々調べてみてください。難しいのと専門的すぎてここに書けません!)
なので、前述の通り、発達障害は「障害」ではなく、「特性」と呼びますという専門家の方がいる事には納得がいきます。
大雑把な理解ですが、発達障害のふんわりしたイメージは持ってもらえたでしょうか?

もう少しだけ突っ込んだ話をすると、発達障害とはADHD(注意欠如・多動症, 注意欠如・多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム)、LD(学習障害)の3つから構成されます。
この3つが複雑に絡み合う事により、発達障害となります。
そしてこの絡み合い具合は数値化し客観的に見る事はできません。
自分の感覚で、何ができて何ができないかによって、自分はADHD寄りのASDかな?などのあたりをつけていく事になります。
ただし、後述しますが、治療薬としてはどれも同じ物を使用するため、この3つの障害の具体的な比率がわからない事による治療方法に違いはないようです。
仕事選びなどではこの3つの障害の具体的な比率により向き不向きが分かれるので、個人的にはかなり重要だと感じますが、今は自分の感覚でしか判断できません。

具体的な症状

発達障害の症状は本当に多くありますので、各々調べてもらえればと思いますが、いくつかは列挙いたします。
これから列挙する事は、発達障害ではない人でもよく起こす事です。
では、発達障害の人との違いは何か。
前述の通り、それについて困っているかどうかです。
発達障害の人にとってこれらについて、とにかく毎日。1日のうちに何度も繰り返し起こり、生活に支障が出ます。
発達障害ではない人の1日1回程度の頻度ではありません。
また、全ての発達障害の方がこの症状全てを引き起こすわけではありません。
それを前提にご覧ください。

・物をなくす
・スケジュール管理ができない(遅刻する)
・お金の管理ができない(借金してまで衝動買いをしてしまうなど)
・整理整頓ができない
・マルチタスク(同時進行)ができない
・座っていられない(じっとしていられない)
・話を遮ってまで自分の話をする
・会話に連動性がない(朝ごはんの話から遊園地に行く話にいきなりなる)
  例)朝ごはんはパンでしたが、今度の遊園地は楽しみですね。

その他については各々調べてみてください。
例えば自分の場合、発達障害ですが、お金の管理は問題なく行えております。
また、座っていられないと言うのは幼少期はあったようですが、今では事務職をできるぐらいには座れてます。なのでこれも問題ないと言えるでしょう。
物は速攻無くします。スマホは日に5度は無くすでしょう。
マルチタスクとか無理すぎて無理です(?)
これを見ているあなたも、いやこれはできる。や、これは確かに無理。などあると思います。
現状、それが発達障害由来のものなのかと思うだけで大丈夫です。

発達障害を知るメリット

発達障害について書いてきましたが、果たしてこの知識って何に使えるの?と思われている方もいるかもしれませんので補足します。
発達障害を知るとここで便利。というか知ってないと対処できない!事を列挙します。

・自分の「発達障害だからできない事」がわからないと対策のしようがない。(治らない)
・周りの理解を得ようとした時、説明できないと適切な配慮を受けることができない。(障害者枠での雇用時に説明できることが必須となる)
・周りの誤解を解くことができない。
など。

特に、職場や近しい人への説明は必須の病気です。
自分が詳しくないと、当事者じゃないもっとわからない人にはもっとわかりません。
自分がどう言う状態で、どのようなことができないから、こう言う配慮が欲しい。
これは言えるようになりましょう。
  例)作業をしていると、集中しすぎて周りの声が全く聞こえなくなるので、用事がある時は肩を叩くなどしてワンクッションあってからお願いします。 

発達障害の治療

発達障害は完治する?

辛い事を言います。
2023年12月現在、発達障害に完治はありません。
例えば風邪のように薬を飲めば完治する病気ではありません。
では、どのような治療を受けていくのか。
大きく分けて2つの治療があると思っております。
1. 投薬治療(医師による治療)
2. 環境づくり(自分自身による治療)
主な流れはこうです。
1. 投薬治療により処方される薬を飲む。→発達障害の症状が緩和される→2. 発達障害でも問題が起きないよう環境を整える→繰り返し
特に2. 環境づくりで発達障害はかなり楽になると感じています。
環境づくりとは、職場の人や家族に配慮を求めるであったりとか、癖作りをして、確認プロセスを組み込む事で失敗を未然に防ぐ。などです。
え?じゃあ病院行く意味なくない?と思うかもしれませんが、意味はあります。
後述しようと思いますが、カウンセリングを受けて、自分ではわからない事に気づいたり、医師に相談する事でアドバイスをもらったりすることができ、素人の目線ではないところからのアドバイスをもらえます。
また、服薬していてもあまり実感が湧きませんが(激的な治った!っと言う感覚わありませんが)、やはりミスなどは減っているのかなと感じるので、多分効いていると思います。
では、具体的に1. 投薬治療から見ていきましょう。

1.投薬治療

発達障害の治療薬

2023年12月現在の治療薬は3種類。
・コンサータ
・ストラテラ(ジェネリック:アトモキセチンカプセル)
・インチュニブ(ジェネリック:無し。先発品のみ。)

※コンサータは処方できる医師、薬剤師が決まっており、患者も登録が必要。残り錠剤数なども厳しく管理される。
各々効能は各自調べてください。
自分はストラテラのジェネリックとインチュニブを服薬中です。

経験した副作用

副作用については個人差が強い項目になります。
合ってないと思ったらすぐに医師に確認後服薬を止めてください。
自分の場合、今まで副作用というものが出たことがなかったのですが、この薬たちでは出ました。
・インチュニブ
飲み始めた1mgの時、初日にふらつきがありました。
貧血や低血糖のようなもので、握り拳を作れないぐらい力が入らない。立っていることがしんどい。気持ち悪い。などです。
少し飲み続けるとその症状は出なくなったので、現在は最大量飲んでいます。
・ストラテラ
これが原因かわかりませんが、現状医師がいいと言ったので飲んでいるストラテラですが、インチュニブと一緒に飲むと胸が痛くなります。
調べてみてもそのような副作用は書かれていないので別の原因かもしれませんが、インチュニブ単体では起きないので、一応書いておきます。
ここは自分だけかもなので、ふーんって飛ばしてください。
・飲酒について
絶対やめてください。
アルコールと反応して、薬の効果がとんでもない事になります。
具体的にはめちゃくちゃ鼓動が速くなり、吐くものが無くても嘔吐を繰り返します。
胃液が無限に上がってきます。2〜3時間ぶっ通しで吐きます。
もしそうなったら自分は胃薬飲んだら治りましたが、絶対にやめてください。
本当にしんどい…

薬の効果が出るまで


この薬たちは継続して飲む事で効果を発揮します。
頓服のようにその時その時で飲んでも効果はありません。
毎日継続して飲みましょう。
しかし我々発達障害にとっての大きな壁がここに立ちはだかります。
物忘れです。飲み忘れる事があります。
この辺りは医師との相談になりますが、自分は必ず夕食後と決めております。
夕食後に1回。全てまとめて飲みます。
それは自分が忘れない1番なタイミングなのでそうしました。
相談してみてください。
また、もし飲み忘れてしまった場合は追加で多く飲んだり(自分の場合次の日の夕食後に2日分飲む)、気づいた段階で飲む(翌日の昼に気づいた)などせずに、夕食後まで飲まず、いつも通り夕食後に1日分を飲むようにしましょう。
この辺りについては医師より説明があると思うので、よく説明を聞き、自分に合った向き合い方をしましょう。

2.環境づくり

まずは自分を知る

環境づくりでまず大切な事は、自分が何ができないかを知る事です。
悲しい事ですが、発達障害に完治はありません。
つまり、発達障害由来のできない事は、仕組みを作らないと改善される事はありません。
薬が効いて、発達障害の症状が和らいでいると、考える余裕が出てきます。
今のうちに仕組みを作り、発達障害由来の症状について、一つ一つ潰していきましょう。

具体的な方法

例えば、自分の行なっている事例を挙げます。
・財布携帯を無くす。
財布は前ポッケに入る三つ折り又は二つ折り財布にします。
携帯電話は右ポケット、財布は左ポケットに入れます。
ポケットを両手で叩きます。
ポケットが膨らんでいるのでこれで無ければ必ずわかります。
お店を出る時などの離席時は、必ずこれを行います。

・財布や鍵など必要小物は必ず同じ場所に置く。
もう絶対ここしか置かないと決めましょう。
そこに奥まで部屋に入らないとかがベストです。
カバンの中でも、絶対にこの外ポケットにしか鍵入れないなどガチガチに決めてしまいましょう。

・部屋の片付けができない。
物を買うのをやめましょう。
残る物を買えば、机の上、椅子の上、果ては床にものが積み上がっていき、取り返しのつかない事になります。
最低限の物しか買わなければ、置く事がそもそもなくなるので部屋の掃除がしやすくなります。
そして、お金の管理にも役立ちます。
そもそも買わなければ100%OFFなので。
意識して、必要な物だけを購入しましょう。

・タスクが溜まり優先順位がつけられない。
まずは自分に合ったタスク管理ができるよう職場に相談。無理なら転職します。(自分はこれで転職しました)
タスク毎に書類をクリアファイルに入れます。(常に20枚くらいのクリアファイルがある)
タスクが完了する度に、クリアファイルを確認して順番を決め直す。
完了したタスクは提出などで書類が消えるので、消化した事がすぐわかる。

など、一例に過ぎませんが、このような仕組みづくりで発達障害は激的に暮らしやすくなります。
むしろ薬よりこっちのが効果があると思ってます。
カバンを忘れてしまうのならば、あえて邪魔なところに置くや、鈴をつける、GPSのような物をつける。
方法については、今の時代ネットにたくさん転がっております。
自分に合った物を選び実践してみてください。

完治のない発達障害との向き合い方

余談コーナーです。
発達障害と診断された時、スッと胸のつっかえのようなものが取れた気がしました。
病気のせいだったんだ。
そう思ったからでしょう。
そして少し経ち、完治がないことを知った時、発達障害由来でできないことは、どう足掻いても改善されないことを知り、絶望しました。
仕組みづくりをすれば改善はされますが、完治には至りません。
どうやっても人より忘れ物をしたりするリスクは大きいままです。
薬を飲んでも完治はしません。
理不尽さに尋常じゃない怒りを覚えました。
今でもかなり怒ってます。
なので、知識をつけようと思いました。
仕事の事、病気の事、生活の事、お金の事。
とにかく知識をつけました。
物理的に何かをすると失敗するのであれば、自分がしなければ失敗しないわけです。
仕事はマクロを組みPCに大方やってもらいます。
可能な限り自分を排除する。わからないことをなくす事に努めています。
自分の場合、LD(学習障害)面で困った事はないので、学ぶ事には何も問題はない状態です。
なので、知識を取り込み、それを経験にし、あらかじめ起こりあるエラーを知り、対策をする。
発達障害との闘い方は一つではないと知ってください。
自分はそれに気づくのに半年ほど無駄にしました。

発達障害の人が使えるサービス

発達障害の治療には結構な額の治療費がかかります。
何も知らずに挑むと後悔するため、ここに記述していきます。
各市町村によって、変わる場合があるため、必ず自分の住んでいる地域でその取り組みが行われているか確認してください。

・自立支援医療制度
医師に相談し、診断書(保険対象外)をもらい、役所の申込用紙とともに提出し、認められれば受ける事ができます。
通常かかる病院の診断費用、薬代について3割が1割に減ります。
また収入によって月の限度額が決まっているため、それ以上の請求はされないこととなります。
例えば限度額5,000円の場合。
診断費用600円(1割)、発達障害に関わる薬代5,600円(1割)だった場合、通常は6,200円の支払いですが、5,000円の支払いとなります。
病院で600円払い、処方箋を出した薬局で残り4,400円払う感じですね。
その月内で発達障害の症状で病院にかかれば0円です。
(2023年12月10日追記)
市によって何割負担かが変わるようなので、各自市役所に問い合わせてください。
上記は大阪市の社会保険の場合です。国保だと無料だったはずです。

ただし、注意点もあるので気をつけましょう。
まず一つ目は、2年に一度診断書が必要な更新があるというところです。
前述しましたが、現在精神科は大変混み合っており、診断書の作成にかなりの時間を要する可能性があります。
病院の人も期限が近づけば言ってくれるかもしれませんが、更新の手続きは効果が切れてから2ヶ月以内に再提出が必要となります。
必ず自分でも期限を把握し、2年後のカレンダーに赤丸をつけておきましょう。
二つ目は、発達障害以外の薬では1割にならない事です。
例えば発達障害の薬と一緒に花粉症の薬をもらったとします。
この場合、薬代のうち花粉症の薬は3割で、かつ限度額の5,000円には含みません。
気をつけましょう。
三つ目は登録されている病院、薬局でしか1割にならないという事です。
自立支援医療制度を申請する時、3つまで病院、薬局を登録できます。
その登録されている病院、薬局でしか1割になりません。
今日は別ルートで帰るから今回だけ別の薬局で薬もらおう。などということをしてしまうと3割負担での請求となります。
必ず登録の薬局に行くようにしてください。
これは余談ですが、新店舗は半年経たないと自立支援医療制度に登録できないそうで、近くに薬局で来たときに相談に行ったら「3月まで待って」と言われました。
もし近くに薬局ができてそこに登録を変更しようと思った時はお気をつけて。

・精神障害者保健福祉手帳
発達障害と診断を受けてからある程度の期間が経つと申請ができるようになります。(期間については各市町村のホームページを確認してください。)
手帳を持つことで様々なサービスを受ける事ができます。
例えば大阪市の場合、市営バスが子供料金で乗れたり、水族館の入場料が安くなったり。
イメージ市営のものは安くなったり無料で使えたりするところが多いと思います。
健常者からするとズルい!ってなるかもしれませんが、健常者が払わなくていい年間60,000円(限度額5,000円の場合×12ヶ月)医療費に消えてるので、そこは多めにみてください…

・医療費控除
これは発達障害に関わらずですが、1家族の医療費総額(診察代+薬代)が100,000円(10万円)を超えた場合、いくらか戻ってくる制度です。
確定申告が必要となりますが、還付申請なので5年前まで遡って申請する事が可能です。
遡って申請といっても、各年度(1/1〜12/31)で限られているので、その年度で10万円超えてたらその年度について申請できるよって話で、5年まとめて10万超えてましたは申請しても意味がありません。
1年単位で10万円が超えているのならば申請しましょう。
具体的な申請方法などはYouTubeなどを参考にやってみましょう。今は恐ろしいくらい丁寧で分かりやすい解説動画ばかりなので恐れずチャレンジしてみてください。マイナンバーカードがあるとめちゃくちゃ楽です。
また、この時に病院や薬局でもらう領収書の保存が必要になるので(もし税務署の人が来た時に出せる証拠書類として必要)、必ず保管しておいてください。
もし医療費の領収書が手元にない場合、申請しないほうが良いと思います。
ちなみに、この医療費控除。交通費の申請もOKです。
通勤定期がある区間は除外されますが、電車バスなどの公共機関、やむを得ない事情がある場合のタクシー料金は一緒に申請できますので、頭の片隅に置いておいてください。結構馬鹿にできない額ありますので。

・障害者年金
精神障害で働けなくなってしまった場合、国からお金がもらえる場合があります。
発達障害だけでは厳しいですが、発達障害を原因に鬱や不安神経症など、別の病気を発症する事は珍しくありません。
この辺りは医師に相談してみてください。
普通にフルタイムで働けていると厳しいと思いますが、例えば障害者枠で労働時間に制限がある方や、そもそも働かないでいる方は可能性はあると思います。
この申請は医師の診断書があれば、個人でも可能ですが、膨大な量の資料の作成や申請があるので、個人的には社労士さんに相談してみることをお勧めします。相談は無料のところも多いのでそういうところを活用してみてください。
相場は成功報酬で障害者年金2〜3ヶ月分です。

・薬局やお薬手帳のあれこれ
お薬手帳出さないと40円くらい?加算されます。
また、薬の量や種類について、薬局から病院に相談してもらうと、加算されます。これについては病院で気づくよう、毎回処方箋はすぐに確認しましょう。
また処方箋はどこの薬局でも大体OKですが、薬があるとは限らないため、事前に確認しておきましょう。病院から離れててもOKなんですよね。実は。
処方箋は発行された日を1日目として4日目までに提出が必要です。月曜日に受けたら木曜日までですね。これを過ぎるとまた病院に行ってもらわなくてはならないので注意しましょう。

・発達障害者支援センター
発達障害向けの支援センターが各地域にあります。
ここでは、発達障害についての基礎知識や、働き方を座学と実習を通して学ぶ事ができます。
発達障害について意外にもアンガーマネジメント(怒った時どう対処すべきか)や障害者枠での雇用形態の種類など幅広く学ぶ事ができます。
また、休職者向けの3ヶ月ほどのプランでは、朝の8時30分ごろから15時までぐらいの就業時間に近い形で規則正しい生活と授業、実習を受ける事ができます。
交通費などはかかりますが、受講費は無料でした。市がやっていたからだと思います。
民間のものは有料だと思うのでそこは注意が必要ですが、上手く活用し、自分の障害と向き合い、何ができて何ができないのかをとことん追求してみてください。
とてもしんどいですが、とてもためになります。

発達障害に対する社会の反応

完全な経験則な話なので、当てはまらない方は読み飛ばしてください。

発達障害と判明した時の自分の環境は、運良く総務の方が詳しい方で理解をしてくれました。
ただし、その人だけです。
他の人は「発達障害?聞いたことあるけどそこまで詳しくはないんだよねー」みたいな感じでした。
当たり前です。
また運のいいことに、話を聞いてくれる体制はありました。
ですが、自分以上にわからない発達障害について、こちらから提案しない限り、配慮はありません。
この時点で、発達障害について、まず自分に深い理解が必要となります。
何ができて何ができないのか。職場に求める配慮は何?
全部言える必要があります。
この辺りは、前述の発達障害者支援センターの方に大変お世話になり、詰められていたので助かりました。
発達障害は障害として世に広まり出してまだ日が浅い障害です。
まだまだ社会が発達障害の方の働き方に合っていないと感じます。
というより、大量消費の社会になり、自然と現場も1人あたりの作業量が増え、マルチタスクが当たり前になってしまったのが要因なのだと考えています。
社会が変わり、今まで普通に働けていた人が働けなくなってしまった。これが自分の考えです。
昔は発達障害なんてなかったとよく言いますが、その概念がなかったということを除けば、困る人がいなかった、または困った人は人知れずリタイアしてしまっただけだと思います。
話はそれましたが、まだまだサポート体制も整っていないと感じるのが現代です。
ならばどうするべきか。
知識をつけて戦うしかないと考えます。
よく発達障害の方に対して「努力不足だ!」などの心無い言葉をかける人がいます。
ですが、これは合っていないけど合っていると思います。
発達障害由来なので、努力でそのできない事はできるようにならないので、合っていません。努力不足ではありません。
ですが、できるようにするための知識を得る事、仕組みづくりのための知見を得る、経験する事は努力するしかありません。これはもしできていないのであれば、努力不足の言葉は合っています。
あなたが努力不足だと罵っているわけではありません。
発達障害と診断され、できない事が分かった今、あなたにできる事は、薬の効果で症状を和らげ、自分でやり方を構築するという努力をするべきです。
周りはサポートはしてくれますが、助けてはくれません。
とてつもなく嫌なことを書いていますが、努力する他今現在この病に対抗する術はありません。
あなたが泣き叫んでも社会は変わらず大量消費をしますし、現場は常にフル稼働でそれに応えます。
その中で働くのであれば、自分の武器を把握し、無理にでも居場所を作り、戦うしかありません。
もちろん、障害に合わせた働き方職場は存在します。
しかし、まだまだ人1人が生きていくのに困らない額の給与が得られるところは少ないと感じます。
その場合は前述の障害者年金を受給するなどしなければなりません。
何かを選ぶと何かを失う。全ては得られません。
この社会において、あなたがどう戦うか。より良い選択をしましょう。

自分の話

自分の場合、発達障害と診断された時、ホッとしたと同時に治らないという事実に絶望し、塞ぎ込んだりイライラしたりして、自分にとっての働き方を見つけ、なんとか今を過ごしております。
自分はASDよりのADHDなのでしょう。
椅子にずっと座っていても苦ではないですし、こだわり強いところもあります。
かといってADHD由来の行動力の高さは爆発してると思います。
現在自分はこの行動力の高さを活かし、とにかくやってみる事を主軸に爆進しています。
自分にとってこれは役に立ってるので「特性」です。
逆にミスが多かったり、無くしものが多かったりします。
この辺りは周りの人の協力や仕組みづくりでなんとか数を減らしているのが現状です。
ミスも無くしものも0にはならないけれども、可能な限り減らす事が大事だと考えています。
薬についても効いている気はあまりしませんが、飲み忘れた時などはやはりミスが多いのかなと思うと、やはり効いているのかなと感じます。
自分の性格上、できないと自分に対して腹が立って仕方ないので、とにかくできるようになろうと躍起になります。
その原動力と爆発的な行動力を組み合わせてなんとか上手く行ってる感じですかね。
ただ、この爆発的な行動力も、物忘れも、ミスの多さも、やはり自分が発達障害で、何ができて何ができないのかをとことん向き合ってわかった事なので、今までの時間も無駄ではなかったと今では思ったりもします。

最後に


自分と向き合う事はとても苦しい事です。
できない現実。できるようになる事はない現実。
吐きそうなほど苦しくて、死にたくなるぐらい辛いと思います。
ただ、発達障害の方はみんな同じ悩みを抱えて、平等に苦しみ、それでも前に進もうとしています。
発達障害者支援センターに通っている時、周りの人はみなそんな方々ばかりでした。
1人ではないと思えたし、頑張ろうという気にもなれました。
これを読んでいるあなたも1人ではありません。
少なくともこれを書いている私がついています。
医師やカウンセラーの臨床心理士。今まで付き合ってくれていた友人。家族。職場の人。
あなたを助けてくれる人はたくさんいて、サポートしてくれます。
だから諦めないでください。目を逸らさないでください。
今すぐじゃなくて大丈夫なので、必ず前に踏み出してください。
この病気の厄介なところは、あなたにしか治療ができないというところ。
改善したいのならばあなたが動かなければ、サポートがいくらあっても前には進みません。
1人ではないけど1人の戦いで、でも周りには必ずあなたを助けてくれる誰かがいます。
自分の持っている武器を全て使って、発達障害さえも自分の武器にして、戦ってみてください。
選択肢はたくさんあります。
どうか負けないでください。
応援しています。

前提にも書きましたが、この記事は自分に起こった事をまとめたに過ぎず、発達障害とはこうだ!と定義したものではありません。
それでも、当時自分が発達障害だとわかった時に欲しかった物を全て詰め込んだと思っております。
全ての情報が、役に立つとは思っていません。
人によって異なることも多々あったと思います。
ただ、1つでも役に立つ情報があったのならば嬉しく思います。
もし追加で情報があれば、2として投稿しようとは思っております。
この世の誰かのために共有します。

終わり。

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